宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

地球の水の起源は、太陽よりも古かった?

2014年10月05日 | 宇宙 space
ミシガン大学の研究から、太陽系の水の大部分は、
その起源が、太陽の誕生より前かもしれない、 っということが分かってきました。

このことは、他の惑星系における水の存在を占う上で、重要な成果になるようです。
宇宙空間の分子雲で生成された水が、
誕生したばかりの太陽系に取り込まれた。

地球の生命にとって不可欠な存在である水は、
地球だけでなく月や火星、そして水星の永久影、彗星など…
太陽系の至るところで見つかっています。

太陽系の水は、
生まれたての太陽を取り囲んでいた“原始惑星系円盤(チリとガスの円盤)”の中に、
存在していた氷が起源とされています。

そして、この円盤の中で私たちの地球などの惑星も、形成されることになります。

でも、この水分子は太陽が誕生する前の、
分子雲に存在していたものが取り込まれたのか、
それとも原始惑星系円盤内での化学反応で生成されたものかは、
分かっていませんでした。

もし恒星間空間で作られた水が、そのまま取り込まれるのなら、
多くの原始惑星系円盤には、大量の水が存在することになります。

また、円盤中で作られるのなら、
円盤ごとに水の量が異なることになります。

そしてそれは、その惑星系での生命の可能性に関わってくるんですねー

今回の研究では、
円盤中のみで水が作られるとしてシミュレーションを行い、
太陽系の水に見られる特長(水素に対する重水素の比率)を、
満たさないことを明らかにしました。

恒星間空間の低温環境で生成される、
重水素が豊富な水を取り込んでいなければ、
観測と一致しないんですねー

なので、太陽系の水の3割から5割は、
太陽が生まれる前の恒星間空間で作られたようです。

この結果はさらに、
「ほぼすべての生まれたての惑星系に、有機物豊富な水の氷が大量に含まれている」
可能性が高いことを示していて、たいへん興味深い成果になっています。