ミューズの声聞こゆ

なごみと素敵を探して
In search of lovable

このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。

大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。 また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。

刺激

2024年08月30日 | 日記

 先日の東京行は、土地勘がもう鈍り切っていて、だいぶ無駄に歩いたことでかなりの自己嫌悪を感じたけれど、最終日は荷物持ちに連れて行った息子と、銀座のはずれにある古いビルを一棟改装した、イタリアンのお店で昼のプリフィクス・コース(メイン一品)を食べ、建物・料理ともにとても満足した。

正面ドアから入ると奥に鮮やかなブルーのタイルで装飾された大きなピザ釜が据え置かれているのが目に飛び込んできて、のっけから期待が高まる。

1階から4階までそれぞれでキャッシュレス会計が済ませられ、一方で料理はダムエレベーターで調理場から運ばれてくるのか、配置された店員さんが少ない割に効率よく、きびきびとフロアが回っている。

なんの業種でも、繁盛店っていいものだね、と思わず口に出してしまった。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

納涼祭

2024年08月26日 | なごみ

 グループホームぽらん気仙沼で催された納涼祭の、準備の真最中にお邪魔しました。

この日も外はまだ殺人的な猛暑です。

空調の効いた屋内でひとしきりゲームなど楽しんだあとは、

 

 

 

職員さんたちの心づくしのバーベキューに舌鼓を打って。

秋が待ち遠しいですね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

資格更新

2024年08月23日 | 日記

 5年に一度の資格更新にかかる研修を受講した。

前回、次こそないなと思っていたのが、5年は確実にやってくるものなのだな。

新しくいただいた資格者証の中でニヤニヤ笑っている僕のドッペルゲンガーの写真にも、だいぶ老いの影が差している。

 会場は県都センダード市国際センターの会議棟で、朝9時から夕方5時前まで6時限びっしり。

この日は100名弱の受講者だったが、みな日々の業務の合間を縫っての出席なので、短い休憩時間中に携帯電話で忙しそうにあちこち連絡する姿が目立った。

もちろん、僕もその中の一人だ。

この資格をフルに活用して、僕はさまざまな物件・案件を手掛けた。けれども、皮肉なことに、最も大きな案件は現在の仕事に就いてからで、資格とは無関係だった。つくづく、ヘンな人生だな、と感じている。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ジーナ・ローランズ

2024年08月20日 | 日記

 ジーナ・ローランズが亡くなった。94歳だという。

彼女について語る時、「存命中の最高の女優」というのが僕の常とう句で賛辞だったが、これからは、「過去も、また未来においても、最高の女優」と表現しようか。

夫であり、名優・名監督の故ジョン・カサヴェテスをよく支え、彼のほとんどの作品に主演した。

日本で最も有名な作品は「グロリア」(1980年)。

自身の企画ではなく雇われ監督として嫌々本作を撮っていたカサヴェテスにインスピレーションを与え続けたことで、奇跡的に傑作となっている。

衣裳はカサヴェテスが彼女のために選んだエマニュエル・ウンガロのもの。

テロンとした質感とビビッドな色使いがとても印象的だ。

 

 

 

 

 

 

若かりし夫妻

 

自宅のスタジオにて

 

カサヴェテスは自作の製作費の捻出のため、ローランズはその夫を支えるため、時にトンデモアクション映画や珍作テレビドラマなどにも出演した。

例えば「愛と栄光への日々/ライト・オブ・デイ」(1987年)ではあろうことかマイケル・J・フォックスとジョーン・ジェット姉弟の母親役を演じている。

 

 

カサヴェテスのバイト作品はたくさんあるが、やさぐれたSWAT隊長を好演した(左)「パニック・イン・スタジアム」(1976年)はパニック大作映画。ローランズも出演している。

 

最高の上の最高の映画「オープニング・ナイト」(1977年)。

日本での劇場公開は1990年で、終映後しばらくの間僕は膝が震えて席から立ち上がれなかった。

 

 

 

劇中劇のリハーサルシーン。共演俳優役は(監督でもある)カサヴェテス(左)だ。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

さらばドロン

2024年08月18日 | フランス映画

 

 

 井浦「けせもい市からまいりました井浦と申します。映画祭のゲストなど、おこがましく、集客にも全く役立たないのですが、ご指名いただいたことはとても光栄に感じていますので、今日はこの「太陽がいっぱい」に主演しているアラン・ドロンに私が会ったトンデモツアーについてなど、お話させていただこうと思っています。」

 本庄 ありがとうございます。では、まず「太陽がいっぱい」との出会いについて教えていただけますか。

 井浦「月並みですが、最初はテレビで観ました。私が十代の頃はNHKで日曜午後に『世界名作劇場』というタイトルだったと思いますが、「駅馬車」や「荒野の決闘」「野いちご」などが繰り返し放映されていました。その中の一本としてです。」

