電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

親戚の結婚披露宴に出席する

2005年10月09日 20時21分24秒 | Weblog
今日は、午後から親戚の結婚披露宴に出席した。黒式服に白ネクタイ姿で公民館に行くと、バスが待っていた。近所の出席者が続々と乗り込み、会場へ。西洋の回廊式の庭園を持つしゃれた所で、伝統的な長持歌によって始まった。だが、現代風に媒酌人はなしで、二人の紹介も司会者がしてくれる。新郎は30代半ば、新婦も30代はじめ、二人とも落ち着いている。待ちに待ったよき日という雰囲気だ。祝辞のあと、乾杯。にぎやかになったところで、しばし丸テーブルの席を離れ、同級生や近所の人々にご機嫌伺いに回る。みなめでたく良かったと喜んでいる。新郎は子どもの頃に父親を亡くし、祖父母と母親の手で育てられた。近所の人も親戚も、みなそのへんの事情をこころえていて、心から祝ってくれている。新婦ははきはきした活発な人のようだ。田舎で暮らす基盤をすでに持っている、いいカップルだ。宴は進み、新郎新婦の挨拶。年齢相応に社会的な経験を積み、型どおりではあるが情感のこもった立派な挨拶だった。

だいぶアルコールが入ったので、家に戻って一休み。お茶がおいしい。こういうときは、モーツァルトでしょう。ギャラントな「フルートとハープのための協奏曲」。良い一日でした。
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ドヴォルザーク「弦楽四重奏曲第10番」を聞く

2005年10月09日 09時40分11秒 | -室内楽
ようやく連休に突入。早起きしてコーヒーをいれ、静かに音楽を聞く。ドヴォルザークの弦楽四重奏曲で、パノハ四重奏団の演奏する第10番変ホ長調作品51である。
第1楽章、変ホ長調、アレグロ・マ・ノン・トロッポ。第1ヴァイオリンがとにかくのびのびと美しく歌う音楽だ。
第2楽章、ト短調、アンダンテ・コン・モート。エレジーアというから悲歌か。佐川吉男氏の解説によると、ドゥムカはウクライナのバラード風の民謡形式だそうだが、あまり舞曲という印象は受けない。むしろ、中声部の響きの活躍に重点が置かれた楽章のように思える。
第3楽章、変ロ長調、アンダンテ・コン・モート。ロマンツァの表記のとおり、ゆったりとしたロマンティックで叙情的な音楽だ。
第4楽章、変ホ長調、アレグロ・アッサイ。メランコリーと活気を併せ持つ、美しいメロディにあふれた終曲だ。
演奏はパノハ四重奏団。解説によれば、この団体は「プラハの春」事件の前年にあたる1967年、第1ヴァイオリンのイジー・パノハら3人がプラハ音楽院の在学中に結成した弦楽トリオが発展したもので、結成はコチアン四重奏団よりも4年ほど古いが、メンバーの年齢としては5~6歳若いのだとか。スメタナ四重奏団の薫陶を受けた、柔らかな表現を見せるいい団体だと思う。
CDは、1985年6月に、Aufnahme Enregistrement で行われたもので、33C37-7910という型番を持つスプラフォン原盤のデジタル録音である。カプリングされた第13番も時折悲劇的な表情を示すなかなかいい曲で、ドヴォルザークの室内楽の楽しみを満喫できる。
参考までに、演奏データを示す。
■パノハ四重奏団
I=10'42" II=7'21" III=6'12" IV=7'05" total=31'22"
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平岩弓枝『御宿かわせみ19・かくれんぼ』を読む

2005年10月09日 07時36分00秒 | -平岩弓技
『御宿かわせみ』シリーズに、強力なキャラクターが新登場。その名は花世ちゃんです。この子、七重と宗太郎の娘で、誰に似たのか、とにかく天真爛漫でおてんば。
初回、第1話「マンドラゴラ(*)奇聞」こそ、宗太郎の独壇場だが、第2話「花世の冒険」はまさしく新強力キャラクターの登場である。宗太郎・七重夫婦に二人目が誕生、大騒ぎの中を花世が「かわせみ」まで単独行を敢行する。途中、子さらいの小屋に勝手にまぎれこみ、抜け出すときも勝手に出て、永代の元締・文吾兵衛に拾われ、「ひげもじゃもじゃ」の親分にすっかり気に入られる。源三郎と東吾が子さらいの一団を御用にして、一件落着。この元締も、なかなか面白いキャラクターで、このあと活躍しそうだ。
第3話「残月」、島帰りの女は、娘を見に来たのだった。再び八丈島に流されるとき、娘もまた母親の愛を感じて泣く。台風で飛行機が飛ばず、私は船で帰りましたが、八丈島はとってもいいところでしたけれどね。
第4話「かくれんぼ」。また花世の活躍、しかも今度は源三郎の長男の源太郎との絶妙の組合せで登場。これはまた、東吾とるいの男女を入れ換えて小さくしたようなコンビだ。しかも、かくれんぼをしていたら隠し部屋で殺人を目撃、どうやら西国の大名と幕閣の密書がからんでいるらしい。まさか小さい花世が「きれいだから持ち出した」とは思わないよなぁ。
第5話「薬研堀の猫」、水面に紐のついた猫の死骸が浮き上がる。あまりぞっとしないが、最後のるいのやきもちが解毒剤の役割を果たすのかも。第6話「江戸の節分」は、要するにネズミ講の被害者の話。第7話「福の湯」、入浴剤で有名な湯屋のお内儀さんは独身を通して来たが、もしかしたら自分もあんな人生を送れたのではないかと、ふと信濃屋の老夫婦がうらやましくなる。だが、穏やかな外見とは異なり、それぞれの人生の辛酸があったのですね。第8話「一ツ目弁財天の殺人」、鬼瓦の悪事をあばく話。
この巻は、とにかく無敵のスーパーキャラクター花世の登場に尽きますね。そうか、花世が可愛く活躍すればするほど、子どものいないるいは寂しくなる。平岩弓枝さんは、そこを狙ってるな。すると、お次はるいの妊娠とか流産とか、そんなような展開になるのか。

(*): マンドラゴラについて
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