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宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

アルマ望遠鏡で探る、彗星での有機分子合成

2014年08月24日 | 宇宙 space
アルマ望遠鏡を用いた、アイソン彗星とレモン彗星の電波観測。

この観測から、彗星を取り巻くコマの中での分子合成について、
新たな発見がありました。

この発見は、太陽系そのものや生命の素になった、
有機物の起源を知る手がかりなるようです。
観測時の彗星の位置と軌道。

2つの彗星の観測が行われたのは2013年11月のことです。

電波観測で、
彗星核を取り巻くガス(コマ)に含まれる3つの有機分子、
シアン化水素(HCN)、シアン化水素の原始が組み変わったHNC分子、
そしてホルムアルデヒド(CH2O)の分布や運動速度が調べられました。

アルマ望遠鏡で観測した、
彗星コマのシアン化水素の分布。
その結果、シアン化水素は彗星核から全方向に均等に噴き出している一方で、
HNC分子は、かたまりとなってコマの中を移動していることが分かります。

これは、コマの中で有機物質が集まったチリが壊れることで、
HNC分子が作られるという説を、
裏付ける新たな証拠になるんですねー

彗星のコマに含まれる有機物質のチリは、地球の大気に飛び込んでも壊れにくく、太古の地球に降り積もって生命の起源になった可能性もあります。

また中規模の彗星には、
あまり多く存在しない有機物質について、
これだけ詳細な観測が行われたのは、
特筆すべき成果だそうです。

今後は、より暗い彗星や、遠くの彗星、
そして、より複雑な未知の分子の観測が進むことが期待されるそうです。