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電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ブックオフで見付けた音楽CDなど

2005年10月29日 22時24分00秒 | クラシック音楽
夕方から、単身赴任した前の職場の同僚とOBたちと懇親会。若い人も多く、盛況だった。楽しく語り合い、夜に帰宅。途中、ブックオフに立ち寄り、本と音楽CDを見付けて購入して来た。
本のほうは、単行本で宮城谷昌光『子産』(上下)、音楽CDは次の4枚。@500 也。
(1)ベートーヴェン/メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲 ジャン=ジャック・カントロフ(Vn)マルバ指揮オランダ室内管弦楽団。
(2)チャイコフスキー/ブルッフ ヴァイオリン協奏曲 石川静(Vn)コシュラー指揮チェコフィル、スーク(Vn)アンチェル指揮チェコフィル
(3)ストラヴィンスキー「春の祭典」「ペトルーシュカ」 コシュラー指揮チェコフィル
(4)チャイコフスキー 交響曲第4番/ベートーヴェン 「エグモント」序曲 ジョージ・セル指揮ロンドン交響楽団
特に、嬉しかったのは(4)だ。デッカの輸入盤のようで、425 972-2 という番号のものである。こういう発見があるから、嬉しい。
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宮部みゆき『孤宿の人』(下巻)を読む

2005年10月29日 12時56分47秒 | 読書
引き手をクビになった宇佐は、英心和尚のもとでお救い寺のボランティア生活。この和尚さん、気骨があり、なかなかの人物だ。涸滝のお屋敷で、ほうは加賀殿のもとでお仕えすることになる。加賀殿に習字と算盤の手習いを受けながら、ほうは「人ではない、悪鬼だ」と恐れられた加賀殿が、実は聡明で心優しい方であることを知る。ほうに優しさを示した石野や同心渡部の死、やがて来るカタストロフのような大騒動。そして雷雨、宇佐の死。法隆寺五重塔ではカマが避雷針の役割をしているが、涸滝のお屋敷ではカマだけが設置されていたと見るべきだろう。最後の場面では泣かされた。劇的な幕切れだ。阿呆のほうが進むべき方角を知り宝となる。エピローグがいい。

さて、と考えてしまう。ルソーをはじめとして、幼児童女の純真無垢さが自明のことのように前提とされるが、はたしてそうか。オオカミに育てられた少女が野生に育ち、愛情の中で育まれた子が優しく育つように、人間らしく遇され、言葉と知識とを吸収するからこそ、人間として成長するのではないか。そうであるなら、不幸なおいたちをした幼女ほうが、物語の始まりで純真無垢に育っていたこと自体、実はすでに奇跡ではないのか。「はだかの王様」と同じで、皆がおびえる鬼のような悪者が実は絶望した善人だとは、無知で無垢なものでなければ知りえない。そこで作者は、不幸な境遇の中でも純真無垢なままに育った愚かな幼女ほうを登場させる。このように設定された最初の人物像の中に、物語としての作為が埋め込まれていると見るべきだろう。
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備忘録を「組織」で検索すると

2005年10月29日 08時59分55秒 | Weblog
1989年より、不定期でテキストファイルに備忘録を記録している。これは、
YYYY/MM/DD 題名 内容~(改行)
という形式で1件1行で記録しているものだ。これを、あるキーワードで検索すると、自分の思考の思いがけない方向性に気づかされる。たとえば、何気なく「組織」というキーワードで検索したら、こんな結果が出てきた。

1994/03/11 単純労働と知的労働 一人で十日間の仕事に十人を投入すれば一日でできる仕事と、一人で十日間の仕事に十人を投入すれば二十日以上かかる仕事の差はどこにあるか。それは、前者が機械的な単純労働であり、後者は知的な創造労働である。人員の配分を主とする組織の変更で対応できるのは、いわば人海戦術の効く単純労働にたいしてであり、後者の知的な創造活動に対しては、組織機構の変更は役に立たない。環境やプロセスの変革を通じて、一人当たりの生産性を飛躍的に向上させることが必要である。そこに、思考を助ける道具としてのパソコンや通信ネットワーク等の情報装置の意味がある。
1999/05/28 組織として仕事をするとは 組織として仕事をするという言葉は、個人の考えや都合によるのではなく、組織としての方向性を優先する、ということが本意であろう。そのためには、組織内での情報の共有と方向性の共通理解が前提である。しかし、情報が共有されず、組織としての方向性が不明確なとき、この言葉は「つべこべいわずに黙って従え」という意味に転化する。情報が共有され、方向性が共通理解されていれば、その組織の構成員は、組織としての仕事に進んで参加し、積極的に貢献しようとするだろうに。
2003/05/10 人間の管理だけで仕事の改善がない 「なぜ日本の企業は客に嫌われても通い続ける営業マンを評価するのか。なぜ奨励金を与えれば営業成績が上向くと信じるのか。なぜだれも読まない営業日報を書くのか。」「日本の企業は、やる気があるかどうか、という人間の管理ばかりで、仕事をどう改善すべきかという本来の管理がない。要はマネジメント、経営者の問題ですよ。」ソフトブレーン会長、宗文州さんの言葉。組織機構の改変より業務のプロセスの改善が重要、という主張に裏付けとなる考え。2003年5月10日付け朝日新聞土曜版"be"より。

ある営業マンにきいた話だが、今は学生アルバイトを斡旋する仕事も、大学から企業に移っているのだとか。企業側がアルバイト募集情報を整理し、一定の条件で検討を加え、提携する大学側に提供する。資金は募集する企業側が出し、大学側は資金を出す必要がない。すると、大学では学生アルバイト募集に関わる事務量が軽減でき、スリム化できるのだという。これなどは、情報化が業務プロセスの改善にとどまらず、組織機構の変化をももたらした実例だろう。多くの組織で個別にやっている定型的な業務を一括して請け負う形を提案すれば、アウトソーシングが成立つ、ということだろう。そして、定形業務を担当していた部門・組織は人員削減となるのだ。

命令に忠実なだけではだめで、組織の将来を考え方向性を示すような自律的な機能がその部門や組織に備わっているかどうかがキーポイントになるのではないか。
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