ひさびさに陽光ふりそそぐ休日の朝、早起きしてコーヒーをいれ、音量ひかえめに音楽CDを聞きました。ジャン・フルネ指揮オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団による「オネゲル作品集」(DENON COCO-70425)です。
私はオネゲルの深刻な交響曲第3番を好んで聞いており、以前記事にした(*)こともあります。
(*):オネゲルの交響曲第3番「典礼風」を聞く
少し前に、Schweitzer_Musikさんが、オネゲルの作品を楽譜つきで詳細に解説(*2)されておられて、興味深く読みました。
(*2):「鎌倉スイス日記」
素人音楽愛好家にすぎない私には、管弦楽法の分析などは「ネコに小判、豚に真珠」の類でしょうが、好きな音楽CDをあらためて取り出して、別の角度から聞くきっかけになるという点で、たいへんありがたいものです。
「ラグビー」「パシフィック231」などの管弦楽の見事さは上記の記事のとおりですが、とくに今回は「コンチェルト・ダ・カメラ」という室内協奏曲がたいへん気に入りました。解説によれば、この音楽、もともとは1948年にバークシャー音楽祭で初演された「フルート、イングリッシュ・ホルンとピアノのための室内ソナタ」が原曲とのこと。これが評判が良いので、作曲者は同年秋に室内協奏曲に書き直したのだそうです。
第1楽章、アレグレット・アマービレ。アマービレという指示はどんな意味なのでしょう。20世紀の音楽らしい、独特の響きを持つ弦楽合奏に始まり、イングリッシュ・ホルンとフルートが軽やかな音楽を奏します。なるほど、室内協奏曲です。しかも、ヴァイオリンとヴィオラならぬ、フルートとイングリッシュ・ホルンのための二重協奏曲。この二つの木管楽器の音色の取り合わせが絶妙です。
第2楽章、アンダンテ。低音弦が重苦しく始まり、フルートとイングリッシュ・ホルンが半音階的な透明なメロディをゆったりと奏します。一種、不思議な音の世界です。
第3楽章、ロンド、ヴィヴァーチェ。一転して、やや速めの活発なロンド。ヴィヴァーチェという指示はあるものの、それほど晴れやかで開放的な気分ではありません。「パシフィック231」等だけを聞けばマッチョ指向(?)の作曲家と思いがちですが、室内楽に近い、なんとも知的な終わりかたです。
それにしても、オネゲルといいプーランクといい、木管楽器の使いかたが実に上手だと感じます。フランス語の発音が、木管楽器みたいなものかもしれません。
1993年、オランダのヒルヴェルスムのミュージック・センターでの明晰で暖かみのあるデジタル録音。ジャン・フルネ指揮の「ラグビー」「パシフィック231」「夏の牧歌」「交響曲第3番 典礼風」などを収録したこのCDは、1枚全部、演奏録音ともにすばらしい内容だと感じます。
私はオネゲルの深刻な交響曲第3番を好んで聞いており、以前記事にした(*)こともあります。
(*):オネゲルの交響曲第3番「典礼風」を聞く
少し前に、Schweitzer_Musikさんが、オネゲルの作品を楽譜つきで詳細に解説(*2)されておられて、興味深く読みました。
(*2):「鎌倉スイス日記」
素人音楽愛好家にすぎない私には、管弦楽法の分析などは「ネコに小判、豚に真珠」の類でしょうが、好きな音楽CDをあらためて取り出して、別の角度から聞くきっかけになるという点で、たいへんありがたいものです。
「ラグビー」「パシフィック231」などの管弦楽の見事さは上記の記事のとおりですが、とくに今回は「コンチェルト・ダ・カメラ」という室内協奏曲がたいへん気に入りました。解説によれば、この音楽、もともとは1948年にバークシャー音楽祭で初演された「フルート、イングリッシュ・ホルンとピアノのための室内ソナタ」が原曲とのこと。これが評判が良いので、作曲者は同年秋に室内協奏曲に書き直したのだそうです。
第1楽章、アレグレット・アマービレ。アマービレという指示はどんな意味なのでしょう。20世紀の音楽らしい、独特の響きを持つ弦楽合奏に始まり、イングリッシュ・ホルンとフルートが軽やかな音楽を奏します。なるほど、室内協奏曲です。しかも、ヴァイオリンとヴィオラならぬ、フルートとイングリッシュ・ホルンのための二重協奏曲。この二つの木管楽器の音色の取り合わせが絶妙です。
第2楽章、アンダンテ。低音弦が重苦しく始まり、フルートとイングリッシュ・ホルンが半音階的な透明なメロディをゆったりと奏します。一種、不思議な音の世界です。
第3楽章、ロンド、ヴィヴァーチェ。一転して、やや速めの活発なロンド。ヴィヴァーチェという指示はあるものの、それほど晴れやかで開放的な気分ではありません。「パシフィック231」等だけを聞けばマッチョ指向(?)の作曲家と思いがちですが、室内楽に近い、なんとも知的な終わりかたです。
それにしても、オネゲルといいプーランクといい、木管楽器の使いかたが実に上手だと感じます。フランス語の発音が、木管楽器みたいなものかもしれません。
1993年、オランダのヒルヴェルスムのミュージック・センターでの明晰で暖かみのあるデジタル録音。ジャン・フルネ指揮の「ラグビー」「パシフィック231」「夏の牧歌」「交響曲第3番 典礼風」などを収録したこのCDは、1枚全部、演奏録音ともにすばらしい内容だと感じます。