雲に聳える高千穂の、高嶺颪に草も木も、靡き臥しけん大御世を、仰ぐ今日こそ楽しけれ。 今日は建国記念の日で、この歌は「紀元節の歌、一番」です。
我われ昭和生まれ、それも一ケタ生まれは、今日折角の祭日で休みのはずなのに小学校に登校して、講堂で式典をして校長先生の教育勅語の奉読の後この歌を唱ったものだ。
世はまさに皇国史観全盛で、軍国主義で無いと夜も日も明けないような時期の、昭和十二年数え7歳の入学でこの年に日中戦争「支那事変と言った」が始まり、5年生で太平洋戦争「大東和戦争と言った」となり、以後今の中学2年生まで苦しい嫌な戦争がつずき原子爆弾で終わった。
今の建国記念の日は、そんな事もあって戦後初の昭和二十三年の新祝日法案には入らず、それから十八年すぎた昭和四十一年の国会で自民党の多数で祝日として制定し加えらた物である。
いづれにしても明治以降の天皇家を神格化した歴史観の結果で、軍部の大東亜共栄圏構想に上手く利用されたものと成ってしまった。