“TMT”の完成予想図 |
直径30メートル巨大光学望遠鏡“TMT”が、
今年の10月から、ハワイのマウナケア山頂(標高4205メートル)付近に、建設されることになりました。
完成予定は2021年を目指していて、
日本、アメリカ、中国、カナダ、インドが共同で建設することになります。
マウナケア山頂には、すでに各国の大型望遠鏡が10台あまり立ち並んでいます。
国立天文台の“すばる望遠鏡(直径8メートル)”も、その1つになるのですが、
“TMT”は、この“すばる望遠鏡”の数十倍の性能になるんですねー
“TMT”の建設予定地(ハワイ島マウナケア山頂域)。 |
直径30メートルの主鏡は、492枚の分割鏡をつなぎ合わせて構成され、
交換用も含め574枚の鏡材は、すべて日本の製造になります。
2014年3月に製造された主鏡分割鏡材。 |
分割鏡は、今年3月までに60枚が出来上がり、
今は鏡面の研削、研磨加工の量産に入っています。
望遠鏡の巨大な本体も日本が担当し、
基本設計は終えているので、今後、詳細設計を経て製造されることになります。
また、ヨーロッパでも南半球の南米チリ高地に、
直径39メートルの巨大望遠鏡を計画しています。
でも“TMT”の建設の方が、かなり先行しているんですねー
なので巨大光学望遠鏡の新時代は、北半球の“TMT”が切り開くことになります。
“TMT”は、大気の揺らぎを補正する最新の補償光学も活用し、
宇宙からの微弱な光を捉えることができます。
“すばる望遠鏡”は、129億光年も離れた遠方の銀河を、たくさん見つけてきました。
でも、見つけるのが「せいぜい」だったんですねー
“TMT”なら、“すばる望遠鏡”が見つけた遠方銀河の分析まででき、
宇宙の始まりがよく見えてくることになります。
集光力が大きいので、
太陽系外の地球に似た惑星に、酸素があって生命が存在しうるかどいうか、
なども調べることができるそうです。
“TMT”は、天文学を飛躍させる、画期的な光学望遠鏡になるようですよ。