宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

超高輝度X線源の正体はパルサーだった?

2014年10月15日 | 宇宙 space
おおぐま座の銀河M82に、史上最も明るいX線パルサーが見つかりました。

このX線源は、もともとブラックホールが正体だと考えられていたんですねー

なので、どうすればブラックホールよりも軽い中性子星パルサーが、
膨大なエネルギーを放射するのか?

けっきょく今回の発見により、新たな謎が生まれたことになりました…
M82銀河とX線源“M82 X-2”(ピンク)

おおぐま座の方向1200万光年彼方にある銀河M82。

このM82銀河の超新星を観測していた
NASAのX線天文衛星“ニュースター”が、
同じ銀河に強いX線のパルス(点滅)をとらえました。

ただ、その位置にはもともと、
ひじょうに明るいX線源(超高輝度X線源)
“M82 X-2”があることが、知られていたんですねー

すべての超高輝度X線源は、
伴星から物質を奪って光る、中質量(太陽数百個分)のブラックホールだと考えられていました。

でも、ブラックホールは点滅しません…

最初、このパルスが、
「“M82 X-2”でなく、別のX線源からのものかもしれない」と疑ったのですが、
天文衛星“チャンドラ”と“スウィフト”のX線観測により、
確かに“M82 X-2”からのパルスであることが確認されます。

1.37秒周期で点滅する“M82 X-2”のX線パルサー
X線天文衛星“ニュースター”の高い感度と時間精度が、今回の発見につながった。

このようなパルサーの正体は、
重い星が超新星爆発を起こしたあとに残る高密度天体“中性子星”です。

電波からガンマ線まで広い波長にわたる放射が、星の高速自転とともに、
地球からは、灯台のように点滅して見えることになります。

“M82 X-2”は、太陽1000万個分もの膨大なエネルギーを放射しているのですが、
ブラックホールのような質量を持たない中性子星です。

では、なぜこれほど明るいのか?

ひとつの可能性として、
理解しがたいほどの勢いで伴星から物質を重力で引き寄せて、
エネルギー源にしていることが考えられます。

今後は3機の天文衛星で、さらに“M82 X-2”を調べるとともに、
他の超高輝度X線源を観測して、同じようなパルサーがないか調べていくようです。