はじめに書いておく、芸能人の小泉今日子さん(55歳)に興味は全く無い。昔、何だか小賢しい売り方しているなあと思った。最近の政治的発言で、やっとこういう人が出てきたなあの印象。この『小泉今日子 書評集』は、図書館から借りた3冊の読書論の1つ、書棚で「私を持ち帰ってみて」と呟いていたオマケの1冊。
はじめに書いておく(笑)、この本は意外にもとても素敵(笑)。書評を通した自己開示、選んだ言葉で綴るエッセー。何より文体が快い。キリリとしまった短い文章、実に波風好み。読売新聞掲載の10年間分(2005~2014年)。「本を読むのが好きになったのは、読んでいる人には声をかけにくいのではないかと思ったからだった。忙しかった10代の頃、人と話をするのも億劫・・・ふて腐れた態度をとる勇気もなかった・・・無理して笑顔を作る根性も無かった・・・どうか私に話しかけないで下さい。そんな張り紙代わりの本だった・・・」(「はじめに」)で、小泉氏の境遇というか立場をさもありなんと想像。「たくさんの本に出会った。(書評を)読み返すとその時々の悩みや不安や関心を露呈してしまっているようで少し恥ずかしい。でも、生きることは恥ずかしいことなのだ。私は今日も元気に生きている。」(「同」)で作者の真っ直ぐさ感じた。
紹介している97冊は、小説や童話、随筆、詩集、対談など多彩。最後が読書交流会でも紹介されたマンガ『逢沢りく』(ほしよりこ作:文春文庫)。人前でしか泣けない14歳の主人公りくと無力だった自分を重ねながら、「人の温かさに触れた時、人前だろうと1人だろうと、うわ-んと大きな声で心から泣けたなら、それは大人になるための二度目の産声かも知れない。」と終える。そして号泣したと書く。たくさんの困難に出逢いながら生き抜いてきただろう対応力・賢さ考える。そういえばこの方、不倫の人と言われていたなあ。こういうのやっぱりどうでもよいことだなあ。
3年目になる読書交流会(『ほんのおつきあい』)、読書感想という書評を聞きあう楽しさをあらためて確認 ママヨさんに「今日は11月22日、ご馳走とかプレゼント交換とか・・・・そういうの無いよね?」と訊ねたら「全くありません」。久しぶりにウドンをしみじみと踏んで作る図書館から借りた本は若松英輔著『本を読めなくなった人の為の読書論』と、池内紀著『すごいトシヨリBOOK』。この作家たちも当然楽しみ。