この所、遊び回るのに忙しく、記録しておく暇が無かったが、1ヶ月前にTongsheng TSDZ2 でe-Bike化したグレートジャーニー改が1周年を迎えると共に、オドメターが4000kmを越えたのでこの間のインプレッションをメモしておく。
① 当初心配したC国製のユニットを自分でポン付けして10年前の自転車をe-Bike化した場合、色々問題が発生するだろうと考えていたが、それは全くの杞憂であった。
② この一年で不具合らしいものと言えば、アシストレベルを急速に変更した場合、CPUが追随できず、コントローラーがフリーズすることがあったが、実用上そんなに急速にアシストレベルを変えることは無いので、まったく問題にならない。また心配した走行距離が延びるに従って、ギアが磨滅するとか(現に交換用ギアが売っていいる)、電池が消耗するとか(既に数十回充放電を繰り返したが、性能低下は認められない)の不具合は一切無い。きわめて安定して自然なアシストをしてくれている。
③ 350Wのミッドモーター、36V 10.4Ahリチュームの電池は私の1回のサイクリングを完全にカバーしてくれており、過不足はない。但しリチューム電池の特性上、そして電池ケースが外気にさらされているため、寒い信州では冬場の充放電能力は2,30%低下する。(いずれにせよ、昼が短く、寒い冬にそんなに走らないのでOK)
アシストレベルを1/4の最低にして、尚且つ真面目に漕ぐという前提で、満充電で夏なら平地で200~160kmは走れるのが、真冬は150~120km程度の走行可能距離となる。
ヒルクライムでは、夏は乗鞍の三本滝⇔平湯峠往復の獲得標高2000m弱をこなせた。
所が厳冬期になると、急速に獲得標高は低くなり、雪の上高地~安房峠では1400m程度に低下してしまった。(寒いので人力の入力が減りアシストが増えることもある。)
④ グレートジャーニー改のコントローラー、VLCD5は電動アシストのモードとして日本モードと欧州モードを持っている。日本の法規に厳格に従うには日本モードにして、アシストが効く上限を24km/hに、15~24km/hのアシストは漸減にしなければならない。しかし欧州モードであると、電池の消耗は若干大きくなるが、25km/hでもまだアシストがあるので、25km/hでの巡行が非常に楽になる。私は一応日本モードにしている。
⑤ e-Bikeがあると、平地での30km/h以上の高速巡行を楽しむ筋力のある若いローディーに、ずっとついて行くのは無理があるが、速度の遅い=アシスト量が多いヒルクライムに於いては、若者に混じってヒルクライムを楽しむことができる。また、自力のみではもうセンチュリーなんて走る気にならないが、e-Bikeなら160km位は走っても良いかなという気分になる。夏場、ロードだけに乗っていた時は、どうしても無理をして走り、熱中症になりかかったり、走行後数日間疲労が抜けず、体にダメージが残ることも多かったが、e-Bikeだと無理をすることが無くなり、体へのダメージは格段に軽減された。逆風の時や坂道の時は躊躇なくアシストレベルを1段階上げられるので、足の関節への負荷、ダメージも明らかに低減されている。
⑥ e-Bike化のおかげで、この1年、自転車で走る範囲が随分と広がった。ただ、重量が重たいのだけはどうしようもない。ロードなら気ままに走って、終点で列車輪行という手があるのだが、20kg近い自転車を列車輪行で運用する自信はない。遠くに遠征の場合、どうしても車載輪行となってしまうので、出発点と終着点が一致せねばならないのが玉に傷。
⑦ パワーメーターなどで測ったわけでは無いので、あくまで私の感じなのだが、アシスト1/4で80W、2/4で160W、3/4で240W、4/4で320W程度のリニアなアシストが働いているような気がする。電池容量は36V*10.4Ah=370Whなので、最弱の1/4のアシストレベルにしていれば、数時間(実際には常に80Wアシストではなく、自分の力で走っているので)から10数時間走り続けることができる。
と、グレートジャーニーのe-Bike化は予想以上の成果をもたらしてくれた。願うらくは、この幸運が数年続いて欲しい所だ。
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e-Bike化を考えている方へのご参考
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① e-Bike化キットのTongsheng TSDZ2 を選んだ理由とデーター概要
② ドライブモーターの取付け
③ コントロールユニット、センサー、スイッチの取付と配線
私の場合は本体キット、バッテリー共にAliexpressで頼みました。本体は36v 500w、バッテリーは10s6p仕様なので結構重いです。
まだ試運転中に近いものの2点ほど悩み中です。
1つはフロントのチェーンリング大径化で、シングルで構わないので元々付けていた50Tにしようと一昨日試してみました。すると、チェーンライン悪化が思った以上に影響したらしく、リア8sのうち、マトモに使えるのはトップ側の3枚のみとなってしまい、帰宅してからデフォルトの42Tに戻しました。内側へオフセットしたチェーンリングがもっと出回るといいんですけどね。あとはやや現実的でないものの、リアをシマノの内装11sとかに出来れば解決かも知れません。フロント大径化は検討されたことあるでしょうか?
