普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

破綻寸前の高速道無料化の公約

2010-04-10 10:36:18 | 鳩山内閣

 高速道路の新体系が発表され、その良い所と問題点が議論されています。
 これに就いては、読売新聞
毎日新聞 が社説を書いていますのでその内容を整理(青字)してみました。 黒字は私の注記です。)
 
新料金体系の良いところ
・普通車の料金の上限を全ての普通車で2000円(軽、エコカー1000円)、全日適用と判り安い
・平日も対象となるため、前のように休日に集中している渋滞は改善に向かう
・長距離を運転する場合は安くなる
・フェリーなどへの配慮した料金

問題点
・マニフェスト:高速道路原則無料
 長距離の利用以外は、負担増大
 無料の区間は無料化対象外の首都高速と阪神高速を除く全路線の約18%だけ 
・マニフェスト:[公共事業改革]社会資本整備関連計画を一本化し国会承認事項とする
 料金割引の財源のうち1・4兆円を高速道路建設に回す。しかし、値下げの財源を建設に流用するのはルール違反だ。国会の監視をすり抜ける便法として、同様のことが繰り返され、無駄な道路の建設が続くことにつながらないか(毎日社説)
・マニフェスト:温室効果ガスの25%削減
 長距離の利用が増えれば二酸化炭素の排出量増大、温室効果ガスの削減で現政権が掲げている高い目標の実現と整合性がない
・普通車の長距離の利用が増えれば、鉄道やバスが影響が出る。

毎日の主張 
 無料化のための予算が大幅に削減されたほか、現在実施している料金割引のために用意された財源を高速道路建設に回すことにした。その結果、こうならざるを得なかったのだろうが、公約とは一体、何なのだろうかと考えさせられる内容だ。
 高速料金の無料化は、物流などのコストを下げて、経済の活性化につなげることが目的だったはずだ。この点も含め、昨年の総選挙での民主党の主張と、今回の高速料金制度がどのようにつながるのかを、へ理屈や言い訳、強弁ではなく、きちんと説明してもらいたい。
読売の主張 
 
高速道路建設費の確保に窮して、料金を実質的に値上げし転用する―。鳩山内閣がまとめた高速料金割引制度の見直し策を一言でいえば、こうなるだろう。
 今回、料金割引制度を見直すのは、高速道路建設の財源確保のためである。
 料金割引の原資に国が手当てして残る2・5兆円から、今回の制度変更で使わずに済むようになる1・4兆円を、建設費に充てる計画だ。
 鳩山内閣が昨年末、民主党に高速道路の整備促進を強く要請されたことで、原資に目をつけた
 建設費がどうしても必要というなら、きちんと予算化するのが筋だろう。一貫した高速道路政策が鳩山内閣にないから、こんな姑息な手段を選ぶことになる。

[私の感想]
  毎日や読売も指摘したように、高速道路無料化は民主党の目玉政策の一つでした。
  それが選挙後の世論調査での不人気でずるずると縮小するか、ネット上の批判にあるように無料化に逆行に値上げ となって仕舞いました。
 この真実は判りませんが、小沢さんが大勢の人を引き連れて閣僚達の会議に乗り込んでの、国民の総意として高速道建設復活を申し入れた印象が強く残っています。
 昨日の前原さんの発表で記者の一人が、新料金体系で金が浮いたのなら、それを保育所などの子育て援助施設に廻すべきだと質問(私はこの考えに大賛成です)があったのに、制度上それは出来ないとの前原さんの返答がありました。
  それに対してテレビで経産官僚出身での慶應義塾大学教授の岸 博幸さんが、余った資金を政府の資金にプール出来るのは簡単だしそうするのがルールだと言っていました。
  詰まり鳩山政権は前政権の時追及してきた特別会計を自分達も作ろうとしているようです
 これはやはり毎日が指摘したように、国会の決議を経ないで民主党に利益誘導とみられる道路建設に使おうとしているような気もします。
 破綻同然の高速道路無料化と言うばら蒔き政策、参院選を前にした前政権で凍結した高速道工事の復活(昨日のテレ朝の「報道ステーション」では該当の道路に車を走らせ、行き合う車が殆どもないと言っていました)など、国民に見え見えの民主党政策にも困ったものですね。 

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