4日の読売新聞に英国に長く住んでいた作家のマークス寿子さん(以後寿子さんと書く)の2大政党制に関連した英国の労働党と保守党
についてのインタビュー記事が載っていた。
その内特に私の印象に残った部分だけ取り上げて私の考えを書いて見た。
・ねじれ国会は決して悪いばかりではないと私は思っています。どうしたらいいのか、政治家も、国民も学んでいくことが民主政治を学んでいく基本なんですね。連立の試みがあってもいいし、政界大再編という試みも出てくると思うが、簡単に直そうと思っても無理。時間がかかると思います。
・イギリスでは、大連立は危機的な状況の時だけです。戦争とか。大連立の前提には、与党と野党が共に力をもっていて、共通点もあって、いつでも野党が与党に代われるということがある。
日本にも戦時中各党が合同して大政翼賛会を作った。
今回の大連立騒動は、寿子さんの言うように日本が危機的状態にあったかと言えば、私はそうではないと思う。
大政翼賛会と軍国主義を直ぐ結びつけて考える日本人にとっては、今回のような時期に大連立構想は余りにも安易過ぎると思う。
そして世論調査でそれに反対する人が多かったのは、健全な考えを持った人が多いことを示していると思う。
・2大政党制は大変難しい。イギリスでは1960年代から70年代終わりまで、労働党と保守党が政権を取り合ったけれど、労働党が「左」に行って、保守党との差が大きくなりすぎて、政権を取るたびに政策が大転換してしまった。国民が混乱すると同時に非常にお金の無駄になりました。いわゆる英国病の原因の一つになったのですね。これを繰り返し、有権者が我慢できなくなって、サッチャーの保守党政権が続くようになったわけでしょう。そこから労働党はいやというほど学んでいます。
民主党は政権奪取のために国民受けする共産党まがいのばら蒔き政策をマニフェストに入れた。
もしこれで政権の座についても、国民受けのする政策は自民党の猛攻撃にあい、国民は民主党の頼り無さに気がついて、次は自民党に政権を与える。
一日天下の細川政権の後長く自民党の天下が続いたのを見れば、民主党政権も真面目な実現性のある政策を取らない限り、細川政権の二の舞になり、その後また自民党政権がまた長く続く可能性が高いと思う。
・日本は2大政党(になりやすい選挙制度)に変えたわけですからね。2大政党制が本当に必要なのかどうか。中選挙区制だってあるわけです。そういう国はいつでも連立ができる。それをやるというのも一つの手なんですよね。
日本も自民党は極端な時は社民党と組んで何とか政局の停滞を免れてきた。
日本の政治制度の最大の失敗は、小党でも存在価値を発揮し、無所属議員も多かった参議院の選挙制度を衆院なみに大政党に有利な選挙制度をに変えてしまったことだ。
それで衆院が自民党が抑え、参院では民主党が抑えてにっちもさっちも行かなくなっているのが現状だ。
・日本で今まで不足していたのは与党が野党を育てなかったこと。自民党は「野党が何言ったって関係ないよ」という感じだった。今、民主党が反対したら(法案が)通らなくなって、自民党はいや応なしに真剣に議論しなくてはいけなくなった。真剣に議論することが野党を育てることになると思います。不一致点を探し、どうするか話し合う。民主主義の基本をやっていく以外にない。
私はこの点では寿子さんの意見と違う。
自民党が自党の勢力を強化し長く政権を維持しょうとするのは何も悪くないし、他の党のことなどかまっておれないのは当然だと思う。
野党を育てなかったのは国民だ。
その国民をリードすべきなのはマスコミだ。
それどころか朝日新聞のように、昔、最大野党だった社会党→社民党を支援してきたのが贔屓の引き倒しで、同党に浮き世離れした政策を続けさせ絶滅危惧種にしたマスコミの責任は大きいと思う。
勿論その最大の責任は社民党自身にあるのだが。
参照:朝日新聞と社民党
・60年間の戦後の問題がすべて出てきている。そういうものを改めることによって、日本全体の回復がある。良くなったり、悪くなったりすることもあるのだから、大あわてしなかったことがイギリスの特徴じゃないかと思いますね。日本も悲観論がありますが、先進国の中だってそうだし、まして途上国からみれば、日本くらい良いところはない。
私この点でも昨日の日本文化を発信しようでも書いたがどちらかと言えば寿子さんと違って今の日本の状況に対して悲観的だ。
勿論今の政治が私の提案かそれ以外の道で何もしなければだが。
・(日本の)若い人たちに外に出て行くことを教えてやりたいんですね。自分の国にいたら、駄目なことばかり見ていますから、非常にネガティブになります。閉塞的になります。外に出れば、日本の立場は良いのだとわかるし、もっと良くするにはどうすればいいかとか、力で日本が強い国になる必要があるかどうか、家族をもっと大事にした生活をすべきじゃないかとか、さまざまな見方が出てくると思います。マイナスをプラスに転じていけることがたくさんあります。
私も何度も若い人達の意見を紹介したが、長い間海外に住んでいるか、居たりした人達の殆どが日本の良い所を知り、日本が好きだという人ばかりだった。
私は何時もの中途半端な意見だが、安倍さんの言う様に「日本を愛して」貰わなくても良いが、その前に日本のことを良く知って貰いたいものだと思っている。
参照:日本人であることに誇りを持っていますか?それとも
その為にも出来れば海外に飛び出して見るか、もと海外に言った人の意見も聞いて、日本を考え直すことも大切だと思う。
何故なら私たちは日本に住み、好き嫌いは関係なくその影響を大きく受けているのだから。
[私の二大政党論]
私はブログで何度も書いたが、政権交代論者だ。
然し私生来の人の良さ(悪い意味での)で性善説に立っての話だ。
二大政党が対立しても、互いに是々非々の立場で国の為に良い所は良いとし悪い所は徹底的に論議し合うと言う立場だ。
然し今の民主党は、国の為と言う立場から離れて何が何でも政権奪回で、ごく少数の法案を除いて殆どの法案が成立しそうにもない情勢だ。
民主党に言わせれば、政権交代が国のためになるのだと言うだろうし、私もそう思う。
然し激しく流動する世界の中、GDPが世界で20位近く低下し続ける中、国内では少子高齢化の影響が着実に大きくなるなかで、日本がこのまま停滞して良いとは言えない。
勿論自民も反対の立場に立てば同じことをするだろうから、民主党ばかり責める訳にもいかないが、今の情勢の中では、やはり民主党の国のための自制心や慎重な国会運営に期待するしかない。
今そうすることが国のためだけでなく、国民に民主党が政権担当にたる政党であることを示す絶好の機会だと思うのだが。
福田さんは私が前から予想していたように、解散、総選挙はできるだけ長く引き延ばし、同内閣への支持率の上昇(詰まり民主党の支持率の低下)を待つ構えという予想が多くなっている。
政権交代を希望している私としては、民主党は新年を機会にその支持率低下に繋がりかねない党利党略中心の国会戦術を見直したほうが良いと思うのだが。
何故なら福田さんは民主党の支持率の低下を狙っているのだから。
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