「ぼくらの方の、ざしき童子のはなしです。
(中略)
また、北上川の朗明寺の淵の渡し守が、ある日わたしに云いました。
『旧暦八月十七日の晩に、おらは酒のんで早く寝た。おおい、おおいと向うで呼んだ。起きて小屋から出てみたら、お月さまはちょうどおそらのてっぺんだ。おらは急いで舟だして、向うの岸に行ってみたらば、紋付を着て刀をさし、袴をはいたきれいな子供だ。たった一人で、白緒のぞうりもはいていた。渡るかと云ったら、たのむと云った。子どもは乗った。舟がまん中ごろに来たとき、おらは見ないふりしてよく子供を見た。きちんと膝に手を置いて、そらを見ながら座っていた。
お前さん今からどこへ行く、どこから来たってきいたらば、子供はかあいい声で答えた。そこの笹田のうちに、ずいぶんながく居たけれど、もうあきたから外へ行くよ。なぜあきたねってきいたらば、子供はだまってわらっていた。どこへ行くねってまたきいたらば更木の斎藤へ行くよと云った。岸に着いたら子供はもう居ず、おらは小屋の入口にこしかけていた。夢だかなんだかわからない。けれどもきっと本統だ。それから笹田がおちぶれて、更木の斎藤では病気もすっかり直ったし、むすこも大学を終わったし、めきめき立派になったから』
こんなのがざしき童子です。」(宮沢賢治作)
室根のりんご園へ、ホームごとにリンゴ狩りに行ってきました。
今年も鈴なりの大豊作で、利用者様も職員も、一様に満足げでした。
隣りのSさん宅には娘の同級生を含む二人の男の子がいるのですが、収穫したてのリンゴをさっそく娘に持たせておすそ分けしたところ、とても喜んでいたとのことでした。
その年頃の男の子は食べ盛りだから何をもらっても嬉しいものなのだよ、と父親は教えています。
赤いリンゴはみなを幸せにしますね。
それを窓から眺めるのは楽しみでもあったけれど、同時にひどく焦りもした。
そんな秋もあったな、と笑って思い出せる日が来るといいのだが。
「タクシー・ドライバー」(1976年)の大成功によって慢心した鬼才マーティン・スコセッシ監督は次作「ニューヨーク、ニューヨーク」(77年)で莫大な製作費を湯水のように使いながら大失敗する。その混乱と失意の中でオファーを受けて撮ったのが、ボブ・ディランのバックバンドを長く務めたカナダ出身の“ザ・バンド”の解散コンサートを素材にした「ザ・ラスト・ワルツ」(78年)である。ディラン、ニール・ヤング、エリック(・クラプトン)、リンゴ(・スター)、ブルース界の巨人マディ・ウォータースなど多彩な大物ゲストが次々登場するステージの模様に、自らが聞き手となったメンバーへのインタビューを組み込んだそのスタイルは、これ以降の音楽ドキュメンタリーの一つの手本となった。
最後に歌われるディラン作詞作曲の「アイ・シャル・ビー・リリースト」もまたこのあと評価がさらに高まり、さまざまなアーティストによってカバーされている。
アイ・シャル・ビー・リリースト
すべてのものは代わりがきくという
けれども、道のりは常に遠いようだ
だからオレは思い浮かべる
こんなところにオレを押し込めた連中の顔を
オレは見た
西から東にさしてきた光を
もう今にも、今すぐにでも
オレは釈放されるだろう
誰もが守られる必要があるという
誰もが罪を犯すものだという
けれども誓ってオレには今と逆のオレの姿が見える
この壁のずっと上の方に
オレは見た
西から東にさしてきた光を
もう今にも、今すぐにでも
オレは釈放されるだろう
この孤独な群集の中で、オレの隣の房にいる男
誓って言うが、彼は無実だ
濡れ衣を着せられた、と彼が一日中泣きわめくのを聞いているのだから
オレは見た
西から東にさしてきた光を
もう今にも、今すぐにでも
オレは釈放されるだろう
I shall be released
They say ev'rything can be replaced
Yet ev'ry distance is not near.
So I remember ev'ry face
Of ev'ry man who put me here
I see my light come shining
From the west unto the east
Any day now, any day now,
I shall be released
They say ev'ry man needs protection,
They say ev'ry man must fall
Yet I swear I see my reflection
Some place so high above this wall
I see my light come shining
From the west unto the east
Any day now, any day now,
I shall be released
Standing next to me in this lonely crowd,
Is a man who swears he's not to blame
All day long I hear him shout so loud,
Crying out that he was framed
I see my light come shining
From the west unto the east
Any day now, any day now,
I shall be released
当法人では昨年度に引き続き、宮城県より「認知症カフェ設置促進・普及啓発事業」を受託しています。
先日は市地域包括支援センターさんから講師をお招きして、今年度の第一回研修会を開催しました。
認知症カフェの開催に関心がおありの方々、計18名が参加され、講話後のグループワークでは、今年度中のカフェ設置・開催に向けて様々な意見交換が活発に行われました。
そんな認知症カフェ。地域によってはオレンジより色の薄い「レモンカフェ」と呼び、認知症になる前の段階から出逢える場所としているそうです。素敵ですね。
当圏域でも、それぞれのカラーを持った認知症カフェが早く開催されることを願います。