波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

第10回「ほんのおつきあい」全記録(抄) 中

2019年07月12日 | 読書


 (前回の「上」から続く)

KK(女) 恋愛小説読もうと、角田光代著『愛がなんだ』、山本史文緒著『恋愛中毒』。どうしょうもない男性に執着する女性の「怖い気持ち」は共感できないが、日常にはあり得ない「もしかしたら自分にも」という非日常の世界を小説が。おすすめは『楽園』上下(宮部みゆき著:文春文庫)。連続殺人事件扱った『模倣犯』の続編、4日で読む(笑)。12歳で亡くなった息子の不思議な力(人の記憶を絵にする)を手繰っていく中で描かれる親子の愛憎と形、消すことのできない自分の過去、その果てにある『楽園』とは。前回からの読書交流参加で、読書を意識する読み方に変わってきた。

ママヨさん 前回交流の『身近な雑草の愉快な生き方』(稲垣栄洋、三上修著:ちくま文庫)に続き、今回は『植物は不思議が一杯』(春田俊郎著:PHP文庫)。世界は、生産者(植物)と消費者(動物)と分解者(バクテリア)で構成されている、おおもとの光合成は科学がいくら発達しても人工化できないという指摘にはっとした。生殖器官としての花が美しいのは、生き延びるため虫に対する必死の努力という言葉も心に残った。小さな畑で花を育てているが、こうした情報で草木や花をより身近に感じる。

波風立男 やっと読了できた福岡伸一著『動的平衡』(小学館新書)と続編の2冊、前回話題になった『コンビニ人間』、象徴的な人間像に嫌悪感を突き抜けた「ありうるな」の感情。おすすめは『命』(柳美里著:小学館)。先月のTVで見た著者がそれまでの印象(辟易する強烈な個性で遠ざけていた作家)と違う菩薩様みたいな雰囲気、あの福島県南相馬市で本屋さん開店の動機を知り、本書購入。内容以上に、生きることと書くことが一体の人種(小説家)に驚き続けた。(次回「下」は、参加者からの質問「なぜ本を読むのか?」と「女性の一人歩きは本当に怖いのか?」に対する意見)


画像は、版画と文『蕗採りの記』(宝賀寿子作:はるひろ社)。ハガキ大で全44頁、北海道の海山の幸、文字も木版画で。作者28歳の時の1978年出版。稚内出身、後年道展で活躍。SNサンが義母の遺品として見せてくれた。

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