玄関ドアを開けると、僕が立っていた。
しばらくだね、上がっていいかい?
もちろん。
こんなトコ住んでるんだ?
うん、けせもいへ帰ってきてからまもなく、建てたんだ。閑静なところで、物足りないよ。
そうか。今は何してた?
仕事?社会福祉法人の理事長職をね、やってたよ。
ふーん、意外だね。
だろ?いろいろあったんだ。きみは?というか、あっちでの僕は?
こちらもいろいろあってね、聞いてるだろ、会社が外資に買われたのは。
うん、イギリスの会社ね。そのあと日本の投資会社に。あれは少し憤慨したよ。
だろ?同僚たちはほとんどがその二度の買収の際に辞めてしまってさ、僕も右倣えで退職した。
へええ!じゃあ、そのあとどうしたのさ。
ほら、僕は宅建の資格を持っていただろ、それで、思い切って不動産屋を始めたんだ、三軒茶屋で。
いやー、思い切ったね。でも古本屋じゃなくてよかった(笑)
うん、それがね、続きがあって、開業してから5年ほど立ったある日、売り物件の仲介を頼まれて、見に行ったらまだ営業中の小さなデイサービスで、なんだかやたら楽しそうなんだよ、そのうちに、あれは気の迷いだったのかもしれないんだけど、これが僕に合ってるんじゃないかと思えてきて、退職金と貯金をはたいて、翌日その物件を買ったんだ。
ええっ?
そう(笑)そこからまた一生懸命働いて、事業所を増やして、僕も今は社会福祉法人の理事長さ。
...結局、僕はどうやってもこの職業だったってわけか、、。
それはそうさ、僕はきみで、きみは僕なのだもの、思考回路も能力の限界も、同じだよ。
それ、慰めになってない気がするなあ。
ははは、ゴメンゴメン。じゃあ、そろそろ行くよ。両親を頼みっぱなしで悪かったね。
いいさ、気にするな。あちらでは何かと物入りだろうから。元気で。次に会うのはたぶん、H大付属病院の献体用プールでだね(笑)
ホヤぼーや、可愛いでしょ?
気仙沼市が誇るご当地キャラクターです。
先日、魚市場近くに新しくできたショップコロニーで、「ホヤぼーや焼き」を買いました。
小ぶりの今川焼きです。
中身はつぶあん、クリーム、それにずんだの三種類。
ずんだは甘さ控えめで、豆のお味がよく出ていました。
近くにいらした際は、ぜひぜひどうぞ。
(2019年12月)
「当法人には今、活動車が何台あるでしょう?」
机に向かっているNPO法人なごやか理事長に、私は尋ねた。
60台前後かなあ。顔を上げずに彼は答えた。
「では、そのうちで8004番の活動車は何台でしょう?」
45台くらいかも、と理事長はやっと振り向いた。
本当は52台だ。
「昨日、娘と一緒にドラマを観ていたのですが、その中で高校生の男の子が好きな同級生の名前、ナツミにちなんで723番の車のナンバープレートを撮りためて、7月23日、彼が言うには「ナツミの日」に写真の束をプレゼントするというエピソードがありました。
二人はそのあと10年、交際を続けることになるのですが、男の子はその間も変わらず723号を撮影し続けてきた、と悪友にばらされていました。
理事長も、保有するだけでは飽き足らず、8004号の後ろになったりすると、スマホで撮影していますよね?しかも、8005号にすれ違うと、ハズレくじだ、と舌打ちしたりして。
ドラマのエピソードを上回る熱意で8004番を信じているのですね。」
私は少しだけ皮肉のタッチを言葉に込めた。
理事長は顔を赤らめながら言った、「大震災当日、たまたまなのか必然なのか、僕は8004号と行動を共にした。その後の苦しい日々も。裏切られることもあったし、面罵されることもあった。でも、8004号はいつもかたわらに黙ってたたずんでいてくれた。とても救われたね。だからその末広がりの数字を、これからも信じ続けるのだ。誰がなんと言おうと。」
今年度最初のニューフェイスが届きました。
上中新月地区地区高齢者相談室(LSA)に配備しています。
担当する災害公営住宅入居者様のもとに、末広がりの幸いを運んでくれるといいですね!
今日、今朝からNHKの連続テレビ小説「おかえりモネ」が放送される。
「2014年春、宮城県気仙沼市の離島で育った永浦百音(ももね、清原果耶)は、高校卒業を機に、内陸の登米市の森林組合で見習い職員として働き始める。
ヒロインが登米で青春を過ごす中で、気象予報士の資格を取り上京。民間の気象会社に就職し、天気予報にまつわるさまざまな経験を積み、そこで得た経験をもとに故郷に戻って、人々に貢献する物語」(NHKホームページより抜粋)なのだそう。
気仙沼市は現在どこへ行ってもドラマのポスターが掲示され、盛り上がっています。
ありがとう、NHK。
市民はもちろん、市を出られた方も、きっと懐かしく、誇らしく、故郷を思うことでしょう。
また、震災後、当市にご縁があった方もなかった方も、ご覧になってください。
そして、コロナ禍が去ったら、ぜひ当市へいらして、おいしい海苔やら海の幸をご堪能ください。
※第一週、第二週はおもに登米が舞台だそう。
大島の亀山から気仙沼湾を望む