ニアミスした太陽風、直撃すれば経済的損失は約200兆円に！

2012年7月23日に、地球のそばをかすめた太陽風。

もし地球を直撃していれば、
「現代文明を18世紀に後退させる」ほどの威力があったようです。

NASAによると、太陽風は過去150年間で最も強力なものだったのですが、
何が起きているのか理解している人は、ほとんどいなかったそうです。

NASAの太陽観測衛星“SDO”が とらえた太陽フレア

この太陽風の発生が、ほんの1週間前にずれていたら、地球は太陽風の集中砲火を浴びていたのですが、
今回は代わりに、NASAの太陽観測衛星“ステレオA”を直撃しています。

“ステレオ”は、太陽風を測定するための装置を搭載しているので、
研究チームは、収集したデータを解析してみたんですねー


すると、その太陽風は、これまで知られている中で最大規模だった、
1859年の“キャリントン・イベント”と呼ばれる宇宙嵐に匹敵することが分かることに…

さらに、カナダのケベック州一帯を停電させた、
1989年の太陽風と比較しても、2012年の太陽風は2倍の威力があったようです。


太陽風は広範囲に停電を起こし、ラジオやGPSから水道まで、
電力に依存する、大半のものの機能を停止させる恐れがあります。

1859年と同規模の太陽風が起きた場合に、
現代社会が受ける経済的損失は、約200兆円という試算もあり、
そこからの復興には、何年もかかる可能性があります。

過去50年の太陽風の記録を分析した結果、
今後10年以内に“キャリントン・イベント”と同規模の強力な太陽風が、
地球を直撃する確率は12％でした。

この確率は、とても高く厳しい数字といえますね…