普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

これで良いのか民主党の農業政策

2010-02-12 15:29:20 | 農村問題

 昨夜のNHKでNHKスペシャル「ランドラッシュ~世界農地争奪戦~」をやっていました。
番組案内
 
インドや産油国がアフリカで、韓国がロシアで、農地を囲い込んでいる。穀物価格再上昇で新たな食糧危機が懸念される今、アフリカや東欧の農地を外国企業が囲い込む「ランドラッシュ」と呼ばれる争奪戦が激化している。韓国は、国内需要の4分の1を賄う食糧基地を国外に建設しようと、ロシアなどに大農場を建設している。食糧不足の時代に備え、先手を打つ各国と、遅れをとる日本。食糧安全保障をめぐる争奪戦の実情を描く。

[食料調達を軸に海外に伸びる韓国] 
  番組では主にお隣の韓国の動きを伝えていました。
 韓国大統領を中心としたロシヤでの大型農業の売り込み、現代(ヒュンダイ)財閥始め異業種の電子関係の企業などを含めて10社近く企業のシベリヤ進出など、食料資源開発でロシアを中心に韓国企業が進出している様子を流していました。
 見ている内に行き過ぎやすい韓国人のことで何か起こりはしないかと感じていましたが、思った通り韓国がマダガスカルで大規模の土地を取得したのに反発した現地の人達の暴動で同国政府が倒れたことを伝えていました。
 そんな困難やロシヤ人との考え方の食い違いなどの困難を克服しての農場の拡大を着々と進める一方、韓国はロシヤの農産物の輸送のため同国の地に港湾設備を整備し、李明博大統領は農場の大規模化に伴うインフラ整備までロシヤに約束していました。
 正に実業界出身の大統領を長とする「韓国株式会社」の海外進出です。
 番組では触れて居ませんでしたが、中国は更に徹底して、資源確保のために大規模な海外進出を進める他、 (将来ウィグルと同じ問題を起こしそうな)漢民族の人を派遣、定着させて海外に華僑社会を広めようとしています。
 中国は韓国以上の一党独裁のもとの「大中国株式会社」になっています。

[官僚を使えない政務三役]
 韓国の海外進出の動きに対して農水省の幹部は「日本では自給率拡大のためには国内の農業生産拡大の問題や、海外進出に伴うトラブルもあるので」と、何かはっきりないことを言っていました。
 何しろ日本では農業に限っていえば、農業のことを殆ど知らない鳩山政権の政務三役が、政治主導といって自分達が作ったマニフェストを何十年も農政に携わってきた官僚に押しつけ、それに反する不規則発言を制限しているのですから、NHKから訊かれた農水省の人が当たり障りのないことしか言えないのは当然です。
 ろくに勉強しないで、官僚の言うことをそのまま聞くかっての自民党政権の一部の大臣も困ったものですが、(良く勉強している人も居るけれどやはり)素人の意見を公約だ民意だと言って官僚に押しつけ、その士気を低下させ、進言する意欲もなくさせる大臣も困ってものです。
 自分も会社を持つ麻生さんが官僚は巧く使うものだと言っていましたが、政務三役が庁内で仕事をするには、大多数の官僚の能力を如何に活かしながら、自党の公約を反映させるべきと思うのですが。

[ばら蒔きの公約と党利党略の農政]
 そしてその鳩山政権の公約も農業に絞ってみても、農業者戸別所得補償制度の導入、農地を持つ人に(委託を含む)耕作の義務化、生産から販売までの総合的の6次産業化以外にこれと言った具体的な政策は見当たらないようです。
 一番の売り物の農家戸別所得保障制度も、これと言って将来へ向けたビジョンもなく、弱小農家の固定化(詰まり所得保障依存の民主党支持農家の固定化)に繋がりかねないばら蒔き政策との批判も多い様です。
 実際の政策運営に当たっても、自民党時代の生産効率向上のための大型農業支援策廃止、元自民党の野中さんが会長を務める全国土地改良事業団体連合会が、半減とされた予算の復活を民主党に申し入れたのに対して、野中さんが自民党候補を推しているとして拒否するなど、韓国大統領の将来を見据えた大きな動きに比べると鳩山政権の農業の生産性向上無視した余りにも目先の、党の利益しか考えない、チャチ過ぎる公約や政治運営に見えてしかたがないのですが。

[民主党を勝たせ過ぎた国民]
 今朝の国会での「政治と金」の問題の集中審議で、自民党の後藤田さんが、国民が民主党を勝たせ過ぎたために、政治倫理審査会の開催提案に必要な委員の1/3の人員も集められないと嘆いていましたが、農業政策も同じ理由で上記のようないい加減な鳩山政権の政策がまかりとおって、日本の農業の将来はどうなるのでしょかね。
  話しが逸れますが、圧倒的な議員数を誇る持つ民主党は(自民党なら即、辞職なのに)鳩山さん、小沢さんの政治と金の問題でも、居直りを続けています。
 世論調査ではっきりしたように、国民自身も民主党に勝たせ過ぎたと思っているようですが、国民に愛想つかされた、そして何時までも立ち直れない自民党、余りにも反自民を煽り過ぎたマスコミも良く反省しなければ日本はとんでもない方向に行きそうな気がしてならないのですが。

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