普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

民主党が壊れる?

2008-01-18 10:57:45 | 民主党

[民主党へ]
 今年の1月に入ってからの世論調査では予想される衆院選挙では、民主党の方へ風が吹いているようです。
 産経の世論調査では
・次の衆院選ではどの政党の候補に投票したいか
 自民党 34.4% 民主党 33.9%
・次の衆院選後に期待するのはどんな政権か
 自民党を中心とする政権 28.5%
 民主党を中心とする政権 32.5%
 自民・民主両党が参加する大連立政権 34.4%
一方、
・どの政党を最も支持しているか
 自民党 32.1% 民主党 25.0%
・自民、民主両党などが政権に参加する「大連立」に賛成か
 賛成 33.7% 反対 54.6%
とあるように一見矛盾する回答がありますが、実際の政党支持は自民党だが、自民党にお灸を据える意味で、今回は民主党に投票する、連立は基本的に反対だが、選挙後は民主党の党利党略の一方槍の態度から考えて、やむを得ないと読むべきかも知れません。
 世論調査の傾向は渡辺恒雄さんの大連立構想破綻以来、一部から政府御用新聞と揶揄される読売新聞の面接方式の調査結果を除いてはほぼ同様の傾向を示しています。
 然し私は民主党が政権を取ってからが、民主党の本当の危機が始まると思っています。
 それは壊し屋と呼ばれる小沢さんの今までやって来た歴史を見れば或いは私の心配が当たるかも知れません。
 それで今こそ政権を取った後で後悔をしない様に、マニフェストや政策の立案には慎重に行うべきだと思います。
 そのためには安全にも安全を期して、多分一番民主党に対して厳しい見方をしていると思われる読売の社説を見てそれから私の考えも聞いて下さい。

[新聞の主張]
民主党大会、政権担当能力をどう示すのか
・次期衆院選に向けて、民主党には何が求められるのか。
 政局対応や選挙対策ばかりではあるまい。何よりも大事なのは、政策を磨き、政権担当能力を国民に示すことだろう。
・政権を目指し、政府・与党と対峙するのは、野党として当然だ。一方で、参院第1党の民主党は、単なる野党ではない。参院では政府・与党の法案への事実上の拒否権を持つ。法案に反対する際は、現実的な対案を示す責任がある。
・先の臨時国会で、インド洋での海上自衛隊の給油活動再開への新テロ対策特別措置法に対案を提出したが、当面何もしない、という内容だった。
・政権担当能力を証明するには、説得力のある政策の選択肢を提示することが重要だ。読売新聞の1月の世論調査で、民主党に政権担当能力が「ない」との回答が60%に上ったのも、こうした対応が影響しているのではないか。
・民主党は、揮発油税の暫定税率廃止を主張している。原油高騰の中、ガソリン価格の値下げが実現すれば、確かに国民に歓迎されるだろう。
・しかし、暫定税率廃止に伴う2兆6000億円の歳入不足の財源をどうするのか。道路整備を減らすのか、それとも別の財源を工面するのか。納得できる財源を示さずに、「ガソリン解散だ」などと唱えるのは、極めて無責任な対応だ。
・民主党の参院選公約は、農家への戸別所得補償、子ども手当の新設などを掲げたが、総額15兆3000億円とされる財源の裏付けは明確ではない
・民主党は2000年の衆院選で、所得税の課税最低限の引き下げを訴えた。05年の衆院選でも、3%の年金目的消費税の導入を提案した。人気取り政策だけではない、との決意を示したのではなかったのか。
・外交・安全保障問題で国際社会と協調し、責任ある対応を取ることも、政権担当能力の中核を占める要素だ。


