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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

オオムラサキのオスに今年初めて邂逅。シオカラトンボ、ムギワラトンボ。ヤマトシジミとアメンボウの交尾。猛暑の妻女山(妻女山里山通信)

2024-07-22 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温は34度の予報、妻女山陣場平に登ると28度。快適と言いたいところですが、無数のクロメマトイに纏わりつかれました。何もいません。堂平大塚古墳にも下りてみましたが何もいません。樹液バーも空っぽ。仕方なく下りて林道をウロウロ。

 オスのオオムラサキ。左の翅の欠損は、ニホンカナヘビに襲われたのかも知れません。今年初めて目撃しました。長坂峠のエノキの葉にオオムラサキの幼虫などの食痕が見られなかったので心配していました。昨年は猛暑でオオムラサキはオスメス1頭見ただけでした。その影響がもろに出ています。羽化した数は相当に少ないと思われます。

 樹上から転げ落ちるように草むらに落ちてきました。何かに襲われたのでしょうか。水たまりの水を飲んだり、獣糞を吸いに地上に下りることはありますが、そういう時にニホンカナヘビに襲われやすいのです。

 蝶などを狩るシオヤアブのオス。自分より大きな昆虫を狩ることもあります。

 ヤマアジサイは満開です。ヤマハギも満開なのですが、あまりの暑さに吸蜜に来るシジミチョウはいません。

 妻女山展望台から西に茶臼山と右奥に虫倉山。その右に陣場平山。富士ノ塔山。今日は北アルプスは雲の中です。眼下の長芋畑の緑が濃くなってきました。実は耕作放棄地もたくさんあります。若い人が魅力を持つような農業を育てないと自給率の低い日本は、有事のときは都会の人から死んでいきます。輸入戻税や円安で苦労もなく巨額の利益を得ている巨大企業に尻尾を振り、中国などの外資企業に国土を売り払っている売国奴自公政権を潰さないと日本は終わります。

 妻女山山系の麓にはいくつか池や沼があります。そのひとつに行ってみました。まず、シオカラトンボのメス。ムギワラトンボです。メカニックな背中の構造が魅力的。

 シオカラトンボのオス。飛翔交尾するペアもいました。真っ赤なナツアカネもたくさん。

 交尾中のアメンボウ。半翅(はんし)目アメンボ科。ハエや羽虫などを食べる肉食昆虫です。末端に毛が密生した脚の先端に油を塗り、表面張力を利用して身体を水面から持ち上げて滑走します。体重が0.04gしかないのでそりゃあ浮きますよね。昆虫を捕らえたら獲物の体が溶ける液を注入し吸い取ります。

 クサノオウ(瘡の王)で交尾中のヤマトシジミ。蝶の交尾というのは時間がかかります。よって交尾中にシオヤアブなどに狩られてしまうものも少なくないのです。メスは場所が気に入らないとオスを引きずってあちこち移動することもあります。基本メスが主導します。

 このカットから上がメスで、下がオスと分かります。翅の表がオスは青っぽくメスは茶褐色です。ウスバシロチョウもそうですが、蝶の交尾は女性上位が基本の体位です。

 ベニシジミ(紅小灰蝶)。幼虫の食草は、タデ科のスイバやギシギシなど。羽化したてなのか綺麗です。

 カワセミが子育て中なのでしょうか、盛んに水面すれすれを舞って木々をまわって餌を捕らえています。次は大きな望遠レンズを持ってきましょう。撮影に夢中になると池に落ちそうになるので要注意です。炎天下は危険なのでたびたび日陰に入ります。

 眼の前に3、4ミリの真っ白な綿毛がフワフワ。普通は目にも止めないでしょうけれど、すぐにハゴロモの幼虫と分かったので後を追いました。葉に止まったところを撮影。昨年の今頃にスケバハゴロモの幼虫を撮影しブログにアップしました。これはオオシラホシハゴロモかな? 可愛いですけど果樹園の害虫です。ハゴロモ類の幼虫は、過剰な糖分をロウに作り替えて,カモフラージュの材料として利用しているのです。カメムシやセミの仲間です。

 陣場平の様子。歩くと小蛾が草むらからたくさん舞い上がります。それだけ。何もいません。近々ここの除草作業をします。その下見を兼ねて登りました。猛暑でここ2、3年は妻女山山系の昆虫が激減しています。樹液バーにもなにもいません。急激な気象の変化は、生物の特に昆虫の生態系には過激な影響をもたらしています。ただ昨年とは猛暑のパターンがずいぶんと異なります。それが今後どういう影響をもたらすのかは分かりません。逐次定点観測をしていきたいと思います。

「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」というムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログは世界中からアクセスがあります。この文章をクリックで見られます。ロンドンに5週間住んでいて、Queenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話。70年代の美大生の赤裸々な日々が見られます。

好評だったブログ記事:「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース 川田順造訳 みすず書房。文化人類学、また構造主義におけるバイブルのひとつ(妻女山里山通信)は、都合によりリンク先の楽天ブログに移転しました。

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本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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