「こないだ利用者様から話されたんです、『自宅で心筋梗塞で倒れて救急車で運ばれた時にね、胸が苦しくて口はきけないし、体は動かない、目の前は暗くなってきている。ああ、とうとう私は死ぬのだなって思ったの。案外冷静だった。でも、たった一つだけ残念だったのは、もうあなたに会えないのだということ。それを、救急車の中で考えてた。あなたには長いことお世話になってきたから。思いがけずこうしてまた会えたので、今日言っておきます。あら、なんだかプロポーズみたいになっちゃったわね。』と。嬉しかったし、男女に関係なく、相手からほんとうの、本当の気持ちをいただくことがはたして一生に何回あるか考えると、背筋が伸びるような思いがしました。」
この回は、自分が書いたものの中でとても気に入っている話です。ありがとうございます。