  一方、民主党に有利な世論調査結果を発表した産経新聞でさえその社説の

民主党大会 政局至上主義は信頼失う
で、
主党が阻止しようというガソリン税の暫定税率延長問題は、3月末までに歳入関連法案が成立しなければ、本則に戻り、ガソリン代は1リットル当たり25円下がる。すべての暫定税率が切れると約2兆6000億円の税収減だ。
 与党はその後、暫定税率を復活させる。ガソリン代は乱高下する。減税から増税になることを批判材料に選挙戦を有利に戦おうという狙いなのだろうが、これでは「国民生活第一」を標榜する民主党の看板が泣くだろう。国民生活の混乱に拍車をかけていると受け取られかねないからだ。
と書いている。

[私の意見]
・読売新聞が指摘したような、当面何もしない新テロ特措置法の対案のようないい加減な政策は野党だった通るかも知れないが、政権与党では絶対に通らない。
「今直ぐやれると国民に思わせる公約」の農家への戸別所得補償、子ども手当の新設、高速道路通行料無料、薬害問題に起因しない一般肝炎への救済などの経費を伴うばら蒔き政策と、「それに要する財源の確保に何年もかかる」と言う時期のずれについて、野党に廻った自民党が突いてきたとはにどうするかまで考えて置く必要がある。

 政権党になったら、もう政府機関の協力が足りないなど言っておられない。
 せいぜい言われるのは、そのような動かない官僚を育ててきた、今までの自民党の責任だと野党が言う様な反撃しか出来ないだろう。
・民主党はばら蒔き政策の財源には、無駄を省き政府機関の合理化で賄うと言っているが、今度は実際にそれを実行しなければ、自民、公明党から攻撃の的になるだろう。
 政府機関の合理化には当然党の支持母体の自治労の不利益になることも多いと思うがそれをどのようにうまく対処して行くのか。
 それでまた今までの政権与党が悪いと逃げるのか。
 民主党は野党に廻った強者揃いの自民党の攻撃に耐える政策を今作って置くべきだ。

・それともう一つ今度の民主党の大会で、小沢さんを担ぐと言ったが、野党から攻撃された時の彼が取りそうな態度や発言まで考えたことがあるだろうか。
 さきの民主党大会の後、新テロ特措置法案の再採決に欠席した理由の説明を求めた記者団に対する彼の発言を考えれば、国会での首相として野党やマスコミから尻尾を掴まれないような発言がどこまで出来るか疑問だ。

 政策の行き詰まりや首相である党首の失言で、民主党の今までの代表交代の歴史を繰り替えすのか。
 然し今度はそれは日本にとってただごとではない首相交代を意味する。
 今までの小沢さんの強引なやり方を考えると、政策の行き詰まりと(民主党が今まで攻撃してきた)両院での多数を頼んで強引な採決の繰り返し→国民の離反→今までは民主有利の勢いで首を捻りながらでも小沢さんに付いてきて国会議員の離反→民主党崩壊→再び自民党の長期政権の実現と言うことになりはしないだろうか。

 もし民主党が衆院戦で負けるとしても、自民党は衆院での3分の2は確保出来ないのはほぼ確実だ。
 そうすれば、参院で否決された重要議案はそのまま否決になってしまう。
 民主党は仮に負けても、読売新聞の世論調査で、「民主党に政権担当能力が「ない」との回答が60%」に上がることのないよう、次の次の選挙に向けて野党としての対応をもう少し考えて欲しいと思う。
 もしそうで無ければ今後6年間は完全な政治の沈滞だ。
 そしてそれほど長く続けば、マスコミは今までのように政府だけでなく民主も攻撃の的にするだろう。

 私は無党派の立場で健全かつ永続的な政権交代論者だが、何度も書くように国王を公言する人の強い影響を受けている党や無責任な反対ばかり唱えている党などを除くと、後は自民、民主しか残らない。
 私はいつも書く様に両党が国のためにもっと健全な党になって欲しいと思う。
 特に現在、事実上政局の鍵を握っている民主党が党利党略に走るだけでなく、もっと国民に眼を向けた、そして私のいう「真面目な党」になって欲しいと思う。

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参照:
二大政党制度の検証
政治の停滞を如何に克服するか
もっと真面目な政党へ
可哀相な民主党員

民主党議員も新テロ特措法案賛成
国民を人質にした小沢戦術