昨日九日(水)は朝珍しく早起きと言うほどでもないが、起きて本庄九時〇一分発あかぎで東京へ、東京国立博物館平成館で開催されている対決 巨匠たちの日本美術と言う美術展へ行って来た。先日小沢夫人に戴いた招待券で入場は無料でこの様な展覧会へ来られるとは何と言う幸せか。
開会二日目と言うのに もうなかなかの混みようであった、一番最初は鎌倉期の仏師運慶と快慶仏像の展示で有難そうな坊さんの彫刻(地蔵菩薩坐像・地蔵菩薩立像)であった。
平成館
次は雪舟と雪村であるが二人の思想の違いか、雪村の狂気か戯画か私の好みとは言えない物であった、狩野永徳と長谷川等伯はまさに狩野派の華々しい時代を古典として見るにふさわしい物と思った、長次郎と光悦は茶碗の焼き物がほとんで門外漢にはそのよさは分からず残念。宗達と光琳では江戸時代を代表する絵師二人の作品が華々しく飾られ絢爛豪華な雰囲気をかもすコーナーとなっていた。仁清と乾山これも焼き物で江戸期の精巧な華々しさが感じられたが趣味でない。円空と木喰では二人は仏教に根ざした信仰をひしひしと感じる作品に彫刻特に一刀彫にこめた意気を感じた。
応挙と芦雪には猛虎図屏風と虎図襖絵に感心し、歌麿と写楽には江戸期の民衆の芸術性の豊かさに感心し、鉄斎と大観には近代絵画への幕開けを担う心意気を感じ立派なものであった。特に大観の作品にはいつも圧倒されるのである。
ここでひと休みしてすぐ前にある表慶館へ向かう、ここではフランスが夢見た日本と題して北斎や広重の出した画草子から陶器に写して焼き上げたディナ用の食器が展示してある。
表慶館
フランス人は遠い東洋の庶民文化に何かを感じたのかも知れない、しかし何でかは分からない我々は日本人だし研究家でもないしましてやフランス人でもないのだから、単なる物珍しさか東洋の芸術の真価を理解してか、とに角こんな多くの晩餐用の食器に浮世絵を使ったとは知らなかった。憧れであってくれれば嬉しい。
さすがにジジババ二人二時間の見学はくたぶれる、広い公園を抜けて上野駅で蕎麦屋見つけ天盛を食べ一時半の各駅列車で帰路に着く、三時過ぎには帰宅早いものだ、折角だからと外へ回る余力は無いのだから世話は無い。