ニューヨークのパンク・バンド、テレビジョンが1977年にリリースしたデビューアルバム「マーキー・ムーン」の一曲目に収録された「シー・ノー・エヴィル」。
バンドリーダー、トム・ヴァーラインのギター・リフが耳に残る歴史的名曲だ。
それが1995年、元ザ・スペシャルズのテリー・ホールがシングルのボーナストラックとして発表したライブ・バージョンはとてもスケールが大きく、オリジナルとは印象が違っていてかなり驚いた。テリーのカバー曲を選ぶセンスとアレンジはピカ一だと常々感じていたが、このときさらに強く思った。
シー・ノー・エヴィル
オレが欲しいもの、今欲しいものを
最優先で手に入れる
オレは噴水のように飛びたい
跳んで跳んで山を跳び越えたい
オレはすべて理解している(見えない)
オレの破壊衝動を(見えない)
それはとても完璧で(見えない)
オレは、オレは邪悪なものが見えないのだ
アイディアが浮かんだ
ひとつのイメージが
オレはイカすボートが欲しい
そいつの素材は海なんだ
お前の言い分はわかるよ
鋭いじゃない
そのビバップ語り口で
うまいリアクションをくれたね
オレはすべて理解している(見えない)
オレの破壊衝動を(見えない)
それはとても完璧で(見えない)
オレは、オレは邪悪なものが見えないのだ
意識していないことは言わなくていいし
決定的なこともだ
そんなことを口にするなら
オレはこの部屋を出て行く
なぜって、オレは欲しいもの、今欲しいものを
最優先で手に入れるのだ
オレはすべて理解している(見えない)
オレの破壊衝動を(見えない)
それはとても完璧で(見えない)
オレは、オレは邪悪なものが見えないのだ
オレは愛する者とワイルドに走りたいだけ(見えない)
オレは愛する者とクレイジーになりたいだけ(見えない)
オレは愛する者とダンスし続けたいだけ(見えない)
愛する者の感覚をコントロールして(見えない)
愛する者の感情を刺激して(見えない)
愛する者と融け合って(見えない)
一緒に未来を引きずり降ろせ(見えない)
see no evil
What I want, I want now
And it′s a whole lot more than "anyhow"
I want to fly, fly a fountain
I want to jump, jump, jump, jump a mountain
chorus
I understand all (I see no)
Destructive urges (I see no)
But it seems so perfect (I see no)
I see, I see no evil
verse
I get ideas, I get a notion
I want a nice little boat made out of ocean
I get your point, you're so sharp
Getting good reactions with your "BeBo" talk
chorus
I understand all (I see no)
Destructive urges (I see no)
It seems so perfect (I see no)
I see, I see no evil
verse
Don′t say "unconscious", no, don't say "doom"
Well, if you got to say it, oh, let me leave this room
'Cause what I want, I want now
And it′s a whole lot more than "anyhow", get it?
chorus
I understand all (I see no)
Destructive urges (I see no)
But it seems so perfect (I see no)
I see, I see no evil
bridge
I′m running wild with the one I love (I see no evil)
I'm going crazy with the one I love (I see no evil)
I keep on dancing with the one I love (I see no evil)
You control the feelings of the one you love (I see no evil)
You control the feelings of the one you love (I see no evil)
You can feed the fires of the one you love (I see no evil)
You combine fusion with the one you love (I see no evil)
Pull down the future with the one you love (I see no evil)
outro
You pull down the future with the one you love (I see no evil)
You pull down the future with the one you love (I see no evil)
You pull down the future with the one you love (I see no evil)
You pull down the future with the one you love (I see no evil)
You pull down the future-
1月30日(現地時間)、マリアンヌ・フェイスフルの訃報に接した。享年78歳。
僕の生涯の自慢は、1990年6月、初来日を果たしたマリアンヌへバラの花束を渡し、その際にステージ上から頬にキスをもらったことだ。
涙あふれて(ジャガー/リチャーズ/オールダム)
いつもの夕暮れ時
私は腰をおろし 子どもたちが遊ぶのを眺めている
笑顔が目に映るけれど
それは私に向けられたものではない
座って眺める私の目から 涙があふれる
お金ですべてが買えるわけではない
子どもたちの歌声が聴きたいけれど
聞えてくるのは
雨が地面に降りそそぐ音だけ
座って眺める私の目から 涙があふれる
いつもの夕暮れ時
私は腰をおろし 子どもたちが遊ぶのを眺めている
私が昔していたことも
子供たちには目新しいこと
座って眺める私の目から 涙があふれる
「涙あふれて」は当時18歳だった彼女のデビュー曲(1964年)。
のちに恋に落ちるミック・ジャガーが提供した佳曲である。
その後の波乱に満ちた生涯を懸命に生き抜いた彼女に対し、謹んで哀悼の誠を捧げる。
ジャン・リュック・ゴダール監督の「メイド・イン・USA」(1966年)に出演、アカペラで披露している。
as tears go by
It is the evening of the day
I sit and watch the children play
Smiling faces I can see
But not for me
I sit and watch as tears go by
My riches can't buy everything
I want to hear the children sing
All I hear is the sound
Of rain falling on the ground
I sit and watch as tears go by
It is the evening of the day
I sit and watch the children play
Doing things I used to do
They think are new
I sit and watch as tears go by
Hmm, hmm, hmm, hmm, hmm....
