宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

ブラックホールに飛ばされた星

2014年05月14日 | 宇宙 space
天の川銀河の外れを、時速220万キロという超高速で駆け抜ける星が見つかりました。
どうやら銀河中心の超巨大質量ブラックホールに、はじき飛ばされたみたいです。
天の川銀河中心部から銀河円盤の外まで、はじき飛ばされた“超高速星”(イメージ図)

中国の興隆県にあるLAMOST望遠鏡で、
天の川銀河内の恒星分布を調査していて発見されたのですが、
太陽系との相対速度が、天の川銀河内の通常の恒星の3倍近く、
時速220キロで移動していたんですねー

この星は“LAMOST-HVS1”といい、
生まれて3200万年ほどの若く、太陽の9倍の質量で明るさは13等級あります。

地球から見ると、かに座方向約4万2400光年彼方にあるのですが、
天の川銀河の中心からは6万2000光年の距離にあり、直径約10万光年の銀河円盤からは外れた場所にあります。

こうした“超高速星”は、同等の明るさのものがここ10年ほどで20個ほど見つかっていて、
“LAMOST-HVS1”は、その中でもっとも太陽系の近くにあります。

“LAMOST-HVS1”を含む一群の“超高速星”の分布から、
これらの星は、銀河の中心部からやってきたようです。

っというのは、もともとは連星だったものが、銀河中心の超巨大質量ブラックホールに近づいて、
1個がブラックホールの重力につかまり、もう1つが銀河の外れにはじき飛ばされたと考えられているからです。

ただ、星がはじき飛ばされるこうした現象が起こるのは、10万年に1回程度とみられています。

銀河の果てに飛ばされたこれらの天体は、
銀河を球状に取り巻き100万光年の規模まで広がる、正体不明の重力源“ダークマター”についてのヒントも与えてくれるようです。

恒星の軌道や速度を調べることで、
それらの動きに影響を及ぼす“ダークマター”の重力作用が分かるようですよ。