ある時思い立って、そばをきれいに(粋に)食べる心掛けを始めました。
割り箸をきれいに割ろうと思ったのと同時期です。
理想は、高座での噺家の食べるしぐさ。
あれを見て観客が無性に食べたくなれば、真打だと評する方もいますよね。
出張など、一人での外食はほとんどがそばで、一日昼夜二食の時もあります。
たいていの場合、お店は券売機があるような、カウンターのみの狭い立ち食いそば屋です。
ざるそば、あるいはもりそばが出てきたら割り箸をパチンときれいに割り、まずつゆをつけずにそばだけ何本か食べる。
それからおもむろにつゆへ三分づけして黙々と食べるのですが、一すくいの分量は8本程度がいいですね。
それを音を立てながら2、3回ですすり上げる。
わさびはつゆには入れず、箸の先につけて食べる。
皿の中のそばは一本も残さずに食べる。
切れはしは、箸を立てるとつかみやすいでしょう。
立ち食いそば屋でも、そば湯を置いている店は増えています。
こちらはゆっくり味わいましょう。
精進?の甲斐あって、現在は自分が満足の行くレベルまで上達しています。
先日のことです、隣りで食べていたオジサンが、ごちそうさま、と空いた皿をカウンターの一段上へ下膳すると、手元にあった台拭きで当たり前のようにカウンターを一拭きしてからすっと店を出て行きました。
立つ鳥跡を濁さず。粋ですね。
本年も大変お世話になりました。
おかげさまで、この一年も無事終えることができそうです。
本年中に賜りましたご支援やご厚情に対しまして、改めて御礼申し上げますとともに、皆様がまた末広がりの幸い多い新年を迎えられますよう心よりお祈り申し上げます。
ありがとうございました。
引き続き、当法人をどうぞよろしくお願いいたします。
特定非営利活動法人なごみ
「大男ってなんだか悲しい。いや、滑稽だ。大男の僕自身が言うのだから間違いない。笑いの種にならないよう、常に身を置く場面を慎重に選ぶ必要がある。なんて無駄な労力だろう。
たとえば学生食堂のオバちゃん。必ずと言っていいほど、大盛りのどんぶり飯を手渡してきた。さらに、僕からの感謝の言葉を待っている。いやいや、僕は大食漢じゃないから。僕が大男なのは、単に遺伝なの。誰だ、玄関で僕の靴の中に子供のズックを入れたのは。こんなシューキーパー要らないよ。いたたた、首を縮めたのに、額を鴨居にぶつけてしまった。だから和室は嫌なんだ。
6尺超の大男だったという祖父の棺を特注したことを祖母は生涯の自慢にしていたけれど、当時は火葬の火力が弱くて、骨壺一つに収まらず、残りを段ボール箱に入れたそう。それを聞いて、内心震え上がった。いまでも心配。お願いだから、僕は最新の設備でしっかり焼き上げて、一個分にしてほしい。」
「仕事柄さまざまな文書や文章を作成してきたけれど、今年は初めてのものにチャレンジした。
毎年この時期になると、本市では地域医療委員会から医療・福祉関係者の功労表彰の推薦依頼が郵送で届く。
会の性質上、医療従事者が多く、また当法人は設立してまだ日が浅かったことから、毎年スルーしていたのだが、今年度は還暦を迎え、さらに勤続10年(その前に他法人で26年)のベテラン職員を推薦しようと思い立った。
上級職員の研修受講にかかる推薦文などは数えきれないほど書いてはいるものの、表彰となると初めてで、必要以上に力を込めて書いた。
それでも、結果が出るまでの一か月は、少々落ち着かなかったね。
決定通知が届いた時は、我が事のように嬉しかった。
地元紙に先日掲載された被表彰者14名の一覧を見ると、医療従事者が12名、介護職は2名。
もう一人の方は毎年度指定席?の市社協職員だ。
今夜、ホテルで開催される表彰式には、構成団体の一つの長として僕も招かれているので、当該職員と喜びを分かち合おうと思う。
この件では、自分が書いたもので相手に誇りとねぎらいを贈ることができた。
これからも、文章の持つ力を信じて、いいもの、納得するものを書いて行きたい。」
主な登場人物:
私(高梨) なめとこデイサービスの管理者
NPO法人なごやか理事長(井浦) 自称ソーシャル・アントレプレナー(社会起業家)
Y管理者 グループホーム虔十の管理者
オーナー 喫茶店アルファヴィルの女性経営者
千珠(姫) ざしき童子
ミス・エイスワンダー なごやかOGで、グループホームジョバンニの第2代管理者
Iさん アルファヴィルのパート店員。平日は個人病院の事務職で、ダブルワーク。
T管理者 グループホームジョバンニの現管理者。理事長より少し年長の同年代。
メドゥーサ S市の研究機関職員。理事長の心を読んで震え上がらせた。
S常務理事 老健エーデルワイスを率いる、なごやか理事長の最大のライバル
橋立課長 社会福祉法人市民協力会の上級職員。Y管理者の元上司で、現在の上司のなごやか理事長が一方的に敵視している。
なごやかサーガは、東日本大震災の傷跡がまだ癒えずに残る宮城県沿岸部のK市を舞台に、事業型NPOの介護サービス事業所で起こる日常のトラジコメディを綴っています。今後の展開もどうぞお楽しみに。