宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

他のロケットとは少し違う、“デルタIVヘビー”の打ち上げ準備

2014年10月16日 | 宇宙へ!(民間企業の挑戦)
12月4日予定されているNASAの新型宇宙船オリオン。

このオリオンの試験機を打ち上げるロケット“デルタIVヘビー”が、
10月1日に発射台に立てられました。

これから、ロケットへの推進剤の充填や打ち上げの予行、
続いてオリオン宇宙船試験機の搭載や試験などが行われる予定です。

ロケットは9月30日の夜に組立棟を出発し、
水平に倒された状態で発射台まで運ばれています。

そして10月1日にロケットを立て、モバイル・サービス・タワーの中に収められました。

H-IIAやアリアン5、スユーズなど、
他の多くのロケットは、
まず組立棟の中でロケットを完成させ、それを発射台へ運ぶという運用になります。

でも“デルタIVヘビー”は、未完成の状態でロケットを発射台に立て、そこに可動式の整備塔モバイル・サービス・タワーを持ってきて、その中で衛星の搭載など、最後の組み立てや試験が行われます。

そして発射前には、
モバイル・サービス・タワーを発射台から移動させるんですねー


現在世界中で運用されているロケットの中で、
もっとも大きな打ち上げ能力を持つのが“デルタIVヘビー”です。

地球低軌道に約20トン、静止トランスファー軌道へは約13トンのペイロードを運ぶことができます。

その外見は、デルタIVの第1段を両脇に装備するというもの。

計3基の第1段が並んで飛ぶという、
見るからにパワーアップしたことが分かる壮観なもの。

2004年12月にデビューして以来、現在までに7機が打ち上げられています。


今回のミッションで“デルタIVヘビー”が運ぶのは、
NASAの新型宇宙船オリオンの無人試験機。

このミッションはEFT-1と呼ばれていて、
オリオン試験機を、高度約5800キロにまで到達する楕円軌道まで打ち上げます。

そしてオリオンは、そこから秒速約9キロで大気圏に突入し、太平洋上に着水することになるんですねー

この試験により、オリオンの電子機器や耐熱システム、パラシュートなどが、
設計通りに機能するかの確認をするそうですよ。