土曜の夜7時から、山形テルサホールにて、山響こと山形交響楽団の第189回定期演奏会を聴きました。例によって18時45分頃から指揮者の飯森範親さんのプレトークがあります。最初の出だしで音声が入らず聞き取れなかったのですが、すぐ音声が入りました。飯森さん、風邪を引いたのか、声が少々かすれ気味。でも、次第にいつもの調子が戻って来ました。
本日のプログラムは、
1.ヴォイチェフ・キラール 「オラヴァ」
2.ショパン 「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」 仲道郁代(Pf)
3.ラフマニノフ 「交響曲第2番」(ノーカット全曲版)
というものです。
今日のコンサートマスターは高木和弘さん、第2ヴァイオリンのトップには、舘野泉さんの子息であるヤンネ・舘野さんが坐っています。
第1曲の「オラヴァ」は、第1・第2Vn、Vla、Vcが各2にCbが1の弦楽セクションだけのきわめて小編成で演奏されます。作曲家のキラールは、1932年ポーランドのリヴィウ(現在はウクライナ)の生まれで、現在も活躍中の作曲家だそうです。映画「戦場のピアニスト」の音楽を担当しており、ミニマル・ミュージックを志向する方だそうですが、ジョン・ケージの「4分33秒」のような奇矯なところはありません。第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが、1小節単位の単純なモチーフをくり返しているうちに、音楽が少しずつずれてきて、そこにヴィオラやチェロ、コントラバスが加わり、次第に盛り上がりを見せます。ラヴェルの「ボレロ」の現代的かつ弦楽版みたいな音楽、といったらわかりやすいでしょうか。なかなか緊張感と力感のある音楽でした。
続いてオーケストラの編成が拡大され、ピアノがステージ中央にすえられて、仲道郁代さんと飯森さんが登場します。飯森さんと桐朋学園の同級生だという仲道さんは、たいそうキュートな藤色のドレスです。本日のプログラムは、キラールとポーランドつながりのショパン。「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」の前半のピアノ独奏部では、やわらかくコントロールされた美しい音で、きらきらとした玉を転がすような音楽を聴かせてくれます。第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが左右に分かれた対抗配置のオーケストラが入ってからは、ダイナミックな激しさも見せますが、ピアノ主体によくコントロールされた音楽となっていました。
拍手に応え、仲道さんからショパンの「子犬のワルツ」を。コロコロと、実に軽やかな演奏でした。
休憩のあと、ラフマニノフの交響曲第2番です。ノーカット全曲版で、およそ1時間かかります、と指揮者のプレトークで説明がありましたが、ほんとにそのとおり。先にプレヴィンの演奏でこの曲を取り上げたばかり(*)ですが、地元でこの曲の全曲版の演奏を聴けるとは思っていませんでした。実演に接して初めて理解したのは、ティンパニや大太鼓がずいぶん活躍していること、多くの楽器に少しずつ、美しい旋律のソロを取る部分があること、などです。このあたりは、CDを通じて音楽全体を聴いているだけではわかりにくく、実演で初めて理解できたところです。
客席からは大きな拍手。特別首席コンサートマスターの高木和弘さんが、今日は隣に坐っている、山響コンサート・ミストレスの犬伏亜里さんに何か話しかけています。にこやかな表情です。演奏終了後の解放感かな。
ところで、本日の演奏は、テレビ収録されていたそうです。現在、山形放送で半年かけて「音楽を奏でる街」(仮題)というドキュメンタリーを制作中なのだとか。客席にはナビゲーターの金本美紀アナウンサーや山内プロデューサーもおられたそうで、今年の秋11月放送予定とのこと。こちらも今から楽しみです!
(*):ラフマニノフ「交響曲第2番」を聴く~電網郊外散歩道
本日のプログラムは、
1.ヴォイチェフ・キラール 「オラヴァ」
2.ショパン 「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」 仲道郁代(Pf)
3.ラフマニノフ 「交響曲第2番」(ノーカット全曲版)
というものです。
今日のコンサートマスターは高木和弘さん、第2ヴァイオリンのトップには、舘野泉さんの子息であるヤンネ・舘野さんが坐っています。
第1曲の「オラヴァ」は、第1・第2Vn、Vla、Vcが各2にCbが1の弦楽セクションだけのきわめて小編成で演奏されます。作曲家のキラールは、1932年ポーランドのリヴィウ(現在はウクライナ)の生まれで、現在も活躍中の作曲家だそうです。映画「戦場のピアニスト」の音楽を担当しており、ミニマル・ミュージックを志向する方だそうですが、ジョン・ケージの「4分33秒」のような奇矯なところはありません。第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが、1小節単位の単純なモチーフをくり返しているうちに、音楽が少しずつずれてきて、そこにヴィオラやチェロ、コントラバスが加わり、次第に盛り上がりを見せます。ラヴェルの「ボレロ」の現代的かつ弦楽版みたいな音楽、といったらわかりやすいでしょうか。なかなか緊張感と力感のある音楽でした。
続いてオーケストラの編成が拡大され、ピアノがステージ中央にすえられて、仲道郁代さんと飯森さんが登場します。飯森さんと桐朋学園の同級生だという仲道さんは、たいそうキュートな藤色のドレスです。本日のプログラムは、キラールとポーランドつながりのショパン。「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」の前半のピアノ独奏部では、やわらかくコントロールされた美しい音で、きらきらとした玉を転がすような音楽を聴かせてくれます。第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが左右に分かれた対抗配置のオーケストラが入ってからは、ダイナミックな激しさも見せますが、ピアノ主体によくコントロールされた音楽となっていました。
拍手に応え、仲道さんからショパンの「子犬のワルツ」を。コロコロと、実に軽やかな演奏でした。
休憩のあと、ラフマニノフの交響曲第2番です。ノーカット全曲版で、およそ1時間かかります、と指揮者のプレトークで説明がありましたが、ほんとにそのとおり。先にプレヴィンの演奏でこの曲を取り上げたばかり(*)ですが、地元でこの曲の全曲版の演奏を聴けるとは思っていませんでした。実演に接して初めて理解したのは、ティンパニや大太鼓がずいぶん活躍していること、多くの楽器に少しずつ、美しい旋律のソロを取る部分があること、などです。このあたりは、CDを通じて音楽全体を聴いているだけではわかりにくく、実演で初めて理解できたところです。
客席からは大きな拍手。特別首席コンサートマスターの高木和弘さんが、今日は隣に坐っている、山響コンサート・ミストレスの犬伏亜里さんに何か話しかけています。にこやかな表情です。演奏終了後の解放感かな。
ところで、本日の演奏は、テレビ収録されていたそうです。現在、山形放送で半年かけて「音楽を奏でる街」(仮題)というドキュメンタリーを制作中なのだとか。客席にはナビゲーターの金本美紀アナウンサーや山内プロデューサーもおられたそうで、今年の秋11月放送予定とのこと。こちらも今から楽しみです!
(*):ラフマニノフ「交響曲第2番」を聴く~電網郊外散歩道