巨大銀河団の重力レンズ効果によって分離された遠方天体の複数の像が、
天体を異なる角度から見た、立体構造を映し出したものであると確認されたんですねー
約50億光年彼方の銀河団ごしに見える、
100億光年彼方のクエーサー“SDSS J1029+2623”。
このクエーサーは、
銀河団の強い重力による屈折(重力レンズ効果)を受けて、
分離した3つの像となって観測されています。
2010年に、この分離像のうち2つ(AとB)を“すばる望遠鏡”で観測すると、
これらの像に違いがあり、「クエーサーを異なる角度から見た姿」という可能性があることが分かります。
クエーサーとは、
ひじょうに遠くにある銀河の中心核が、
とても明るい輝きを放っているものです。
銀河中心の巨大質量ブラックホール付近が
その放射源で、ブラックホールを取り囲むガス円盤の表面から、ガス流(アウトフロー)が噴き出しています。
研究チームでは観測した分離像の違いを、
「このガス流の立体的な内部構造を映し出しているのでは」っと考えたんですねー
レンズ像AとBは異なる経路からやってくるので、
地球に届くタイミングに、およそ2年の差があります。
研究チームでは、今年の4月に2つの像の違いが、
この時間差によるものではなく、角度の差によるものであることを、
確かめるために追観測を行います。
その結果、2010年の観測データから大きな変動はなく、
同じタイミングにクエーサーを出発したAとBの像には、
前回の観測通りの違いが見られることが確認されることになります。
観測される像が、確かに立体視されているものだということを踏まえると、
アウトフローの内部は一様ではなく、
小さなガス塊、あるいは濃淡のムラが存在する、
複雑な構造であることが示されたんですねー
今回の観測では、ガス塊の密度や光源からの距離に関する、
大まかなヒントが得られるに留まりました。
でも今後、同じような多数のクエーサー分離像を観測することで、
アウトフローの全貌解明につながる道筋が作られたことになります。
天体を異なる角度から見た、立体構造を映し出したものであると確認されたんですねー
約50億光年彼方の銀河団ごしに見える、
100億光年彼方のクエーサー“SDSS J1029+2623”。
このクエーサーは、
銀河団の強い重力による屈折(重力レンズ効果)を受けて、
分離した3つの像となって観測されています。
2010年に、この分離像のうち2つ(AとB)を“すばる望遠鏡”で観測すると、
これらの像に違いがあり、「クエーサーを異なる角度から見た姿」という可能性があることが分かります。
しし座方向の銀河団の 重力レンズごしに見える、 クエーサーの3つの像 (A、B、C) |
クエーサーとは、
ひじょうに遠くにある銀河の中心核が、
とても明るい輝きを放っているものです。
銀河中心の巨大質量ブラックホール付近が
その放射源で、ブラックホールを取り囲むガス円盤の表面から、ガス流(アウトフロー)が噴き出しています。
研究チームでは観測した分離像の違いを、
「このガス流の立体的な内部構造を映し出しているのでは」っと考えたんですねー
レンズ像AとBは異なる経路からやってくるので、
地球に届くタイミングに、およそ2年の差があります。
研究チームでは、今年の4月に2つの像の違いが、
この時間差によるものではなく、角度の差によるものであることを、
確かめるために追観測を行います。
その結果、2010年の観測データから大きな変動はなく、
同じタイミングにクエーサーを出発したAとBの像には、
前回の観測通りの違いが見られることが確認されることになります。
クエーサーを出発したA像とB像は、 銀河団の重量による屈折を受けて、744日違いで地球に届く |
観測される像が、確かに立体視されているものだということを踏まえると、
アウトフローの内部は一様ではなく、
小さなガス塊、あるいは濃淡のムラが存在する、
複雑な構造であることが示されたんですねー
今回の観測では、ガス塊の密度や光源からの距離に関する、
大まかなヒントが得られるに留まりました。
でも今後、同じような多数のクエーサー分離像を観測することで、
アウトフローの全貌解明につながる道筋が作られたことになります。
クエーサーのアウトフローを構成するガス塊。 真上に噴き出しているジェットは別の現象。 |