普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

可哀相な民主党員

2008-01-14 10:12:40 | 民主党

 昨日のテレビ朝日のサンデープロゼクトで田原総一郎さん、防衛大臣の石破 茂さん、民主党の浅尾慶一郎さんの間でテロ特措法の処理に関する討論があった。
(出席者の発言は青字、私のコメントは黒字で示す。)
 この勝敗は始めから明らかだった。
 余裕綽々の石破さんに比べて浅尾さんの強張った顔。

[テロ特措法の対案について]
提出の遅れ
田原:何故テロ特措法の対案の提出が遅れたのか?
  詰まり、誰でも知っているようにテロ特措法をめぐり議論が本格化したのは9月。政府は10月17日に新法案を提出。これに対して民主党が対案を国会に提出したのは年も押し迫った12月21日と大幅に遅れたことを訊いたのだ。
浅尾:政権党でない民主党には立案について政府機関のバック・アップがない。党内で何度も議論を重ねて来たので遅れたのだ。
石破:浅尾さんも知っている筈だが、そんなことはない。
 民主党内で対案に対するも反対が多かった事、党内では今対案を出したら、自民党の術中に嵌まるとか言って国会の成り行きを見るような発言、国会内の動きをみて「これで対案を出さずにすむ」と党幹部の発言、対案提出見送りの流れにあったのを小沢さんの指示でやっと出したことなどについてのコメントは石破さん、田原さんからはなし。浅尾さんを追い詰めないような配慮か?
浅尾:民主党が対案を出したのに、自民党は僅か1日しか審議してくれなかった。
石破:それより対案提出が遅れたほうが問題だ。

 明らかにぎりぎりまで対案を提出しなかった、責任政党として民主党の方により大きな非がある。

石破:国会審議の場で(町村官房長官が民主党の質疑に)給油反対ならその対案を出せと言った時、浅尾さんが、「給油反対が民主党の対案だ」と言ったのは何故か?
浅尾:無言

小沢さんの発言
田原:中央公論で、民主党の前原誠司・前代表が、小沢代表は「与党が同意できないような対案を作れ」と指示していたと言ったそうだが事実か?
浅尾:自分もそれを読んだが、文脈から考えてこれはテロ特措法に限っている事ではない。民主党の対案作りの全般のことについて言っているのだ。

 仮に全般のことにしても「与党が同意できないような対案を作れ」とは党利党略丸出しの指示で、責任政党と党首の言うべきことではないと思う。

対案の実行性
田原:民主党の対案はアフガン政権とタリバンの間の有りそうにもない和平合意を前提としたり、実際にない安全な地域での活動など現実を無視した実行性のない提案だと言われているが?
浅尾:対案の主旨の説明。
田原:実行性についてはどうか?
浅尾:無言

対案の今後の審議
田原:給油新法案が可決したのに、自民党が民主党の対案を衆議院で継続審議すると言うが同対案をコテンパンにするつもりか?
石破:民主党案の中でも(自衛隊派遣に対する恒久法など)良い所がある。それを審議して良いものは取り入れたい。
浅尾:無言

 民主党の参院で対案を継続審議して、多分事態が落ち着くのを待って廃案にする?作戦が、共産、社民の建前論のために採決になり、可決されて与党が3分の2を占める衆議院に送られる羽目になった。田原さんが言うように、選挙を目前にした与党が対案を民主党の対案を「コテンパン」にしよう待ち構えているのは間違いない思う。

[可哀相な民主党員]
 この様な事は浅尾さんに限ったことではない。
 ・フジテレビ系列の小倉智昭さん司会の「ニッポンがおかしい」の番組で、自民党から前回消費税アップを掲げて前回の衆院選を戦ったのに何故今回引っ込めたのだと言う質問に民主党の長妻さんが「数々の増税で、民主党が主張した消費税分の負担を国民に強いることになったからだ」と苦しい答弁をしたこと。
・対案を審議する党内会議でその対案に反対して退席した前原さんが自分がかって主導した給油法案の条件付き賛成の立場を変えて、給油そのものの反対の討論をしていること。
・12月の「たけしのTVテレビタックル」で出演の長島さんと松原さんさえ、民主党の対案が「今すぐには役立たないが」と発言。
・10月20日の石破さんと民主党の浅尾さんの討論会で「民主党は小沢さんが言うような理由で給油に反対と主張するのか」の問いに、浅尾さんは「民主党はテロ特措法について、集団的自衛権行使に当たるから反対とは言っていない。今もそうは言っていない」と小沢さんの意見と反対の発言
・そして今回の衆院での新給油法案再可決のときの小沢さんの欠席批判への民主党員の苦しい言い訳。

 私は浅尾さん始め、ここに書いた前原さん、長妻さん、長島さん、松原さんとも皆信頼にたる立派な人だと思っている。
 この様な人が何故テレビの前でこのような格好の悪い眼に逢わねばならぬのか。
 彼らは自分の考え方や信念をを押し殺して、党の方針に従っていることが実は彼らの当落に不利に働きかねないことについて、彼ら自身がどう思っているか知らない。
 それは彼ら自身の政党人としての責任であることは間違いない。


表に出ない首脳部
 然しこの様な基本方針を出した人はこの様な具体的な問題に関してテレビの前で説明することは殆どない。
 小沢さんもそうだし、党の参議院議員会長の輿石さんもそうだ。
 例外は鳩山さんだが、彼は民主党としての公式発言をしているに過ぎない。
 
その間に民主党の将来を担う人達がテレビで与党やマスコミから叩かれて嫌な目にあっているのだ。

 私は民主党が、政権担当可能な政党として党略でなく、如何にすれば日本が良くなるかを考えて本音の政策を出して貰いたいと思う。
 そして今テレビの露出度の高い人達が自分の意志で自分の意見を出して貰いたいと思う。
 それが本人の為は勿論、党の為にも日本の為にもなると思うのだが。

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