1963年、「ビー・マイ・ベイビー」などの大ヒットにより、弱冠23歳にして売れっ子プロデューサーにのし上がったフィル・スペクターは、当時としては非常に斬新なアイディアを実行に移す。
自分が抱える人気アーティスト4組によるクリスマスソングのカバー集「ア・クリスマス・ギフト・フォー・ユー・フロム・フィル・スペクター」である。
「ウォール・オブ・サウンド」と呼ばれた彼独特の録音技法を用い、クリスマスソングの名曲へ「ビー・マイ・ベイビー」、「ダ・ドゥ・ロン・ロン」、「キッスでダウン」など4組のヒット曲を想起させる大胆なアレンジを施した一種のコンセプト・アルバムで、誰もがこの企画は大ヒット間違いなしと見ていた。
約8か月という異例の製作期間を費やし、ヒットシングルの収益のほとんどを製作費としてつぎ込んだこのアルバムは63年11月にリリースされたが、大コケしてしまう。
奇しくも発売日と重なったケネディ大統領暗殺事件とその後の自粛ムードに原因を求める音楽評論家は多いが、本当のところはわからない。
ともあれ、ロケットのように急上昇していたスペクターのキャリアはこれを境に減速し、ビートルズなどイギリス勢のアメリカ侵攻によってとどめを刺されることになる。
けれども、このクリスマス・アルバムは長い時間を経て名盤中の名盤との評価を得て、60年以上たった今なお、世界中で愛聴されている。
今年のクリスマスも、きっと何万人というひとがこのアルバムと出会うことだろう。
1曲目の、ダーレン・ラブがソウルフルに歌う「ホワイト・クリスマス」は、いつ聴いても飛び切りのワクワク感をもたらしてくれる。
ダーレン・ラブはその後、大ヒットした映画「リーサル・ウエポン」シリーズでミセス・マータフを演じている。
第一作目は特に、いつ歌い出すかとハラハラしたものだ。
マータフ刑事(ダニー・グローバー)と。
サロン・ミュージックの「シー・エミリー・プレイ」(1984年)はよく聴いた。
チロリアンやエスニックな衣装がとてもチャーミングだった男女デュオ。
この曲が収録されたセカンドアルバム「ラ・パロマ・ショウ」は高橋幸宏との共同プロデュースだった。
オリジナルはピンク・フロイドの初期シングル曲「エミリーはプレイ・ガール」(1967年)で、デビッド・ボウイも全曲カバーアルバム「ピンナップス」(1973年)で取り上げている。
歌詞の書き出しはさすが天才シド・バレット、見事な筆致だ。
Emily tries but misunderstands
She’s often inclined to borrow somebody’s dreams ‘til tomorrow
エミリーはトライするけど取り違えの繰り返し
よく他人の夢を明日まで借りたがる
There is no other day
Let’s try it another way
You’ll lose your mind and play
Free games for May
See Emily play
でも別の日なんてないわけだから
違うやり方でトライしようよ
正気を失うかもしれないけど
5月のフリーゲームを楽しんで
ほらエミリーのさまを見てよ
「ハモンド・ソング」は、ニュージャージー出身の三姉妹ザ・ローチェスのファースト・アルバム(1979年発表)に収録されている。
アルバムのプロデュースはキング・クリムゾンのロバート・フリップだが、全編アコースティック・ギター中心の、素朴なフォーク調の作品だ。
唯一、「ハモンド・ソング」では名手フリップがギターソロを弾いていて、本当に美しい名曲となっている。
ザ・ローチェスを知らなかった僕は、20歳のころに友達から教わった。
いい曲でしょ、と言うのでそうだね、と答えると、彼女はその場で歌詞を訳してみせた。
やっぱり都会の女のコはセンスが違うな、とひどく感心したのだが、その後、自分が敬愛してやまないテリー・ホールが1985年にカバーして、二度驚いた。
久しぶりに僕も訳してみる。
ハモンド・ソング
あなたがもしハモンドへ行ったら
二度と戻ってこないでしょうよ
私が思うに
あなた間違ってる
もちろん私たちはあなたが大好きだけど
それとこれとは別
あのひとと行くつもりなら
私たちのことは忘れて
私が思う限りだと
あなたまるで
自分自身を放り投げているみたい
トライしようともせずに
ねえ、あなた嘘ついてるでしょ?
そう、私もハモンドへ行ったことがある
好き勝手にね
私だけじゃないの
この病にかかっちゃうのは
現実を直視してよ
見栄を張っている自分を
私たちはバラバラになってしまう
学校を辞めたりしなければ
うまく行っていたろうに
馬鹿な真似はやめてよ
私のこの歌を
分かってもらえるかな
いつか将来
また私たちは会えるっていうけど
いつか将来ってどこ?
大丈夫って私に言ってくれない?
あなたがもしハモンドへ行ったら
二度と戻ってこないでしょうよ