 本庄 なるほど。その時に見たアラン・ドロンや映画の印象はいかがだったでしょうか。

 井浦「初期のアラン・ドロンはとてもきれいですよね。60年代中期になるとアメリカ映画出演での挫折やスキャンダルがあったりで、男っぽく変わって行きますが、若いころは端正なハンサムというイメージです。映画は南イタリアが舞台なのですべてがまぶしく、日本人の生活、日常とはかけ離れていて、まさに別世界という印象です。それは年齢を重ねた今も変わりません。」

 本庄 「太陽がいっぱい」におけるアラン・ドロンの魅力はどんなところでしょうか。

 井浦「一応サスペンス映画なのですが、トム・リプレーがやり過ぎたり、抜けていたり、逆にそれで感情移入してハラハラさせられます。そのうちに、彼が好きになってしまうのでしょう。」

 本庄 一番好きなシーン、忘れられないシーンはどこですか。

 井浦「ドロンで言えば、オーバーヘッド・プロジェクタ(投射機)と製図用拡大器を使ってサインを練習するシーンは大好きです。それから、マリー・ラフォレがギターを持っているシーンはとてもチャーミングですね。」

 本庄 それ以外にアラン・ドロン作品では、どれが好きですか。

 井浦「ミケランジェロ・アントニオーニ監督の「太陽はひとりぼっち」は白黒で陰影に富んだ映像です。ドロンはモニカ・ヴィッティの相手役として「受け」の演技が素敵でした。あとはやっぱり「冒険者たち」、「さらば友よ」ですね。」

 本庄 それではそんなアラン・ドロンに会った時のことを伺いたいのですが、どんな経緯で実現したんでしょうか。

 井浦「1991年のことです。80年代のバブルのなごりでしょう、大手旅行業者が企画した、パリでアラン・ドロンに会うだったり、ローマでジュリアーノ・ジェンマに会うだったり、そんなトンデモツアーがまだ存在していました。でもドル箱企画だったようですよ。」

 本庄 ツアーは具体的にどんな内容だったのですか。

 井浦「8日間でローマ、ロンドン、パリの3都市を巡り、パリの日航ホテルの大ホールでアラン・ドロンのワンマンショーを観るという内容でした。あとで気がついたのですが、3都市を逆回りするツアーもあって、つまり3本分のツアー客が日航ホテルで集合するという、非常に効率の良い企画だと感心しました。」 

 本庄 アラン・ドロンに対面したのはどんな状況でしたか。

 井浦「そのショーを観た後、いくつかの班に分かれて記念撮影するという流れです。」

 本庄 実際に会ったアラン・ドロンはどんな人でしたか。

 井浦「私は身長185センチの大男ですが、ドロンも180センチを超えていて押し出しがよく、酒やけなのか精悍な顔つきで、とにかく圧倒されました。」

 本庄 何か会話したり、サインをもらったり、プレゼントを渡したり、ということはなかったんですか。

 井浦「プレゼントを渡している女性もいましたが、私は握手だけです。それが、握力が強くてびっくりしました。その力をこめた握手に、日本人と外国人の行動様式の違いを気づかされて、一層忘れられないものになりました。」

 本庄 井浦さんにとってアラン・ドロンはどんな存在なのでしょう。

 井浦「映画の入り口、ガイドです。彼を通して、ビスコンティやロベール・アンリコ、ジョゼ・ジョバンニといった監督や作家、それにマリー・ラフォレやマリアンヌ・フェイスフルなどの女優たちを知りました。恩人みたいなものです(笑)」

 本庄 ほかにどんな映画が好きですか。井浦さんは、これまでどんなシネマライフを送ってきたんでしょうか。

 井浦「私は今も昔も映画小僧です。しかもミーハーな。西部劇や戦争映画から入って、ドロンとベルモンドのガイドでフランス映画へ足を踏み入れました。

 好きな映画を尋ねられてすぐに頭に浮かぶのは、トリュフォーの「隣の女」です。それから、まったく毛色が違うのですが、キャロル・リードの「文化果つるところ」、「マイ・フェア・レディ」のオリジナルに当たる「ピグマリオン」、オーソン・ウエルズのシェイクスピア作品など、原作ありの映画を好む傾向はあると感じています。

 本庄 ほかに好きな俳優、監督を教えてください。

 井浦「この作品に出ているモーリス・ロネとマリー・ラフォレも私には特別な俳優です。監督は、なんといってもマーティン・スコセッシですね。」

 本庄 この石巻名画座では皆さんに喜んでいただける作品を上映したいと思っているのですが、何かおすすめの映画がありましたら教えてください。

 井浦「ぜひドロンの「冒険者たち」をお願いします。あるいは、この「太陽がいっぱい」のリメイクに当たる「リプリー」、もしくは、同じパトリシア・ハイスミス原作でヒチコック監督の「見知らぬ乗客」もいいですね。映画はしりとりのようなもので、俳優で観る、監督で観る、を繰り返しているうちに詳しくなって行く、と私は考えています。」

(2023年6月)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする