うみへび座方向にある銀河の中心部で、普段は静かな超巨大質量ブラックホールの一時的な活動を示すX線放射がとらえられました。
観測から、このブラックホールは、お互いの周囲を回る連星のようで、
かつて衝突合体した2つの銀河の中心に、それぞれ存在したものと考えられているんですねー
大規模な銀河の多くには、その中心に巨大質量ブラックホールが存在すると考えられています。
でも、その活動は活発なものと静穏なものがあって、
活発なものは、周囲のガス雲をひきさき、加熱されたガスが放射するX線が常に観測できます。
一方、活動の静かなブラックホールでは、恒星を引き裂いて飲み込む瞬間をとらえない限り、その活動を目にすることはできないんですねー
“潮汐破壊現象”と呼ばれる、このような瞬間の一時的なX線フレアをたまたまとらえたのが、ヨーロッパ宇宙機関のX線観測衛星“XMMニュートン”です。
2010年6月、銀河SDSS 120136で起こったこの現象が観測データから見つかり、数日後から追跡観測が始まります。
X線はだんだん弱くなり、発見から1か月ほど経ったころ観測されなくなったかと思うと、また強くなりゆっくりと消えていきました。
この不思議な変動は、
ブラックホールが連星である場合に見られる、と予測されていたものと一致していたんですねー
ブラックホールへの物質の流入を、もう一方のブラックホールの重力が阻むことで、一時的にX線放射が弱くなるようです。
銀河中心部のブラックホールの連星候補は、これまでに数例しか見つかっておらず、
今回のような活動的でない銀河だと、今回が初めての発見になります。
観測から、銀河SDSS 120136のブラックホール連星候補は、
以下の2通りの構成が考えられています。
・ 一方は太陽の1000万倍の質量、もう一方は50万倍の質量のブラックホールで、楕円軌道の連星。
・ 重い方は太陽の100万倍の質量で、円軌道の連星。
いずれにせよ、かなり接近した連星で、お互いにおよそ190億キロしか離れていないんですねー
そして、2つのブラックホールは200万年以内に合体し、さらに巨大な1つのブラックホールになるようです。
銀河中心の連星ブラックホールは、それぞれを中心に抱いていた2つの銀河が衝突合体した名残りで、合体の証拠になります。
同じような現象の観測例を多数積み重ねることで、
銀河の合体や進化の歴史が、さらに分かってくると期待されているようです。
観測から、このブラックホールは、お互いの周囲を回る連星のようで、
かつて衝突合体した2つの銀河の中心に、それぞれ存在したものと考えられているんですねー
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銀河中心のブラックホール連星(イメージ図) ブラックホールへの物質流入を、もう一方(手前)が妨げることで、 X線放射の変動が生じると予測されている。 |
大規模な銀河の多くには、その中心に巨大質量ブラックホールが存在すると考えられています。
でも、その活動は活発なものと静穏なものがあって、
活発なものは、周囲のガス雲をひきさき、加熱されたガスが放射するX線が常に観測できます。
一方、活動の静かなブラックホールでは、恒星を引き裂いて飲み込む瞬間をとらえない限り、その活動を目にすることはできないんですねー
“潮汐破壊現象”と呼ばれる、このような瞬間の一時的なX線フレアをたまたまとらえたのが、ヨーロッパ宇宙機関のX線観測衛星“XMMニュートン”です。
2010年6月、銀河SDSS 120136で起こったこの現象が観測データから見つかり、数日後から追跡観測が始まります。
X線はだんだん弱くなり、発見から1か月ほど経ったころ観測されなくなったかと思うと、また強くなりゆっくりと消えていきました。
この不思議な変動は、
ブラックホールが連星である場合に見られる、と予測されていたものと一致していたんですねー
ブラックホールへの物質の流入を、もう一方のブラックホールの重力が阻むことで、一時的にX線放射が弱くなるようです。
銀河中心部のブラックホールの連星候補は、これまでに数例しか見つかっておらず、
今回のような活動的でない銀河だと、今回が初めての発見になります。
観測から、銀河SDSS 120136のブラックホール連星候補は、
以下の2通りの構成が考えられています。
・ 一方は太陽の1000万倍の質量、もう一方は50万倍の質量のブラックホールで、楕円軌道の連星。
・ 重い方は太陽の100万倍の質量で、円軌道の連星。
いずれにせよ、かなり接近した連星で、お互いにおよそ190億キロしか離れていないんですねー
そして、2つのブラックホールは200万年以内に合体し、さらに巨大な1つのブラックホールになるようです。
銀河中心の連星ブラックホールは、それぞれを中心に抱いていた2つの銀河が衝突合体した名残りで、合体の証拠になります。
同じような現象の観測例を多数積み重ねることで、
銀河の合体や進化の歴史が、さらに分かってくると期待されているようです。