普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

正直な民主党へ脱皮して

2008-01-03 10:45:42 | 民主党

[可笑しい民主党の新給油法案の対案]
 12月31日の読売の社説を見て少しばかり驚いた。
 1年の総括りの社説として何故新給油法案の対案の民主党案の批判なのか。
 一瞬、ナベツネさんの大連立構想の破綻→民主党攻撃の社説と報道の流れかなとも思った。

 然しその内容は私のかねてからの主張とほぼ同じだ。
参照:カテゴリー → 民主党

 読売は民主党対案「何もしない」は世界に通用しないで概要次のように主張している。
・こんな案を日本の「テロとの戦い」の具体策として示しても、国際社会の支持や理解は到底得られまい。
民主党案の内容は、極めて非現実的で、問題が多い
・民主党案は、日本が行う活動として、アフガニスタン国内の非合法武装集団の武装解除、社会復帰などの治安改革支援と、道路、水道、農地の復旧、医療などの人道復興支援の2分野を明記した。
・しかし、治安改革支援は、今年6月に東京で国際会議を開くなど、外務省が既に資金支援しているのと同じ内容だ。
・人道復興支援の実施には、武力抗争を停止する合意があるが、住民の生命・身体に被害が生じない、という条件が付けられている。アフガン政府と旧支配勢力タリバンとの戦闘や自爆テロが相次ぐアフガンに現在、こうした条件に合致する地域は見当たらない
・結局、民主党案は、11月のテロ特措法失効に伴い中断した海自の給油に代わる措置としては、事実上、何もしない案にほかならない。
・ただ、注目すべき点もある。任務遂行目的の自衛隊員の武器使用を認める一方、自衛隊の海外派遣に関する恒久法整備の方向性を示していることだ。
 政府・与党内でも、武器使用基準の見直しと恒久法制定を求める意見が強まっている。

[対案に対する民主党自身の反応]
 この対案についてのテレビでの討論番組でお馴染みの前原さんや原口さんなど民主党の人達はその説明に苦労しているようだ。
 私のブログに書いてあった例を挙げると、
・前原さんは対案を審議する党内会議でその対案に反対して退席した。
・12月の「たけしのTVテレビタックル」で出演の長島さんと松原さんさえ、「今すぐには役立たないが」と発言する始末だ。

提案を出したり引っ込めたりしていた間の党員の発言
・町村官房長官が民主党の質疑に給油反対ならその対案を出せと言うと、「給油反対が民主党の対案だ」と言ったのには思わず笑ってしまった。
・10月20日の石破さんと民主党の浅尾さんの討論会で「民主党は小沢さんが言うような理由で給油に反対と主張するのか」の問いに、浅尾さんは「民主党はテロ特措法について、集団的自衛権行使に当たるから反対とは言っていない。今もそうは言っていない」と言ったそうだ。
・党内では今対案を出したら、自民党の術中に嵌まるとか言って国会の成り行きを見るようなことを言っていた。
国会内の動きをみてこれで対案を出さずにすむと党幹部の発言。

 これらを見ると民主党党内でまともに対案を審議したのかさえ危ぶまれる。
 民主党はこの種の対案についての討論会へは出て不利になる発言をする人でなく、この法案を絶対の自信を持って説明出来る人を出すべきだ。
 これから先は私の勘繰りだが、(少なくとも心ある人を選ぶとすれば)おそらく誰もいないと思う。
 唯一考えられるのは、小沢さんだが彼でも海上給油は憲法違反の一点張りの理由しか言えないだろう。

 つまり民主党は政権奪回方針の小沢さんに縋って、とにかく彼の指示を神のお告げのよう従って与党からコテンパンにやられると判っている対案を無理やりに作って、与党や世論の批判に押されて(これも小沢さんの指示により)仕方なく国会に提出したのだろう。
 そして国会で攻撃された時は、また彼のお告げを待てば良いと思っているに違いない。
 民主党は防衛省の汚職問題ばかり追求して、良くて給油新法案の否決はしても、どう見ても可笑しい対案の参院の審議時間を出来るだけ少なくしたいに違いない。

[ばら蒔き政策の財源]
 民主党の政策でおかしいのは共産党まがいのばら蒔き政策だ。
 その財源は消費税などに頼らず、政府機関の合理化などの無駄を省いて捻出すると言う。
 これも共産党や社民党と同じ言い方だ。

 然し、共産党と民主党との違いは、前者が「健全野党」を目指しているのに、後者は政権奪回を目指しているのだ。
 民主党は共産、社民と違って(と言えば両党に失礼だが)その政策に責任を持つべきだ
 ばら蒔き政策をするための財源捻出はここ1~2年で出来る問題でなく、自治労を支持基盤とする民主党の体質から考えても、5~数十年単位の期間を要するだろう。
 言い換えれば、ばら蒔き政策をしたい時期と、それに要する財源を確保する時期が違うのをあたかも同時に出来ると言う前提に立っているのだ。
 悪く言えばその時期のずれを明示せずに国民をごまかしているのだ。
  共産党の場合は同じばら色の約束をしても、どうせ出来ないと国民は判っている。
 然し民主党はことによるとその実施責任を持たねばならぬのだ


 民主党のばら蒔き政策は給油反対の対案と同じように、理想論を言うだけで、何時出来るか判らない案だ。

[公約実施の本気度]
・民主党が政権を目指す党としてその政策への本気度を示すものとして、国会議員の定数削減の公約がある。
 これは国民の絶対的支持は間違いないのに、全く提出の気配を見せない。
参院宿舎の建設の代案として、浮上した空き室が目立つ衆院宿舎と併用の案についても、民主党が第一党を占める参院で、これに関する委員会では世論を押し切って新設を決定した。
 もし民主主導で参院宿舎の建設反対を決定していたら、国民の喝采は間違いないのに。

 これを見ても民主党のばら蒔き政策も実行不可能な国民の人気取り政策で党として本気でやるつもりがないことが判る。

 それと小沢さんの経歴から言えば、当然と言えば当然だが、消費税アップなど国民に不人気でもやらねばいけない政策は選挙前と選挙中は何も言わずに、選挙が済んだあとやる言う自民党と変わらないやり方を小沢さんが使っていることだ。

[正直な民主党への脱皮]
 この民主党の現状を見て思い出すのは、前回の衆院の選挙で小泉さんの戦略に乗せられて大敗したとはいえ、消費税アップの公約を掲げて、自民党と余り変わらない総得票数を獲得して善戦した岡田さんのことだ。

 それとガセネタ問題で失脚したとは言え、前原さんの誠実な国会審議の態度だ。

 勿論政界では正直一本槍では立っていかないことも判る様な気がするし、古狸の自民党相手ではそれなりの手管もいると思う。

 然し国民の願うのは自民党と違う体質を持つ政権担当能力を持つ野党だ。
 同じ体質を持つ党がいくら政権交代をしても山積する問題は解決出来ない。

 小沢さんは民主党と自民党との違いをはっきり国民に示すと言っている。
 次期政権を狙う民主党はこの意味でも党自身のあり方をもう一度考えてはどうだろうか

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