普天間基地問題で閣僚任せにしてきた鳩山さんが動き出したので彼の腹案がなんとなく明らかになってきたようです。
朝日新聞は辺野古に桟橋滑走路、徳之島へ最大1千人移転も 首相案 でその内容と問題点を明らかにしています。
(1)徳之島空港の2千メートルの滑走路を利用。周辺を一部埋め立てて、ヘリコプターの格納庫や兵舎などを建設。普天間のヘリ部隊約2500人のうち最大1千人を移すか、訓練を移転する
(2)辺野古沿岸部を埋め立てる現行案に代わり、海底にくいを打つ桟橋方式で1800メートルの滑走路を建設する
(3)米軍嘉手納基地で行われている外来機の発着訓練を鹿児島県内の無人島や、本土の自衛隊基地に分散移転させる
問題点
・徳之島は地元の反発が激しい上、普天間から200キロも離れているため、米国も難色を示している。
・国外移設を主張している社民党は辺野古への新基地建設にも反対しており、連立3党が合意できる「政府案」としてまとめられるメドはない。首相が期限としている5月末までに決着できず、首相の進退を問う声が高まる可能性もある。
・辺野古を抱える名護市の稲嶺進市長は「海にも陸上にも新しい基地をつくらせない」と主張しており、理解を得るのは困難だ。
・昨年の衆院選で「最低でも県外」と訴えた首相が、「約束違反」との批判を受けるのは必至だ。
・その他朝日は社説で鳩山さんの対応が遅すぎると指摘
・産経の社説も浅瀬案は過去の協議でも浮上したが、「海面下が空洞状になり、テロの恐れなど安全面で問題がある」との理由で米側が難色を示し、地元も「埋め立てなどと比べて仕事にならない」と歓迎せず、結局は現行計画に決まった経過も忘れてはならない。と指摘しています。
考えて見ればこの普天間基地の移転問題は岡田さんの嘉手納基地統合案、北沢さんの現行案、社民党のグアム案、ホワイトビーチ案、国民新党提案のキャンプ・シュワブ陸上部案+徳之島分散移転案と時間が無い中で随分と回り道をして、鳩山さんの言う5月末の期限直前に鳩山さん腹案となりました。 (もう変わらないでしょうね?)
民主党は選挙では国外、少なくとも沖縄県外を訴え、政権を取った後も鳩山さんは沖縄県民の民意を尊重すると言い続け、一旦は厳しい環境にも関わらず日本の為として、キャンブ・シュワブ海上案を受け入れた沖縄県民も、国外、少なくとも県外を訴える民主党政権の誕生と、鳩山さんの民意尊重の繰り返し発言に、県外移設可能だと思いこんで仕舞いました。
そして最終的には大筋は今まで反対してきた自民党政府の現行案の修正と言う恥ずかしい決定に加えて、せめても基地の一部の機能を県外の徳之島に分散移転するということで格好をつけることになりました。
しかもその実施に当たっては、鳩山発言のお蔭ですっかりその気になったのに、また県内に話が戻ってすっかり硬化した沖縄県の人達の強い抵抗がまっています。
鳩山さんは今までの民意尊重ばかりの発言だけでなく、「民意は出来るだけ尊重するが国全体のことも考えねばならぬこと、そのためには沖縄県民や県外の人達も国の安全保障のために是非協力して欲しい」と訴えるべきだったのです。
そして紆余曲折を経て現行案の修正に戻る大回りの間、米国との関係をおかしくさせ、鳩山さんはオバマさんの信頼を失い、米国のマスコミから一国の首相がルーピーと呼ばれるほど馬鹿にされる結果になりました。
私は何度かこの問題に就いて、普天間基地問題は、当面は外交の継続性からも現行案を継続し→その後民主党なりの考え方で、日米関係の在り方を再検討し→その結論から今後の沖縄県内の基地問題を検討すべきだったのに、政権が変わったのだからと、現行案と違う(実は何も決まっていないのに)名護市以外への移転をいきなり取り上げたことから問題がややこしくなったと書いてきました。
参照:迷走する普天間基地問題
こんなことは素人でも判ることですが、鳩山政権は公約だからと言っていきなり走り出し、一部マスコミは政権が変わったのだから方針が変わるのは当然だと言って、鳩山政権を動きを支持しました。 (最近はこのことを言った人は皆口を噤んでいます。)
然し、前にも何度も書きましたが、この問題をややこしくさせた最大の責任者はその場限りの、耳触りの良い発言ばかり繰り返した鳩山さんです。
そして次に責任のあるのは、彼のその場限りの発言に苦言を呈しなかった与野党の政治家と、一部のマスコミ特に鳩山政権支持の批評家です。
然し過去のことを言っても仕方がありません。
私は鳩山さんや関係閣僚が頑張って、日本のためになんらかの落とし所を早く見つけて貰いたいと思っています。
鳩山さんへ
少なくとも基地問題に就いては、今までのその場限りの奇麗事の発言は止めて、国のためにある程度の犠牲を払ってでも、何とか協力してくれと心底から関係地方の人達に訴えるべきだと思います。
勿論、移転に伴う保障問題や土地の振興策も大切ですが、鳩山さんの心からの訴えがなければ、解決は難しいような気がします。
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