普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

迷走する普天間基地問題

2010-04-09 15:09:50 | 外交・安全保障

 最近の普天間基地問題移設に関する報道を集めて見ました。
普天間移設 政府、ホワイトビーチ案断念 地元と与党反対5月決着困難に
 米軍普天間飛行場移設問題で、政府が「2段階移設案」の最終移設先としてきた米軍ホワイトビーチ沖に人工島を建造する計画を断念したことが8日分かった。
 今後はキャンプ・シュワブ陸上部に600メートル級のヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)を造り、徳之島(鹿児島県)などに分散移転させる案が有力になるが、2段階移設案が頓挫したことにより、鳩山由紀夫首相が明言する5月中の最終決着はますます困難となった。
 ホワイトビーチ案は、沖縄県や地元自治体は、モズク漁などへの影響が大きいとして反対を表明。社民、国民新両党も撤回を求めてきた。
 然し首相は閣僚協議でなお県外移設にこだわり、普天間飛行場のヘリ約60機を可能な限り徳之島に移転させるよう求めたが、ホワイトビーチ案には触れなかった。

普天間移設で鹿児島知事「反対、変わらぬ」  
  鹿児島県の伊藤祐一郎知事は2日、定例記者会見で、米軍普天間飛行場の移設候補先に徳之島が挙がっていることについて「反対の立場を明確に示しており、変更しない」とあらためて表明した。

普天間公約違反だ…名護市長「分散移転も受け入れぬ」
 米軍普天間飛行場の移設問題で、沖縄県名護市の稲嶺進市長は、同市の米軍キャンプ・シュワブ陸上案も含む分散移転に関し「分散にしろ何にしろ、海はもとより陸上も反対だと言ってきた。地元も反対しており、受け入れられる要素は全くない」と述べ、拒否する姿勢を強調した。

訓練の県外移転に難色 普天間移設問題で米司令官
 
ウィラード米太平洋軍司令官は25日、ワシントン市内で記者会見し、米軍普天間飛行場移設に伴う在沖縄海兵隊訓練の県外移転について、航空と地上部隊の一体運用を確保する必要性から難色を示した。
 普天間移設については、2006年に日米両政府が合意したキャンプ・シュワブ沿岸部への現行計画が「日米両政府と沖縄県民にとって最善と信じている」と語り、重ねて計画変更に慎重姿勢を示した。

 以上の報道を整理すると、残っている案は
・キャンプ・シュワブ陸上部に600メートル級のヘリパッド(沖縄県、名護市長が反対)
・その他の設備は徳之島などに分散移転させる案(鹿児島県と米司令官が反対)
・鳩山さんは少なくともヘリ約60機を徳之島に移転させるよう求める(と言う事は普天間に滑走路などの設備が残り、基地移転の基本的な発想の普天間基地周辺の負担軽減は殆ど達成できないことになりそうですし、当然の様に沖縄県や基地周辺の住民から反対が起こるのは待ち間違いないと思います。)
 キャンプ・シュワブ陸上部案は地もとの負担面から言えば、どう考えても明らかに海上案のほうが優れていますし、この案で国会の審議は衆参両院の多数を利用して乗り切れても、徳之島案に就いてと同様に米国の納得を得るのは難しいでしょう。
 考えられる唯一の希望は米国がこの問題で鳩山政権にここで恩を着せて置く方針を取ったときでしょう。
 然しそれは対等な日米関係を目指す鳩山政権にとっては、大きなマイナス点を稼ぐことになりそうです。

日米首脳会談なし、代わりに隣り合わせの夕食会 
 ワシントンで開かれる「核安全サミット」の12日の夕食会の際、鳩山首相とオバマ大統領が隣り合わせに座り、非公式に意見交換する方向で日米両政府が最終調整していることが、わかった。
 鳩山首相は普天間飛行場移設問題を首脳間で協議する意欲を示している。
 首相は昨年12月の国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)関連の晩さん会でも、隣に座ったクリントン米国務長官に、普天間移設問題の決着を翌年に先送りし、新たな移設先を検討する方針を説明。会談後、記者団に「十分に理解を頂いた」と述べ、米側に否定された経緯がある
 これに就いてはオバマさんがCOPO15に来る多くの首脳との会談を予定しているのに、同盟国である日本の首相との会談を避けたのは日本に対する信用を無くしたのだと言うマスコミやネット上の批判があります。
 それは別としても、夕食会で他国の人達の耳にも入りかねない、この様な難しい問題をどれだけ具体的に話せるかは素人の私でも容易に想像できることです。
 いずれにしても普天間基地問題は、外交の継続性からも現行案を継続し、民主党なりの考え方で、日米関係の在り方を検討し、その結論から今後の沖縄県内の基地問題を検討すべきだったのに、政権が変わったのだからと、現行案と違う具体的な問題をいきなり取り上げたことから起こったものです。 (最初は一部マスコミは政権が変わったのだからと言っていますしたが、最近はこのことには口を噤んでいます。)
 しかも鳩山さんが県民の民意の尊重ばかり言って、民意は尊重するが国の立場もあると言わなかったので、沖縄県の人達をすっかりその気にさせて仕舞ったことです。
 端的に言えばこの問題のこじれさせたのには、その場の空気で奇麗事ばかり言ってきた鳩山さんに最大の責任があると思います
 私は鳩山政権が日本のために何らかの落とし所を見つけて貰いたいと思っているのですが、一体これからどの方向に進むのでしょう。 

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。

政治ブログランキングへ

政治ブログへ