私はいつも朝にブログを書いているが、昨日は久しぶりに早く終わったので、日曜朝の討論番組、フジテレビの「報道2001」とテレビ朝日の「サンデープロゼクト」を見る事が出来た。
その二つで印象に残ったものと感想を纏めてみた。
[報道2001の「農家の悲鳴に政治はどう応える」]
荒れ果てた休耕田、農村票の獲得のために奮闘する自民党の加藤紘一さんとそれに抗議する農民の様子などが描かれた後に、自民党から元農林大臣の中川昭一さん、民主党から細野豪志 さんの間の討論が交わされた。
内容は中川さんの民主党の農家へのばら蒔き政策への非難とそれに対抗する細野さんと言う特に目新しい討論は行われなかった。
唯一つ私の印象に残ったの中川さんの日本人の米離れに対して、日本のためにもう少し米を食べてくれという国民への訴えだった。
これこそ日本の農政の問題点の一面を示していると思う。
戦争直後の米不足を解消するために、米作に集中して補助金を出した。
農家は収入が保障され割りの良い米作中心の農業に切り換えた。
その結果が、戦前から続いていた、米と麦の二毛作を一部の農家を除いて止めてしまい、遊休田を活用した菜種の栽培、畦道を利用した大豆など止めてしまった。
何故なら米作だけて十分に収入が得られるし他の作物は作っても割りが合わない(損はしないが手間を取る割りに余り儲からない?)からだ。
一方この米作への補助金が常態化すると、それが既得権益化し、大きな集票力を持つ農協がいつのまにか圧力団体になってしまった。
話はそれるが、今農業の株式会社化が言われているが、もし農協が昔から農家と協力して、今の製造業の企業のように、生産効率の向上を進めていたり、農業技術の向上を図っておれば、農村の風習やしきたりの合わない余所者の株式会社化などせずに済んだ筈だ。
米作技術の向上と国民の米離れの為に米余りが起こり、政府はそれを防ぐため減反政策を行った。
それが今の休耕田だ。
そして今まで放ってきた農業生産の効率化のための大型農業中心への補助政策の転換だ。
今までの政府の政策で一番抜けているのは消費者が求めるものを農村が提供すると言う視点だ。
つまり政府が自給率を少しでも向上し、また色々の意味で農業を保護するためには、消費が拡大している小麦に対しても米と同じくらいの補助金を出すべきだ。
それと生産資源である田んぼを今のように遊ばせない政策を取るべきだ。
今の製造業で生産資材を遊ばせる会社がどこにあるだろうか。
そして、若者の農村復帰を助けるために、農業に従事する人達がもっと前向きな仕事が出来る政策だ。
民主党の細野さんはこのような自民党の失政を何故もっと突かずに、ばら蒔き政策の弁護に終わったのだろうか。
[報道2001とサンデープロゼクトの「ガソリン税」」
この問題に関して、報道2001では自民党の石原伸晃さん、公明党の高木陽介さん、民主党の枝野幸男さん、共産党の小池晃政さん、社民党の福島瑞穂さん、国民新党の亀井久興さん、サンデープロゼクトでは自民党伊吹文明さんを始め各党の幹事長の北側一雄さん、鳩山由紀夫さん、重野安正さん、亀井久興さんと、共産党書記局長の市田忠義さんが、出席していた。
この双方の番組とも、共通した議論は選挙を意識してか、地方の道路整備は必要だと言う意見はほぼ一致していた。
違うのはその暫定税率を廃止分の財源を何処から出すかと言う問題だ。
然し、各党が議論を進める間に、
暫定税率分を特別会計にしなくて一般会計にしろ。
これは安倍さんがやろうとして出来なかったことだ。
(暫定税率廃止分見合い)の環境税はいずれ必要になってくる。
などの話が出た。
これらの議論は国民にも良く判るし、国会でも十分に話し合いが出来る余地があることだと思う。
私は前にも書いたがこう言った討論番組では割合に公平なまた内容がある議論が出来るのに、これが党に帰ったら何故か党利党略丸出しの議論となって、大きく振れてしまうのか考えてみた。
1.討論番組のシナリオに添って出席議員に発言させる、いわばやらせ。(私のブログでコメント頂い方のご意見)
2.上記二つの番組、「報道2001」では竹村健一さん、「サンデープロゼクト」では田原総一郎さんや高野孟さん、財部誠一さんなどのうるさ方が居てうっかりしたことが言えばいちゃもんが入るから、筋の通った話しかできないからだ。
その点ではNHKの「日曜討論」は中立を旨とする同局の司会者だけなので、緊張感のない出席者の言いたい放題に終わりのを見ても判る。
3.討論番組ではその出演書の発言がそのまま聞ける。(一部編集でカットされてはいるが)
そして激しい討論の間につい本音が出てしまう。
4.それに比して党内や国会内での発言の報道は、マスコミのフイルターにかかるので、その一部の発言だけが取り上げられ、集中的に報道され、結果的に誇張されて報道となる。
5.党内や政治家の日常の生活空間である国会ないではつい気が緩んで本音がでる。
国会の防衛委員会でUFOの質問をするなどがその典型的な例だ。
6.党内の発言は党内の空気に左右されやすい。
自民党のてんでばらばの発言も困るが、民主党では小沢さんの政権交代一本槍の意向のフィルターのため、本人の意志とは違った発言になりやすいようだ。
この中で私が政治家に一番期待したいし、国民が注視するべきなのは、2.の中立の識者参加型の討論番組だ。
詰まり識者が国民を代表して政治家の言う事の是非を判断し審判されながらの討論になるからだ。
言い換えれば、政治家がいつも国民から見られているつもりで発言して貰いたいのだ。
もって正確に言えば問題意識を持っている国民に対して恥ずかしくない議論をしてもらいたいのだ。
然し、政治家の立場から言えば、国民が皆問題意識をもっている人ばかりではない人達、詰まり彼らが言う所の文字通りの浮動票も獲得しなければ、選挙に勝てない。
だから、財源など碌に検討もせずに、一般向けのばら蒔き政策を出したがる。
そして、その浮動票を煽るのがマスコミだ。
特にテレビだ。
私が何時も言う事だが、その現れが、選挙の真っ最中の、小泉さんの奇抜な戦略に乗せられたマスコミの過熱報道、何らかの意図を持つとしか考えられない、執拗な赤城さんの攻撃だ。
その結果が小泉さん大勝、安倍さん大敗と言う大きな振幅を起こした。
それそれで日本にとってある程度のプラス効果も果たしたかもしれないが、周り廻って、激動する世界情勢の中での政治の停滞という日本にとっての大きな損失をもたらしたのも、マスコミもその一端の責任を追うべきだと思う。
(勿論衆院3分の2と言う議席を濫用した安倍さんが責任を負うべきだが、その3分の2を安倍さんに与えたのにはマスコミの責任もある。)
一般的に言っても、勿論一番責任を負うべきなのは政治家であり、またその責任の一端を担うべきなのは、彼らを選んだ国民自身だ。
前の討論会では、野党からさえガソリン税の問題に関して、地方の疲弊の解消や環境問題まで考えるべきという意見が出ている。
単にガソリンの安くしろと言う意見もあるし、この再総合的な予算や政治体系の見直しをしろと言う意見もある。
私たちは、政治家、マスコミ、捩れ国会の状況、政党の主張や言動について大きな眼を見開いて注目しておくべきだと思う。
そしてもう一つ私の口癖だが、浮動票と呼ばれる人達がマスコミから流されない様にブロガーはもっと殻の外に発信して行って貰いたいものだ。
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