普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

少子化問題と若い人達

2009-06-05 11:49:56 | 少子高齢化

 出生率3年連続の微増の報道について、読売新聞(・印)産経新聞(*印)はその社説で次のように報じています。

明るい点:
・05年に1・26まで落ち込んでいた出生率が1・4近くまで戻した
・*第3子として生まれた赤ちゃんが増加した。2人の子を育てつつ、「もう1人」との望みをかなえる親が増えている
*晩婚・晩産化で30代の出産が増え続けた
*昨年半ばまで景気の回復局面が続き、子供を持つゆとりのある人が多かった
*政府の少子化対策が効果をみせてきた

問題点:
<状況の問題点>

・*1・3%台という出生率の水準が極めて低いことに変わりはない
・*昨年の出生数の増加も、うるう年で1日多かったことが要因
・*国立社会保障・人口問題研究所は、これから半世紀の間、出生率はほとんど1・2台で推移し、総人口は減り続けるとの見通しを示している
・第1子、第2子は前年より減った。その原因は若い親にあたる世代の減少、結婚へのためらい、子どもは1人が精いっぱいだったりする社会的、経済的状況
*晩婚・晩産化の流れも続く
・*昨年後半からの急激な経済情勢の悪化は、今後の出生率の回復に、大きな足かせとなる
*少子化に歯止めがかからなければ、
  社会の活力が失われる
 日本経済に大きな影響が生じる
 世代間の支え合いを基礎とする社会保障制度も立ちゆかなくなる

<対策の問題点>
*雇用情勢が回復しなければ出産を控える動きが再び強まる可能性もある
・少子化対策の予算は乏しく、経済協力開発機構の加盟国は平均してGDPの2%を子育て支援や家族関連に支出しているのに、日本は0・8%にとどまる
*行政の体制も現状は機能的ではない
*内閣府に少子化相が置かれてはいるが、独自の予算やスタッフは少なく、厚生労働省はじめ多くの関連官庁の調整役にとどまっているのが実態だ

対策:
・施策の効果が表れ始めたところは一段と後押しし、効果の見えないところは新たな手を大胆に講じていくこと
・政府は、子育て支援を充実するには2兆円強の財源が必要だとしている。これは1%の消費税で確保できる。少子化対策からも社会保障税の実現が急務である。
*若者の雇用改善
*国民がどのようなサポートを期待に応えるよう政策の見直し
・*(対策として明記していないが)上記の対策の問題点で指摘された、少子化対策のための予算の増額、行政改革

 読売・産経の社説を並べて見ると、情勢分析や問題点の分析が詳細にされているのに、対策の記述が少ないのに気がつきます。
 そしてその記述の内容だけではとても少子化傾向は留まりそうにありません。
 その理由は戦時中の「産めよ殖やせよ」政策の反省から、肝心の若い人達の意識の問題に触れられないからです。 
 つまり今の時代では「子育てよりも自分の生活優先」,「子育てより自分達の生活を楽しみたい」と考える若い人達に、「自分のことを考えるのも良いが、併せて社会のため日本のためと考えてくれ」政府も地方自治体も言えないからです。
参照:少子化対策こそ前向きな投資
の[少子化問題の難しさ]とその注記

 私も、読売や産経の言うように、「少子化対策こそ前向きな投資」を書きましたが、やはり基本的には若い人達の意識を何とか、前向き、自分の将来にまで眼向け、もう少し眼を拡げてもらうしか、基本的な解決にならないと思います。
 私の狭い周辺でも、大病に罹って他人に迷惑を掛けたくないと次第に閉じ籠もり友達と疎遠になる人、発作で倒れたまま翌日やっと発見された人、病院で死んだが(同じ理由で友達に黙って入院したため)子供と連絡が取れずに数日放置されたままの人(もし「子供が居なくても友達がいるから良い」と思っておられる若い人がおられましたらこの現実を見て下さい。)
 その他にも、親の介護を嫁から拒否されて還暦を過ぎて離婚した人達など、核家族化と少子化の影の部分を多く見て来ました。
 私は今の時代ですから、社会や国のためより自分優先の考えを持つのは仕方がないと思います。
 然し自分のためと考えても、少子化の将来は年寄りの私が見聞きしたように、今の若い人達の本人にも降りかかってくる問題であるのは間違いないと思います。
 然も少子高齢化の進行で今まで以上に厳しさで。

 然し幸いなことには、若い人達の一部かも知れませんが、 (自分のことだけでなく)地域や環境問題に関心を持ち始めた人が増えているそうで、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が始まり、それに便乗したコミュニティ・ビジネスまたはソーシャル・ビジネスまで開発されているそうです。
 私は意識の高い若い人達が、産経の社説のように、 (遠い日の我が身のためにも)社会の活力を回復し、世代間の支え合いを基礎とする社会保障を確立するために、是非、少子高齢化の問題にも大きな関心を持って貰いたいと思っています。

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