2つめはまだ癖が掴めていないだけと思いますが、ディスプレイに出るバッテリー残量の見方です。当方vlcd6を使用していますが、4目盛りの最初の1つが下がるまでには相当走れるんですが、以降の下がりかたが急なように感じます。バッテリーの特性も影響しているかも知れません。同じような感触はありますでしょうか?
ちなみに、LGの2500mAhのセルを10s6p接続した仕様となっています。
ブログ見て頂いてありがとうございます。TSDZ2ファンが増えれば嬉しいです。さて、ご質問の件。
①チェーンリングの大径化?
あまり考えていません。この辺りは歳と体力の差だと思いますが、71歳の私の場合、最高速度を出すのではなく、ヒルクラや山登りをフラット化するためのe-Bikeなので、現在の42Tで丁度良い塩梅です。スピードを出さねばならない時は基本、アシストレベルを上げ、加速後、電池セーブの為、アシストレベルを下げるようにしています。世の中にはTSDZ2用の2枚フロントリングも売っているようなので、そちらを付けて、チェーンラインがダメになる領域を避けて使うという手があるかもしれませんがいかがでしょうか?
②コントローラーの電池レベル表示?
VLCD5でも電池レベル6/6では結構長く走れ、1/6からはかなり短距離で0/6になります。明らかに電池の放電能力とレベルメーターは非リニアですね。これは多分レベルメーターは電圧リニアで設計されていて、放電能力にリニアには設計されていない為と思います。(そう推測する理由、アシストをしっかり使っていると残電池レベルが下がるが、停車すると残電池レベルが1上がることがある)
電池の残電圧を計っていて気が付いたのですが、コントローラーは横S字の放電特性の左側80%位を使い、34V(単セル3.4V)の所で放電ストップとしているようです。ですので電圧リニアだと最後の一目盛は最初の一目盛よりずいぶん少ないエネルギー量となっているのではないでしょうか。(絵を使えないのでわかりにくいか?)
早速のお返事ありがとうございます。
①は、おつしゃるとおり$80で売っているのは見かけたのですが、ちょっと不当に高い気がして手が出ません。何せ本体は3万台、バッテリーは1万台でしたからね。あまりお金をかけすぎるのも本末転倒かなと。
しばらくはわたしも42Tでやってみます。スピード出しすぎると電池の減りが早いですしね。
もう一つついでに。私は今回のインストール時にチェーンを切るのが面倒だったのもあり、フロントディレイラーを残したままにしました。チェーン落ち対策にもなっているかも知れません。ただし、そろそろチェーンも換え時なので、その時に取り払うか思案しています。momongerさんも写真からするとフロントディレイラーが残っているようですが、チェーン落ち対策でしょうか?
②はやはりそうでしたか。自分の環境の特殊性があるのかと疑いましたが、そういうもんだと思って運用で回避しようと思います。大変参考になりました。ありがとうございます。
あ、ちなみにですが、私はリアのシフトケーブルはBB下は通さずに、アウターをトップチューブ沿いに端から端まで這わせました。この方がシフトがスムーズになりオススメですよ。ま、momongerさんの美学が許せばですが。