「先週末に息子の大学で開催された、父兄向けの面談会に行ってきた。
あらかじめ予約したうえで父兄が、ふだんの学生生活や、成績、就職など、ジャンル別に担当職員と面談する形式で、僕は就職に関して申し込んだ。親バカここに極まれり、だよね。
当日行ってみると、一コマ約30分ずつの割り当てに50組ほどが待っていた。夫婦でいらしている方も多かった。
順番が回ってきた。
福祉系の大学に来て素人を装うのも相手に失礼な気がして、迷った末に名刺を出すことにした。
担当職員はそれをしげしげと見つめて言った、理事長さん、本学に御社の求人票を出していただいていたでしょうか?もし未だでしたら、書式をお渡しいたしますのでぜひ。
いえいえいえ、今日はそういう話ではなく、(三年次での)インターンシップのエントリー方法や、入社試験対策などをお聞きしに来たわけで。
いつになくヘドモドしてしまっていた。
それが今日、当法人が運営する在宅介護支援センターに大学から実習生受け入れの依頼文書が届いた。
実習希望の学生さんは地元出身の男の子で、学籍番号から推察するに息子と同じクラスだ。
実習やインターンシップは、依頼文書こそ大学から発出されるものの、受け入れ先は学生自身が主体的に探すことになっています、というのが面談会での説明だった、、、。」
リサイクル、リユースはひと手間かかる作業ですが、省資源とごみの少量化という観点から皆が日常的に心がけて行なって行かなければなりません。
当法人でも、個人情報やデータ流失に注意を払いながら、古封筒を再利用したり、書類をシュレッダーに掛ける前に一定の大きさの余白部分はメモ用紙として切り取るなど、さまざまな工夫がなされています。
ところで、家庭用・業務用を問わず、洗剤やシャンプー等の容器の詰め替えが主流になっていますが、デイサービスの実地指導の際には詰め替え時の容器の清掃状況や、(容器に元々記された)使用期限が切れていないかなどを尋ねられることがあります。後者の場合は詰め替えた日付をマジックで直接容器に記入しておけばいい、とのアドバイスをいただいています。
滋賀県大津市の老舗和菓子店、叶 匠寿庵の包装紙は、表には額田王や大海人皇子(天武天皇)の和歌が、裏には封筒に再利用できるよう枠線が印刷されています。そのこころばえと洒落っ気に、感心することしきりです。
NPO法人なごやか理事長にまた図々しくせがんで、アルファヴィルのオーナーとIさん、私は昭和20年代の創業という老舗割烹へ出掛けた。
玄関で靴を脱ぎ、自分で下足箱に入れてから仲居さんの案内で二階に上がると、「蔵王」、「吾妻」など東北の名山の名を冠した個室が並んでいる。
古い一棟ビルだが中は明るく改装されており雰囲気はとても上品だ。
床の間つきの広い個室には高級感が漂っていた。
接待や密談用だね、と女三人で顔を見合わせた。
年配の仲居さんは理事長が下足箱の前で立ち止まっていたのが気になったらしく、なにかお気づきになられましたか、と尋ねた。
好みの番号がないかと思ってね、と彼は88番の札をかざした。
ああ、末広がりでございますか。
お姐さん、よくわかっている、と理事長は愉快そうに笑った。
この夜のお料理も美味しかった。
先付のウニ豆富から始まって、コースの〆は冷やしたゴマだれの丸森米麺だった。
理事長はオーナーを床の間の前に着かせたので、当然のことながら料理はすべて上座から順に配膳され、彼女を一層気まり悪がらせていた。それもまた楽しかったのだが。
先日の料亭同様、会計は席で済ませるシステム。
理事長はお釣りを受け取ると千円札を二枚、すばやく畳んで仲居さんの手の中にすべり込ませた。
またいらしてくださいね、と繰り返し言いながら、彼女は私たちの姿が見えなくなるまで玄関先で見送ってくれた。
ストロベリームーンと言われてもなじみは薄いが、いいネーミングだ。外に出て見上げると遠くにぽつんと満月が浮かんでいた。
朝日影にほへる山に照る月の飽かざる君を山越しに置きて
(訳:朝日が射す山の端にまだ照る月のように、いくら見ても飽きることのないきみを山の向うに残していくことになって。)
「万葉集」より、田部櫟子(たべのいちいこ)が大和から大宰府に赴任する際、女官の舎人吉年(とねりのきね)との今生の別れを惜しんで詠み交した歌の一つとされている。万感の思いが胸に迫る、いい歌だ。
事業所管理者を務めているやまねこデイサービスが公休日の私は、また喫茶店アルファヴィルのカウンターの中にいた。
上司のNPO法人なごやか理事長も、カウンターの端に座っている。
なぜ公休日まで職員と顔を合わせなければならないのだ、とオーナーに向かってしきりにこぼしているが、目は笑っている。
そこへIさんが入ってきた。
有給休暇を取り、弘前の実家へ3日ほど帰省するそうで、いつもの黒づくめではなく、淡いピンクの半そでシャツにチェックのサブリナパンツを合わせて、とても爽やかないでたちだ。
お気をつけて、とオーナーが声を掛けた。
すると理事長がスツール椅子からとんと降りた。
ちょうどよかった、実家にこれを持って行くといい。
この街が誇れる、とっておきの逸品の海苔だ。
きみにはこないだ「青天の霹靂 米日記」(駅弁)をいただいたから。
あれはおいしかったなあ、、いやいや、これは謎かけじゃないからね。
じゃあ、気をつけて。お父さん、お母さんによろしく。
私はその短いやり取りを見ていて思った、私たちは守られている、しかも、自分たちばかりでなく家族も。