宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

“Super-WIMP”がダークマター候補から外れる

2014年10月03日 | 宇宙 space
岐阜県飛騨市の地下検出器“XMASS-I”による高感度段策で、
ダークマターの有力候補の1つだった“Super-WIMP”の可能性が消去されました。

このことは、ダークマターの性質解明の向けた大きな一歩になる成果なんですねー

XMASS-I検出器
ダークマターは、
他の天体に及ぼす重力を通してしか、
存在を知ることができない謎の物質で、
その性質は理論研究により、
さまざまに予測されています。

そのダークマター候補の1つが、
ボゾン粒子の“Super-WIMP”です。

“Super-WIMP”は、
極めて弱く相互作用する質量粒子で、
この粒子が存在するとすれば、銀河の運動や宇宙背景放射の観測から知られている、
ダークマターの量をうまく説明できるとして有力な候補とされていました。

今回の研究では、“Super-WIMP”の兆候をつかまえるため、
岐阜県飛騨市の地下1000メートルに設置された“XMASS-I”検出器を用いています。

この粒子は地球にも降り注ぎ、まれに検出器内の原子に吸収されます。
そして、その静止質量と等しい運動エネルギーを持つ電子を、
検出器内に放出するとされているので、この信号をとらえようというものなんですねー

今回、165.9日分の観測データから、
4万~12万eVの質量持つ粒子について高感度で探索を行いました。

でも、粒子による信号は見つからず…

この質量範囲の“Super-WIMP”が、
宇宙のダークマターであるというシナリオが、
正しくないことが、はっきりしたということです。