先ず読売新聞の延長国会 衆院選へ実のある政策論戦をを見て下さい。
(次の総選挙に向け)有権者に正しい判断材料を示すためにも、延長国会で、与野党は、財源論や安全保障など政策論戦に努めてほしい。
衆院選で争われるべきは、各党の基本政策や、国の将来ビジョンである。
(経済危機を脱するための積極的な財政出動が必要だが)中長期的に社会保障費などの安定財源をどう確保するかは極めて重要な課題である。
自民党は、景気回復に「全治3年」を見込み、その後は歳出削減と同時に消費税率の引き上げで対応する方針を示している。
民主党は、「税金の無駄遣いの一掃」で20兆円を確保するというが、具体性に欠ける。消費税の問題も、鳩山代表のように「4年は議論する必要はない」というのでは、社会保障制度の先行きへの懸念を高めるだけだ。
安全保障政策も、もっと具体論に踏み込んだ議論が必要だ。
例えば、民主党の岡田幹事長は朝鮮半島と日本を「非核兵器地帯」とする条約を提唱している。米国に核の先制不使用を求め、条約が実現すれば「日本は米国の核の傘から出ることになる」という。
北朝鮮の核放棄が前提だともいうが、相手は核拡散防止条約まで反故(ほご)にした国だ。条約を唱えるだけでは核の脅威は解消しない。
しかも、中国とロシアは核を保有したままだ。中国のミサイルは日本にも照準を合わせている。米国の「核の傘」から日本が一方的に脱して、日本の平和と安全が本当に保てるだろうか。
首相と鳩山代表による党首討論などを通じ、これらの主張の違いが明確になれば、それが衆院選の争点にもなるだろう。
[民主党へ]
この社説は明らかに民主党批判一本槍です。
読売はどちらかと言えば、自民寄りですが、渡辺恒雄さんが(厚労省分割提案のように)政治の場に出た時は、社説や報道の姿勢が変わるようですので、このような社説になったのでしょう。
然し民主党は政権奪回を前にして、読売の言うように野党としての鳩山・岡田・小沢の各氏の持論はともかく、政権政党としての現実的な政策へ見直しする必要があるようです。
その現れでしょうか、問題の多い外国人参政権法案の提出の考えを引っ込めたそうですが、政権奪回を確実にするためには、同じように批判の多い人権擁護法案、恒久平和調査局設置法案の取り扱いはなど、現実の問題として考え直してそれを早々に発表すべきだと思います。
それと上記のほか、国民から民主党が今一歩信頼仕切れないと思われている一因の、民主党の政策実行とその財源の確保の具体的な手段と、そのタイミングのずれに就いてのスケジュールを明らかにすべきです。
[自民党へ]
一方の自民党もその政策は政権与党ですからほぼ見当はつきますが、とても頼りになる政党とは言えないようです。
最近の話では
・鳩山総務相の「西川氏続投認可しない」の発言と西川さんを擁護しようとする党内動き→また麻生さんの発言のぶれ?→太郎会会長の鳩山さんの辞任の可能性?
・麻生さんの厚労省分割指示→見送り→国民の閉塞感の一因となっている戦後以来変わらない公務員制度、官僚のあり方にたいする弱腰姿勢?の再現
・批判の多い世襲制度改革の先送り
などなど、自民党にとって不利な情報が溢れています。
この基本的な問題は政権陥落の可能性の増大を前にしての自民党内の危機感のなさと、適当に首相を担いで後は党内の有力者が影で動かせば良いという党内の体質の現れだと思います。
・危機感のなさ
今、国民が総理大臣にに求めている最大のものはそのリーダーシップの発揮だと思います。
麻生さんにリーダーシップがあるか否かは別として、彼の派閥が弱小であればなおのこと、彼がリーダーシップを発揮できるように、支えて行くのが政権維持の最上の手段と思うのですが、事実は全く逆の動きをして麻生さんの足、実は自民党の足も引っ張っているのです。
その実例は厚労省分割だけでなく、道路財源の一般化、地方分権や公務員制度の頓挫、上げ潮派の麻生さんの政策反対の動きなど数えればきりがないほどです。
・首相をコントロールしようとする党内の有力者
これは自民党の政権維持のための伝統的な手法です。
党内の有力者や族議員の人達本人たちはそれなりに危機感を持って事に当たっているのかも知りませんが、この伝統的な手法に慣れているあまり、実は麻生さんや党の足を引っ張っているのに気がつかないのでしょうか。
その最たるものは主義主張の全く違う社会党の村山さんを首相に担いで、今にいたるまで禍根を残しています。
あとは本人の名誉に関することなので、幾ら素人のブログといっても名前は出せませんが、一昔まえではU,K,Hの各氏がそうだと言われていたようです。
党内の有力者でなくて総理になり、自民党の慣行を破って自分の意見をとおしたのは小泉さんでしたが、またもとに逆戻りしたのかも知れません。
[自民党と民主党へ]
この件に就いては民主党も似たようなものです。
鳩山・岡田さんの争いでは、岡田さんの代表の方が選挙に勝利するには絶対に有利と言われていたのが、やはり自民党のように「党内の力学」で鳩山さんが代表に選ばれて自民党を喜ばせました。
ただ幸いなことには極端な政局一本槍の小沢さんが降りて、民主党も国会で議論しようと言う流れになっているようです。
折角延長になった国会を利用して自民・民主とも各自の政策を持ち出して四つに組んでの討論をし、それらが明らかした後で解散・衆院選に入って貰いたいものです。
このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。
↓
政治ブログランキングへ