“フォーマルハウト”は、秋の南の空で輝く“みなみのうお座”の1等星です。
その周囲のチリの環の中に見えるのが惑星なのか? この議論に関する新しい研究成果が発表されました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/36/4354986ff5181c80df1f9a6d4c0889ce.jpg)
“みなみのうお座”の
方向25光年先にある
“フォーマルハウト”
2008年11月、“ハッブル宇宙望遠鏡”が撮影した“フォーマルハウト”周囲のチリの環(ダストリング)の中に、惑星らしき天体がとらえられました。
当時は「系外惑星を直接撮影した世界初の例」として、話題になったんですねー
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/af/2b110bacad3654af2182396b2ce39d20.jpg)
2006年“ハッブル宇宙望遠鏡”で
撮影した“フォーマルハウト”
周囲のようす
右下は“フォーマルハウトb”
この天体は“フォーマルハウトb”と符号が付けられたのですが、今年の1月に「惑星でなくチリの雲だ」という説が発表されてしまいました。
理由は、この天体からの赤外線をとらえられなかったこと… “フォーマルハウトb”は一時的に現れたチリの雲となったんですねー
そして、今回のトロント大学の研究では、“ハッブル宇宙望遠鏡”による2004年と2006年のデータを再度解析し直しています。
その結果、1月の「惑星でなくチリの雲」発表のみならず、2008年の「初の系外惑星を直接撮影」についても見直されることになりました。
大事なのは、この研究発表では惑星の存在を認めていることです。
たとえば、“フォーマルハウトb”の明るさの変化についてです。
最初の発表では、これを惑星である証拠とし、反論の発表では逆にチリの雲である証拠とされたんですねー
でも、今回の研究では、この天体がそもそも一定の明るさであることが示されています。
また、ハワイの“すばる望遠鏡”での観測も行われたのですが、やはり赤外線では見つかりませんでした。
このことから、天体は予想よりはるかに小さく、木星の2倍以下の質量しかないと考えられています。
小さすぎて見つからない っということです。
もうひとつのポイントは、惑星の軌道にあります。
“フォーマルハウト”の周囲に広がるチリの環の位置や形状は、惑星の重力によって影響を受けているという説に対して、惑星の軌道が環からズレている、公転速度が速すぎるといった指摘があったんですねー
これも今回の研究で得られた惑星の軌道とその速度は、最初の説に合うものでした。
さらに、「フォーマルハウトbは、惑星と重力作用しない小さなチリの雲である」という仮説を立てて検証を行ったのですが、そうした雲は重力や恒星からの放射によりすぐに消えてしまうということが分かりました。
結果、周囲のチリの存在など環境条件を総合すると、浮遊しているチリの雲というよりも、チリにすっぽり包まれた惑星と考えられるんですねー
この発表内容が正しいとすると、検出された光は惑星の大気ではなく、周囲のチリのものになります。
なので、世界初の直接撮影ではなかったということに…
でも、この天体は環を整形するには、ちょうど良い位置と質量があり、直接撮影から存在がわかった初めての惑星と言えます。
“ハッブル宇宙望遠鏡”による“フォーマルハウト”の観測は今年の5月にも行われています。
ひょっとすると、そのデータから、また新しいことが分かるかもしれませんよ。
その周囲のチリの環の中に見えるのが惑星なのか? この議論に関する新しい研究成果が発表されました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/36/4354986ff5181c80df1f9a6d4c0889ce.jpg)
“みなみのうお座”の
方向25光年先にある
“フォーマルハウト”
2008年11月、“ハッブル宇宙望遠鏡”が撮影した“フォーマルハウト”周囲のチリの環(ダストリング)の中に、惑星らしき天体がとらえられました。
当時は「系外惑星を直接撮影した世界初の例」として、話題になったんですねー
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/af/2b110bacad3654af2182396b2ce39d20.jpg)
2006年“ハッブル宇宙望遠鏡”で
撮影した“フォーマルハウト”
周囲のようす
右下は“フォーマルハウトb”
この天体は“フォーマルハウトb”と符号が付けられたのですが、今年の1月に「惑星でなくチリの雲だ」という説が発表されてしまいました。
理由は、この天体からの赤外線をとらえられなかったこと… “フォーマルハウトb”は一時的に現れたチリの雲となったんですねー
そして、今回のトロント大学の研究では、“ハッブル宇宙望遠鏡”による2004年と2006年のデータを再度解析し直しています。
その結果、1月の「惑星でなくチリの雲」発表のみならず、2008年の「初の系外惑星を直接撮影」についても見直されることになりました。
大事なのは、この研究発表では惑星の存在を認めていることです。
たとえば、“フォーマルハウトb”の明るさの変化についてです。
最初の発表では、これを惑星である証拠とし、反論の発表では逆にチリの雲である証拠とされたんですねー
でも、今回の研究では、この天体がそもそも一定の明るさであることが示されています。
また、ハワイの“すばる望遠鏡”での観測も行われたのですが、やはり赤外線では見つかりませんでした。
このことから、天体は予想よりはるかに小さく、木星の2倍以下の質量しかないと考えられています。
小さすぎて見つからない っということです。
もうひとつのポイントは、惑星の軌道にあります。
“フォーマルハウト”の周囲に広がるチリの環の位置や形状は、惑星の重力によって影響を受けているという説に対して、惑星の軌道が環からズレている、公転速度が速すぎるといった指摘があったんですねー
これも今回の研究で得られた惑星の軌道とその速度は、最初の説に合うものでした。
さらに、「フォーマルハウトbは、惑星と重力作用しない小さなチリの雲である」という仮説を立てて検証を行ったのですが、そうした雲は重力や恒星からの放射によりすぐに消えてしまうということが分かりました。
結果、周囲のチリの存在など環境条件を総合すると、浮遊しているチリの雲というよりも、チリにすっぽり包まれた惑星と考えられるんですねー
この発表内容が正しいとすると、検出された光は惑星の大気ではなく、周囲のチリのものになります。
なので、世界初の直接撮影ではなかったということに…
でも、この天体は環を整形するには、ちょうど良い位置と質量があり、直接撮影から存在がわかった初めての惑星と言えます。
“ハッブル宇宙望遠鏡”による“フォーマルハウト”の観測は今年の5月にも行われています。
ひょっとすると、そのデータから、また新しいことが分かるかもしれませんよ。