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宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

トランジットで発見された、もっとも公転周期が長い惑星

2014年08月04日 | 宇宙 space
地球から見て、太陽以外の恒星(主星)の手前を、その星を公転する惑星が横切る、
“トランジット”という現象があります。

“トランジット”現象では、主星の光が手前を通過する惑星にさえぎられて、
わずかに暗くなることから、惑星の存在を知ることができます。

そして今回、“トランジット”としてはもっとも長い、
704日周期で公転する系外惑星が発見さました。

この惑星は“ケプラー421b”といい、
こと座の方向1000光年の距離に位置する、天王星サイズの系外惑星です。

さらに“ケプラー421b”は、岩石惑星とガス惑星とを分ける境界線“スノーライン”よりも、
外側の軌道を持っていたんですねー
ケプラー421b(イメージ図)

“ケプラー421b”は、
主星からの距離約1億8000万キロの軌道を回っていて、
太陽系でいえば、地球軌道と火星軌道の間にあたります。

これだけだと、
人が住めそうな軌道に思われますが、
主星が太陽よりも暗く低温なので、
届くエネルギーは少なく、
残念ながら、摂氏マイナス90度以下という低温の環境のようです。

“ケプラー421b”は、
この惑星系の“スノーライン”よりも外側に位置していて、
“スノーライン”を超えた領域に見つかった、初めてのトランジット惑星でもあります。

主星から近い場所で岩石惑星、遠い場所でガス惑星が形成されると考えられていて、
この境界を“スノーライン”といいます。

ただ、これまでに発見された多くのガス惑星は、
主星のすぐそばを、数日から数時間という短い周期で回っているんですねー

たぶん“スノーライン”より外側で形成されたガス惑星が、
じょじょに軌道が内側に移動してきたと考えられています。

そして、“スノーライン”外の“ケプラー421b”は、
今ある場所で形成され、軌道の移動を経験していない可能性があるそうです。