昨日からの自民党の抱える問題点の続きです。 (*注記)
[生まれの筋が悪い定額給付金]
今、自民党の抱える問題の一つは定額給付金だ。
何度も書くが、この前身の定額減税はもともと自民党では乗り気で無かった。
然し福田内国の低支持率に喘ぐ自民党は次期の選挙で協力が不可欠な公明党の提案に対して、やむを得ずそれを受け入れた。(しかもその直接の折衝に当たったのは当時の麻生幹事長だった。)
これに対して野党だけでなく、自民党内からも、識者たちからも景気回復の効果のない批判の声が上がった。
それで与党は仕方なく定額給付金と名前を変えたが、それだけで景気回復の効果が上がる訳は無いのは当然だ。
詰まり定額給付金は生まれから筋が悪かったのだ。
当時の報道は(自民党の有力者の言として)評判の悪い定額給付金を含む第二次補正予算案を提出すれば、この問題を野党からつつかれて、政権与党に大打撃を受けることを恐れて、同案の提出を翌年廻しにしてしまったと報道している。
これに対して塩崎元官房長官らの若手グルーフが、「経済、景気が第一と言っているのだから、やはり第2次補正予算案を国会に出すべきだった」と首相の政権運営を批判を始めた。
彼らの意見は第二次補正予算案の提出を翌年廻しにする政府の決定より明らかに筋が通っている。
それに加えて、麻生さんの数々の失言や政策に反対するグループが自民党内で乱立した。
一方では政府・与党の取り巻く金融・経済環境は一層悪化し、その足元を襲っている。
これですっかり余裕が出来たのが民主党だ。
[余裕綽々の民主党]
昨日の「たかじんのそこまで言って委員会」では三宅さんが、民主党有力者の話として「実は選挙は遅い方が良い。何故なら今民主党が政権をとっても、現在の金融・経済環境の危機を乗り切る方策はない。だからこのまま麻生内閣が自滅し、環境が良くなってきた所でゆっくりと待っていれば良いと言う」趣旨の話を聞いことを話していた。
三宅さんの話の真偽はとにかくとして余裕の出来た民主党が取った国会運営は
・海上給油、金融機能強化法の早期可決→衆院での再可決という名の政府・与党の協力により同法案を反対している民主党への国民への批判をかわす
・自民党内からも反対が出ている第二次補正予算案の早期提出と言う筋の通った要求をする
・評判の悪い定額給付金を除けば同法案の成立に協力を示唆する。(これで自民・公明の分断も図り、民主党への批判も交わせる)
と言う一時期の批判の多かった小沢さんの強引な国会運営から考えれば180度に近い筋の通った転換だ。
自民党の自滅に加えて、このような国民にも受け入れられる、国会運営方針で民主党の支持率も上がり、自民党の唯一のよりどころだった、民主党から言えばそのアキレス腱だった小沢さんへの低支持率は麻生さんと変わらないかそれを上回る勢いだ。
[自民党へ]
何でも筋を通して行けばと言う様な素人考えでは政治の場では通用しないことは想像出来る。
また自民党がいやいやながら公明党の定額減税を呑んだことも(賛成ではないが)理解でるる。
然し、第二次補正予算案への攻撃を恐れて翌年廻しにしても、何れ定額給付金に対する攻撃が始まることは明らかだし、麻生さんの言う金融・経済・雇用危機に(スピードを持って)対処する方針から考えれば、明らかに筋が通っていない。
マスコミでも麻生さんの支持率の急落の最大の原因は、自民党の党利党略による第二次補正予算案提出の遅れに上げている。
麻生さんも自民党も、もう一度原点に戻って政府や党としても国民に判るように筋の通った運営に戻るべきだ。
民主党が一番怖いのは、麻生さんの強いリーダーシップと自民党内の団結だ。
第二次補正予算案が審議されるまで政府・自民党が一体となってどのように対処するか(私は公明党を説得して、定額給付金の2兆円の予算をもっと有効な方向に振り向けるべきだと思うが)、国民の理解が得られ筋の通った運営をどうすれば良いか考えるべきだし、そして麻生さんは内閣発足時の戦う姿勢をとり戻して欲しいと思う。
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*注記:[自民党と麻生さんの政策課題]
自民党政権が国民に負うべき責任
・先進国の中で飛び抜けて大きい債務残高
・戦後から殆ど手つかずの官僚制度
・日本人の国民性に合わない労働者派遣法の制定と労働基準法の改正
国民が自民党と麻生さんに求めているもの
・首相の強いリーダーシップ
・適切な経済対策
自民党として考えて欲しいこと
・自分より国民優先、国民からいつも見られていること
・首相を中心とする挙党一致
・戦う姿勢を忘れぬこと
・筋を通すこと
・筋を通すためには次期選挙戦の敗戦を恐れぬこと
・社会党が野党第一党時代の甘い時代のことを忘れること
(太字は今日のエントリーに関係する問題)