宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

太陽フレアの予測が可能に!

2012年11月16日 | 宇宙 space
太陽表面の巨大爆発フレアが、特定の磁場構造を前触れとして発生することが分かりました。
シミュレーションや観測から得たこの研究成果は、フレアの発生条件の解明につながるんですねー
そして、地上のインフラに影響を及ぼすフレアの予測実現に、大きく貢献すると期待されています。

太陽表面の巨大な爆発現象であるフレアは、黒点周辺に蓄積された磁場のエネルギーの一部が、突発的に解放されて起こると考えられています。
でも、その発生メカニズムは明確には分かってないんですねー

名古屋大学の研究チームは、太陽フレアが太陽表面における「大規模な磁場のねじれ」と「小規模な磁場の変化」の相互作用を通して発生するという仮設をたてました。
そして、その仮説に基づいて、大規模磁場のねじれ角と小規模磁場の回転角をそれぞれ変えて、スーパーコンピュータ“地球シミュレータ”によるシミュレーションを行いフレアの発生パターンを探りました。






フレアが発生する
磁場構造のパターン
矢印が大規模な磁場の
ねじれ(シア)角
白黒パターンが磁場の
陰極陽極を示す




その結果、ねじれた磁場中の小規模な磁場が、“反極性(OP)型”または“逆シア(RS)型”と呼ばれる2パターンの特殊な構造で現れたときに、フレアが発生することを発見しました。

この予測を検証するために、日本の太陽観測衛星“ひので”がとらえた2006年と2011年の観測データなどを解析しています。
すると、大規模フレア発生の数時間前に、上記の2種類と一致する磁場構造が現れていたことが分かったんですねー








“ひので”が観測した
2011年のMクラスフレア
黄色の円形で示した部分に
“逆シア(RS)型”構造が
現れた後に、その領域を
中心としてフレアによる
発光が広がった








今回の研究は、フレアの発生条件となる磁場構造を、世界で初めて特定したものとなります。
太陽フレアやそれに伴う磁気嵐は、地上の送電網や人工衛星、宇宙飛行士などにも影響を与えます。
なので、こうしたフレアの発生を予測できれば… 被害を最小限に抑えることができるんですねー

今回の研究成果は、宇宙天気予報を実現する上でも大きな一歩といえるのかもしれませんね。