日曜日というと高校生の娘をいつもより早く駅に送っていかなくてはならない。
台風一過の好天とはいえ今頃の六時前ではライトを点けた車もまま見受けられる。
そんな時間でもいつもの桜の沼の近くにはすでに車が二台とまっていた。
もちろん今の時期に桜を目当てにくるはずもなく、山へ入ってキノコを漁っているはずなのだ。
先日も見かけた車なのでおそらくは常連さんなのだろう。
五分ほど後の帰路には四台になっていた。
増えた二台も見覚えのある車種でこれまた常連さんらしい。
とりあえずの用事を済ませ山へ入ったのが十時過ぎ。
先日は一本だけ生えていた椎茸ホダ木の様子を見てみたら小さなキノコが。
どう見ても椎茸ではなさそう・・・
そろそろ朽ちかけているホダ木なので何か雑菌が入ったのだろうか?
持ち山とはいえキノコ狩りばかりは早い者勝ちが鉄則!!
出遅れたかな?
モミの木の下についたとたんニョキニョキとアカモミタケがお出迎え。
立ち枯れた木についていた。
柄もなければヒダもない。
サルノコシカケの仲間かな。
まとまって生えていた黄色いキノコ。
ニガクリタケによく似ている。
ニガクリタケなら死亡例もある猛毒キノコ・・・
結局、三十分ほどの間にレジ袋いっぱいにアカモミタケが採れた。
「これ以上採ってもどうしようもないかな・・・」
とばかりに採るのを止めても後から後から見つかる(笑)
キノコ好きな人なら冷凍や塩漬けなどで保存するのかもしれないが、そこまでして食べたいものでもない。いや、正直な話・・・
それにこのキノコは落ち葉などが張り付いていてきれいにするのに時間が掛かる。
家に帰ってから洗い桶に入れて水を張り、小さなブラシで傷つけないように優しくゴミを落とす。
しかし洗っても洗ってもキノコは減らない???
コレでは落語の「ぞろぞろ」みたいだと思ったら下になっていたキノコが浮き上がってくるだけだった(笑)
キノコ狩りの時間よりもこの水洗いの方が手間がかかる。
しかも、終わった後は手にオレンジ色のネバネバがベットリと・・・
キノコに付いたゴミを洗っているとちょうど妹がやってきた。
私「いいところに来たなぁ。山のキノコを採ってきたんだけど持ってくかい?」
妹「あら、ずいぶん採れたわねぇ!!油いためかウドンでイイのよね?あっ!!裏のアケビも良いのが生ってるじゃない!!」
田舎育ちだけあって目ざとい・・・
今年は二つだけしか生っていなかったのだが、ちょうど口を開けた所で食べごろのように見えた。
二つのアケビも採ってやり、採ってきたキノコを三分の一、黄色くなりかけた柚子も三個採ってやり手土産に持たせた。
が、キノコはまだ十分にある。
なにせ家では父と私ぐらいしか食べないのだから。
長姉もそろそろ母の様子を見に来る頃だろうから帰りにでも寄ってもらおうとメールをした。
ほどなくやって来た姉は刺身を手土産に持ってきた。
キノコが刺身に化けたわけだ。
妻「夕飯どうしよう・・・カレーで刺身を一緒にというわけにはいかないわよね?」
夕飯にはカレーが用意してあったのだが、刺身を置いておく訳にもいかないと私と父は刺身を頂き、妻と娘二人がカレーを食べるという変則技。
さてさて、キノコはいつ食卓に上るのだろうか?