♪♪私のお墓の前で
泣かないでください
そこに私はいません
眠ってなんかいません
千の風に 千の風になって
あの大きな空を
吹きわたっています♪♪
秋川雅史さんが紅白歌合戦で歌って
反響が大きく、オリコンチャートで
とうとうウイークリー1位になった
「千の風になって」の歌詞の冒頭部分。
もともと、この歌は作詩者不詳。
芥川賞受賞作家・新井満さんが
日本語の詩をつけ、作曲をし
当初30枚制作のCDを友達に配ったところ、
人から人へその良さが伝わり
2003年11月6日に全国発売された歌だ。
それまで私は、新井満さんといえば
「ワインカラーのときめき」を歌って
ヒットした一発屋歌手としてだけ
認識していた。(勉強不足でした。)
新井満さんのこの歌が発売された頃、
知人Yさんの奥さんが亡くなった。
娘さんふたりを残して。
まだ、40代。癌だった。
Yさんの落胆ぶりはひどかった。
たまたま、Yさんの友人がラジオで
この曲を聴き、いたく感動して
彼にこの曲のカセットをプレゼントしたいと、
私がCDからカセットに変換したことがある。
Yさんは、この歌に癒され、
徐々に元のYさんに戻っていった。
同時に、この曲、私のお気に入りの歌になった。
歌ってどんな効果があるのか知りたくて
知り合い10人にこの曲を聴いてもらった。
その内、6人は大変感動し
この歌と同じ境遇の人に
プレゼントすると言って
CDを購入した人もいる。
あとの4人は暗い歌だと言った。
興味も示さなかった。
先日からの私のブログに
「加川良さん」と「上々颱風」の記事を書いた。
すると私あてに、ある方からメールが届いた。
「私の夫が、亡くなったとき
お葬式で音楽をかけました。
ひとつは、上々颱風の
『いつでも誰かが』という曲。
もうひとつは、加川良さんの『祈り』。
私も、上々颱風が大好きです。
ずっーと昔、姉夫婦の店で、
加川良さんのコンサートを
何度か開催しました。
夫のお葬式のあと、すぐに
ある別の会場で加川さんのコンサートが
開催されました。そのとき彼に、
お葬式に『祈り』をかけたことを伝えると、
その場で歌ってくれました。」
私はどちらのアーティストも好きだが
そこまでの思い入れはなかった。
そこで2つの歌の詩を読み返してみた。
「いつでも誰かが」 歌/上々 颱風
いつでも誰かが きっとそばにいる
思い出しておくれ すてきなその名を
心がふさいで 何も見えない夜
きっときっと誰かが いつもそばにいる
生まれた街を 遠く離れても
忘れないでおくれ あの街の風を
いつでも誰かが きっとそばにいる
そうさきっとおまえが いつもそばにいる
雨の降る朝 いったいどうする
夢からさめたら やっぱり一人かい
いつでもおまえが きっとそばいにいる
思い出しておくれ すてきなその名を
争いに傷ついて 光が見えないなら
耳をすましてくれ 歌が聞こえるよ
涙も痛みも いつか消えてゆく
そうさきっとおまえの 微笑みがほしい
風の吹く夜 誰かに会いたい
夢に見たのさ おまえに会いたい
いつでもおまえが きっとそばいにいる
思い出しておくれ すてきなその名を♪♪
「祈り」 歌/加川 良
私は目を閉じている
暗闇の中に立っている
私は目を閉じている
心の目覚めを待っている
私は目を閉じている
風の祈りを聞いている
それでもっと目を閉じてみる
見えないものが見えてくる
あなたと耳をすましている
時の流れを見送っている
命の紐を解いてやる
心の目覚めを待っている
あなたと耳を澄ましている
虹の真下をくぐっている
それでもっと耳を澄ましてみる
もう聞こえない何も聞こえない
あなたと目を閉じている
空の高さへ登ってゆく
それでもっと目を閉じてみる
見えないものが見えてくる
あなたと耳を澄ましている
川の流れに乗っている
それでもっと耳を澄ましてみる
もう聞こえない何も聞こえない
それでもっと目を閉じてみる
心の目覚めを待っている
それでもっと耳を澄ましてみる
もう聞こえない何も聞こえない♪♪
確かにどちらも素晴らしい歌だ。
心が真っ白な時、楽しい時、悲しい時
偶然、自分の心を写す歌に出会う時がある。
人生に歌は不可欠だ。
そして、そんな歌に巡り逢った人は幸せだ。
さらに、その人の人生を豊かにする。
私と奥さんは、趣味も嗜好も
生活習慣もすべて違う。
違ってていいけれど
ひとつくらい共有できるものが
あってもいいと最近思う。
それで思い出づくりに
いそしみだしたのだ。
もしかして偶然、
ふたりの心にいつまでも響き渡る
歌に出会うことも願って。
人・歌・感動!ひと・うた・かんどう!
(余談)
「いつでも誰かが」は『愛があるから大丈夫』に、
「祈り」は『駒沢あたりで』に収録されていますが、
後者は廃盤となっており今、手には入りません。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★(惜しいですネ)