宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

星団の中心部ほど、若い星々が存在する理由は?

2014年05月13日 | 宇宙 space
X線天文衛星“チャンドラ”などによる2つの星団の観測から、
星団の中心部の星々が外縁部に比べて、より若いことが分かりました。

星団の星形成は、まず中心部から始まります。
なので今回の観測結果は、これまでの理論に反する結果になったんですねー
オリオン座方向およそ1400光年彼方にある火炎星雲“NGC 2024”。
中央に星々がひしめく星団が見える。

星団に属する星々は、ガスとチリの巨大な雲から生まれます。
雲の濃い部分に周囲の物質が重力でさらに集まり、高温になって星が輝き始めることになります。

こうしたプロセスが、まず雲の中心部で始まるとしたら、
星団の中心部には、早い段階で生まれた古い星々が存在するのが自然ですよね。
でも今回の観測結果は違っていたんですねー

観測は、火炎星雲“NGC 2024”とオリオン座大星雲にあるオリオン星雲星団で行われました。
これらの星団では、太陽と同じタイプの星が形成されています。

そしてX線と赤外線で観測し、恒星の年齢分布を探ってみると、
“NGC 2024”の星団では、中心部の星は形成からおよそ20万年、外縁部では150万年経っていることが分かることに…

またオリオン星雲星団では、中心部が120万年、外縁部で200万年という結果になったんですねー

こうした年齢分布になった経緯として考えられるのは、
 1.ガス雲の濃い中心部では、星の材料が尽きずに新しい星を生み出し続けることができる。
 2.古い星が時間とともに外縁部に移動した。
 3.巨大なガスのフィラメントの中で生まれた、幼い星が中心部に引き込まれた。
っといったものがあります。

この謎を解くには、同様の年齢分布を示す他の星団を探すことが、次のステップになるようですよ。