昨日、天木 直人さんのブログ
正しい日米関係は平和国家日本の確立から始まるを見ていて色々と考えさせられた。
天木さんの意見には、賛成出来る点が多くあった。
1.日本が米国隷従から自由になる難しさ。
2.小泉前首相が完全に米国隷従路線を引いた事。
3.安倍首相は小泉対米従属とは異なる独立保守路線を目指している。
4.現実問題として、「かけがえのない日米同盟」を掲げるるのは自己矛盾であって、米国に不快感と警戒心を抱かせる事になった。
安倍さんは自分の信念とは別に、直面する日本防衛のために言った事が、警戒心を抱かせることになったのだと思う。
天木さんは久間大臣の失言問題で処分しなかった例を上げているが、松岡さんの例を見るまでもなく、小泉さんのような非情さのない(彼の良い所だが)が彼への失点を産む原因となっている。
5.自主独立の日本外交には二つのオプションしかない。
(1)自主防衛で独立を目指す。そのために核武装する。
(2)米国が押し付けた憲法9条を掲げて自主外交を進める途である。
後で書くように同じ掲げるのなら日本人が造った憲法9条を掲げた方が良い。
6.米国は日本が米国から自立することを許さないだろう。
小泉さんの訪朝で、日朝関係に明るい兆しが見えた時、米国の高官が来日した。
それ以後、進展がぱったり止まった。
その他に日本が面会した拉致家族を返さなかったこともある。
イランでの石油開発も米国の介入で不首尾に終わった。
7.武力を持たないことを宣言して、戦争国家米国の従属から離れるのが最善の途だ。
後記のように日本の防衛の基本戦略を考える必要があるが。考え方は賛成だ。
8.反米テロは脅威ではない。米国と一緒にイラク戦争に参加しなければ100%狙われる事はない。
自主防衛能力を持っていれば、ドイツのようにイラクに行かなくても済む。
9.憲法9条を掲げて自主・自立を宣言する。
今の憲法のままでは米国からの押しつけ憲法だから、いくら日本が平和国家と言っても、日本人の中にも、一部の外国の人達にとっても、単なる看板だとしか思っていない人もいる。。
だから、日本人自らの手で、憲法9条の精神を生かした自主憲法を造れば、内外の人から平和日本を信用して貰えるだろう。
その意味でも憲法改正は絶対に必要だと思う。
<<天木さんのブログに対する感想>>
天木さんの意見は大体尤もなことが多い。
少し私の意見と違うところもあるが多分短い文章の中で、天木さんが書き切れなかったこともあると思うので、批判する気はさらさらないので、予め了承して頂きたい。
1.自衛隊の目的と内容を、今の米軍従属から憲法9条の枠内の日本の為の専守防衛に切り替えれば、誰も日本を攻めることの出来ない強力な自衛隊となる。
現在の戦争は一般国民を巻き込んだ総力戦だ。
拉致問題が行き詰まり状態になった今でも、国民、政治家、マスコミの意見はまちまちだ。
このようなばらばらの状態では、自衛隊だけがいくら強くても、日本はどこの国と戦争しても勝てない。
2.日本を攻撃する国として考えられる国として、中国、ロシア、北朝鮮を上げた中で、中国、ロシアの可能性はないとしている。
私もその可能性は少ないと思うが、一党独裁の国の危険性、ロシア大統領の独裁的傾向などの不安定要因を考えれば、可能性は完全にゼロとは言えないような気がする。
3.北朝鮮については、米国の6ケ国会議の対応を上げて、軍事的な脅威ではない。米国の態度を見てみろ。
と書いているが米国から言えば、脅威ではないが、日本にとっては依然として脅威であり、日本は米国から護って貰う為に、イラク派兵など、その対応に苦慮しているのは間違いないと思う。
4.天木さんの言う米国隷従からの離脱が難しいのは軍事面だけではなくて、
(1)米国が日本の最大のお客さんの一つだからだ。
商売の為にはお客さんの機嫌を損ねないように、ぺこぺこして来たのも一つの現実だ。
然し、中国、インドなどの大きなマーケットが拡がってきた今、どう対応して行くのか、考え直す時に来ているのかも知れない。
(2)米軍の日本駐留は日本を護る為だけではない。
日本人として考えたくないが、日本の暴発を抑えるための睨みを聞かせる為でもある。
一昔、中国と米国が対立していた時、中国が米軍の日本駐留について一言もクレームを付けた事が無い事で分かる。
5.天木さんは軽く触れた拉致問題のほかにも、北方4島の問題など国家主権の侵害にどう対処するかも独立日本の大きな課題になるのだろう。
天木さん出身の外務省の意識改革、安倍さんの言う情報機関の設立など、外交力を如何に強化するのが当面の問題だろう。
<<今後の日本の課題>>
米国の庇護によるメリットも大きいと思うが、それに伴って失ったものも数え切れない程多い。
いずれにしても、天木さんの言うように、北朝鮮から日本を護って貰っている米国に機嫌を損ねないように、日本の真の独立の道を進むのは難しいことだ。
そこで私が その場凌ぎの政治から抜け出すためにで提案しているように、日本にもシンクタンクを造って、日本の今後のあり方、日本を取り巻く環境の分析、日本が本当の意味で独立した時に、どのようにして、日本を護るかなど、秘かに、徹底的に、長期的視野に立って、日本独自の長期戦略を立てて貰いたいものだ。
安倍さんはそのビジョンは良いが、そのやり方は民主党の鳩山さんではないが姑息過ぎて、いつも批判の対象となっている。
安倍さんの設立した、諮問委員会では然誰でも気がつくように、彼らは基本的な問題を徹底的に研究している人は少なく提案も思いつきが多いのは答申を見れば直ぐ分かる事だ。
その裏には政府に基本的な戦略や長期のビジョンがないからだ。
それが人材バンク、教育機関の管理強化など、思いつきの戦術の乱発となっているのだ。
特に憲法改正については、日米同盟を既成事実として考えずに、慌てずにもう少しじっくりと腰を据えて取り組んでもらいたいものだ。
なぜなら憲法は長期的な視野にたって造られるべきだからだ。
そして、その結論(例えば集団自衛権の問題をどのように解決するか)がどうであろうと、内外の人から平和日本を信用して貰えるように、日本人自らの手で、憲法9条の精神を生かした自主憲法を造って貰いたいものだ。
参照:
改憲問題と中曽根、若宮さんの意見
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