電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ルービンシュタインのシューマン「幻想小曲集」を聞く

2006年04月07日 21時21分18秒 | -独奏曲
子どもの大学の入学式に便乗して敢行した熟年夫婦の東京旅行の数少ない成果(?)の1つである、アルトゥール・ルービンシュタイン(Pf)によるシューマンのピアノ作品、「謝肉祭、幻想小曲集」のCD(BMG BVCC-35076)を聞いています。先週から休みなしの生活でしたが、花の金曜日、ようやくほっとしています。
シューマンのピアノ作品の中でも、「謝肉祭」は大のお気に入りの一つですが、週末の夜はもう少しゆったりとした気分で、作品12のピアノによる「幻想小曲集」を聞くことにしたものです。

ルービンシュタインは、「幻想小曲集」を何度も録音しているようで、このCDに録音されているのは、1962年4月および12月に、ニューヨークのマンハッタン・センターで演奏されたものです。
(1) 夕べに 4'06"
(2) 飛翔 3'21"
(3) なぜに? 3'12"
(4) 気まぐれ 3'45"
(5) 夜に 3'48"
(6) 寓話 2'32"
(7) 夢のもつれ 2'30"
(8) 歌の終わり 5'36"
total=28'56"
まず第一印象は、「音が古い!」でした。ねぼけたような低音は、ホールに響く音を重視せず直接音だけをとらえようとした、1960年代初頭の録音思想と技術の制約によるものでしょうか。長くLPで親しんできた、ルービンシュタイン最後の感動的な録音である、1976年の同曲(RVC RVC-2150)と比較しても、低音の鮮度は格段に違うように感じます。
しかし、そんな不満はほんの最初だけ。あとは、見事な演奏に酔うばかりです。LPに収録された1976年のロンドンでの演奏も、total=28'10"となっておりますが、テンポにそれほどの違いは感じられません。
写真は、最初のきっかけとなったFM放送をエアチェックしたカセットテープと、1977年に千葉県で購入したLPです。私には、ヤン・パネンカ(Pf)の「謝肉祭」の演奏とともに、ルービンシュタインの「幻想小曲集」の演奏が、無条件で楽しめる宝物となっています。
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