昨日の「たけしのTVタックル」で官僚制度の問題が取りあげられていた。
官僚の政治家の操縦術、地方分権の指示に対してゼロ回答、麻生さんの国の出先機関の廃止の指示が統廃合に変わった事、官僚側に立つ族議員などなど。
それに対して、勝谷誠彦さんが田母神論文のときは盛んに文民統制のことを言っていたが、「これらの問題は官僚に対する文民統制(多分政治家による官僚の統制の意味?)の問題ではないか」と激しく政治家を攻撃していた。
[政治家と官僚の比較]
専門知識:政治家 最大約 2~30年の多方面にわたる経験、官僚 ほぼ同一部署で最大50年の経験
人数:政治家 722人、 国家公務員約30万、キャリヤー官僚約1万5000人
身分の安定性:政治家 人気商売、官僚 定年までの地位を保証
これから見ても明らかに官僚の方が質量ともに充実し、精神的にも腰を据えて仕事ができる。
これを見ると明らかに官僚が政治家より遥かに有利な立場だ。
ただ一つ政治家が有利なのは、彼らは国会議員として国民の代表として選ばれたにのに対して、官僚は自分が意志でなった事だけだ。
だから麻生さんの言う、「官僚は上手く使うものだ」と言うのも正論だし、今の停滞した状況から言えば、小沢さんの言う国会議員100名の官僚組織への投入も、首を捻るところもあるがやって見る価値もある様な気がする。
然し、小泉某の暴挙に象徴される官僚に対する閉塞感は、政治家の無力は勿論、国民は何時も民間企業と比較して余りにも旧態依然としていることを見ているからだと思う。
[官僚組織と企業の違い]
財政、会計:官僚 大福帳方式の管理・会計検査院による抜き取り検査、企業 貸借対照表等、益計算書等による厳しい会計・ 会計監査法人による全数検査
高給職員の取り扱い:官僚 昇進者がでると他の人達が外にでる慣例のためにその行く先を作ったり探したりする(所謂天下り)、企業 昇進者がでると普通は閑職につくか、子会社や関連業者へ出向か転職
組織内の合理化:企業(特に製造業)徹底的に合理化、自主管理活動などの導入、官僚 戦後以来殆どその種のことで官僚の抵抗の話は聞いても、組織として自らの意志で合理化をしたと言う話は聞いたことがない。
[霞が関で一番威張っているのは誰か]
これは昔、国会議員の選び方 でも取り上げたがここでは農水省の例にすることと一部表現を変えて実情を書いてみる。
仮に国会議員が支援団体や、出身地域の意を受けて、例えば農水省に行くとする。
同省の官僚は、議員を先生と言って形だけは丁重に取り扱うし、議員によっては俺は国民の代表だと威張って役人に対応するかも知れない。
しかし、議員のやる事は正確に言えば官僚への陳情だ。
官僚は心の中では、いくら議員が威張っても、議員は地域や特定の団体のことを言うが、日本全体の農水省の所管事項を見て総合的に判断するのは俺達と思っているだろう。
議員は農水省の全体の予算などは無視し、とにかく余所からの陳情より、自分の陳情を通して貰おうとして、つい卑屈にもお願いする気持ちになるのはありがちなことと思う。
しかし、その農水省の官僚も、財務省に対しては、議員と同じ立場で他の省庁より自分達の予算を分捕ろうとする。
財務省の官僚は、通産省の所管事項を含む日本全体の財政のことを判断しているのは俺達だと思っていると思う。。
それを如実に表しているのは、テレビで良く見る本来なら皆同じ立場の筈の、諸省庁の財務省詣だ。
その財務省を実質的にコントロール出来るのは、建前では財務大臣だが、実質的には農水省、財務省を含む全ての省のことを総合的に判断出来るし、しなければならないのは総理大臣だ。
何故なら彼は財務省を含む全ての、省庁の所管事項を全て統括しているからだ。
この実質的な力関係を図式で書けば、
国会議員→諸官庁官僚→財務省官僚(財務大臣)→総理大臣
となるだろう。
[日本を代表する国会議員を選ぼう]
実は、財務省を含む全省庁ををコントロール出来るのは首相だけだと言うのは正確に言えば不可能だ。
もし国会議員が、日本全体を見て事に当たるなら、首相ほど実質的な力はないにしても、首相の立場に立って、同じ事を農水省に言っても、財務省に言っても、その迫力や発言の重みは、出身地域や一部団体の利益を代表して言うのと明らかに変わってくると思う。
何故なら議員は農水省や財務省の所管範囲を超えた日本全体のことを考えて言っているからだ。
昨日のたけしさんの番組でも言っていたが、農林族、道路族、文教族など言われる人は、その発言力を増す為に、各省庁と暗黙のなかで力を合わせて一部の利益を守ろうとする。
勿論彼らの言う事も正しい事も多いと思うが、いつも報道されるように、彼らの言動は国の行き方を間違わせてきたとしか、思われないこともあるようだ。
一般国民がその意志を国政に反映させるには皆が言う様に、選挙しかない。
それで提案だ。
特定地域振興のためとか、日本の農業を守るために一票を下さいと言う、候補者に投票しても良いだろうが、日本のためと言う候補者にもっと国会に立つ機会を与えてはどうだろうか。
日本全体に漂う経済環境は勿論、官僚組織に対するのも含む閉塞感から脱却するためには世界的、全国的視野を持つ国会議員をもっと増やすしかないと思う。
それが私たち国民の責任だと思う。
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