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ロシアの月基地は2030年に完成?

2014年05月19日 | 宇宙 space
2030年に月の南極に有人月基地を建設する、という計画案がロシアにあるんですねー
まず前段階として、旧ソ連の月探査機“ルナ”の後継機を2025年までに4機打ち上げるようです。

ルナ・グローブ周回機(イメージ図)
ロシア連邦宇宙庁、ロシア宇宙科学研究所、モスクワ大学がまとめた計画案では、
2016年から無人の月探査機を連続して打ち上げ、技術実証を行うことになります。

そして、2030年までに月へ有人の遠征隊を送り、月の南極付近に基地を建設して資源の採掘を開始。
2040年ごろまでに月面天文台や観測施設を完成させます。

月基地建設の候補地を月の南極付近に予定しているのは、
北極に比べて水が多い可能性があることと、天の川銀河の観測を行うのに南極が適しているから。
水素と酸素を含む月のレゴリス(砂状の表面の堆積物)を使って、人間の居住施設を建造することになります。

月開発計画は3段階になっていて、
2016年から2025年までの10年間(第1フェーズ)では、
旧ソ連の月探査機ルナシリーズの後継機が4機打ち上げられます。

ルナ計画は、1976年に月軟着陸とサンプルリターンを成功させた“ルナ24号”で終了しているのですが、“ルナ25号”から“ルナ28号”まで、月周回機と着陸機の2種類を開発しているんですねー

“ルナ25~27号”は、ルナ・グローブ計画として1990年代に再度計画されたものの、火星探査機“フォボス・グルント”の打ち上げ失敗から大幅に見直されることになります。

ルナ計画が見直されたことにより、“ルナ25号”は2015年から2016年に打ち上げが変更へ。
この計画ではソユーズロケットで打ち上げを行い、月面への着陸技術の向上を目指し、さらにレゴリスのサンプル調査も行います。

“ルナ26号”は2018年に打ち上げられ、月の低軌道を周回。
ルナ・レスールス着陸機(イメージ図)
つづいて“ルナ27号”は2019年打ち上げ、月の極域で最終的な有人探査の候補地への着陸を目指します。
月表面から2メートルの深さまでの掘削とサンプル調査も行う予定です。
“ルナ28号”については、まだ詳細は不明になっています。

第2フェーズは2028年から2030年までで、有人での月軌道への周回飛行を行います。
2030年から2040年までの第3フェーズは、いよいよ有人での月開発を開始、
月の資源を使った基地を建設し、月面天文台や地球観測施設の基礎を築くことになるんですねー

まぁー 巨額の費用がかかるので計画は実現しないとの見方もあるのですが、
ヨーロッパ宇宙機関との国際協働プロジェクトとする話し合いも進めているようですよ。