夏椿

2006-07-02 20:18:33 | 花・植物
母が療養中の医療介護施設の玄関先に百日紅に似た木肌の木が数本植えてある。
転院した2月にはまだ葉をつけておらず、なにやら茶色い実のような物が生っていた。
あれから四ヶ月がたち、緑色の葉をつけた木には椿に似た白い花が咲いている。
一般的には「沙羅の木」といわれる夏椿のようである。

「祇園精舎の鐘の声
 諸行無常の響きあり
 沙羅双樹の花の色
 盛者必衰の理を表す」

平家物語の冒頭の一節にある「沙羅の木」は日本では育たないそうで、各地の仏閣にある沙羅双樹はこの夏椿のことだそうな。

私が妻と結納を交わしたのは二十二年前の暑い時期だった。
ちょうど同じ頃に妹も婚約をし、同じ年の秋に妹たちが、年末に私たちが結婚したのであった。
その頃は祖母が寝たきりで、今でいう認知症もかなり進行していたのだが、孫の結婚は解かったようでことのほか喜んでくれた。

長姉の長女と次男が縁ある人とめぐり合え、来春に挙式の運びとなった。
姉が母にそのことを伝えると、「(お前も)孫が見られるね」と喜んでくれた。
母にひ孫の顔を見せて上げられれば良いのだがと思う今日この頃である。
コメント (2)
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